「893愚連隊」再び。荒木一郎中毒。
2006 / 06 / 29 ( Thu )
土曜日に荒木一郎の出演作「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」「白い指の戯れ」
「893愚連隊」を観に行ってからというもの
(↓)、ワタシの胸は荒木一郎のことでいっぱい。
完全に彼に恋してしまいました。
で、土曜に観たばかりなのにまたラピュタに「893愚連隊」で見に行きました。
松方弘樹の「電気冷蔵庫は5年ほ保障があるけど、人間には明日の保障もないんや」
「 ネチョネチョ生きとるこっちゃ」
「愚連隊は民主主義や」
などなど、素晴らしいセリフの一つ一つを再度堪能。
荒木一郎がソロバンをはじく姿もよろしおま。
細身のお体で生長の道の活動するのも素敵でっしゃろ。
9月にDVDが発売されるそうで、絶対こーたる。
mirandaさんの裏きのこ部を読んで、
ワタシと同じ行動パターンの方がいらっしゃるのね、と一方的に共感。
http://miranda.jugem.cc/?day=20060628
貧乏贅沢暮らしさんも新文芸坐にて、荒木一郎の作品を
ご覧になってます。
http://weblog-cmm.jugem.jp/?day=20060624
ワタシは勤務先にて(お堅い会社ですが)、
荒木一郎の魅力の普及活動をさっそく始めたところです。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画
N響創立80周年記念演奏会。武満徹と映画音楽
2006 / 06 / 25 ( Sun )
日曜日の朝、スティービー・ワンダーの傑作アルバム「Songs in the Key of Life」を聴く。
70年代のスティービーは神がかり的な凄さだ。
この凄さは言葉にならない。
4時からN響創立80周年記念演奏会。
もともと、アシュケナージがモーツァルトが弾き振りをするプログラムで、
久しぶりにアシュケナージのピアノが聴けるとのことで、
頑張ってS席をとり、非常に楽しみにしていたのだが、
1ヵ月後、アシュケナージの指の状態が悪いので、指揮のみに変更とのハガキが…。
原宿駅から丹下健三の代々木体育館を左に見ながら、NHKホールへ。
ホール内売店で、アシュケナージの直筆サイン付きCDを購入。
20年ぶりの再録音であるショパンの
ピアノソナタ第3番&第2番と幻想曲。
直筆サインに弱いのだ。
まず、最初は、
武満徹/3つの映画音楽から「ホゼー・トレス」~訓練と休息の音楽
オーケストラのための「波の盆」
3つの映画音楽から「他人の顔」~ワルツ
いずれも映画音楽。私は「他人の顔」しか観たことがないが、
解説によると「ホゼー・トレス」は勅使河原宏監督(この作品知らない)。
「波の盆」は実相寺昭雄監督によるテレビドラマだそうだ。
ところで、映画史のなかでも50年代・60年代の日本映画ほど
超一流の作曲家が積極的に映画音楽を手掛けたことがあっただろうか。
特に武満徹、林光、黛敏郎の3人は、もともとの作曲家としての偉大さにくわえ、
手掛けた映画音楽の量、手掛けた映画作品の重要性、
そしてもちろん映画音楽としての水準の高さの点で、
群を抜いていると思う。
面白いのが、いかにも「現代音楽」な作品をかいている作曲家である武満が、
映画音楽となると、とたんにベタな甘ったるい映画音楽になるのだ。
昔のハリウッドの映画音楽のような、感傷的なメロドラマっぽい曲が多い。
例えば成瀬巳喜男監督の「乱れ雲」(私が最も好きな成瀬作品)。
もともと非現実的な昼のメロドラマのようなストーリーなのだが、
その悲恋ドラマにあわせて、これでもか、これでもかと
あおるように武満のせつない曲が流れる。
そんな物悲しい曲を繰り返し何度も流すのは反則だろう、と思いつつ観ていると、
それが気持ち良かったりする。
そのへんについて、映画狂の武満が蓮實重彦と対談している本
「シネマの快楽」にでも
秘密が書かれてないか、本棚から出して確認しようと思いつつ
今日のプログラムを聴いた。
(ちなみに私が好きなのは林光。増村保造作品での音楽はどれもいい)
「ホゼー・トレス」はジャズっぽい原始的なリズムの曲。
アシュケナージもアクロバティックに指揮。
「波の盆」「他人の顔」はコテコテの武満調の映画音楽。
ステレオタイプな音楽を悪びれずに、これでもかとやる。それが武満。
次に、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番。
ピンチヒッターのレオン・フライシャーのピアノ。
最初、この人の演奏はヘタウマ調か?と思いながら聴いていたが、
2楽章からだんだんピントがあってきて、最後良くなった。
と思ったら、アンコールで弾いたバッハ「羊たちは安らかに草をはむ」がまたヘタウマ調に戻っていた。
後半のブラームスの交響曲第1番。
これは本当に素晴らしかった!
聴いていて途中でなぜか涙がジワーっと出てきた。
感動!
まさに80周年記念演奏会にふさわしい演奏だった。
アンコールのハンガリー舞曲もノリにノっていてとても良かった。
満足感いっぱいのコンサートだった。
が、買ってきたアシュケナージのショパンのソナタのCDは???という
出来だった。
聞いた感じ、演奏に往年の輝きはなかった。
素晴らしい昔の録音があるのに、何故にまた録りなおしたのだろう?
荒木一郎の映画3本と鹿島茂
2006 / 06 / 24 ( Sat )
朝刊を読んでいたら、
今日新文芸坐で鹿島茂のトークショーを行うとの記事が載っており、
あせって、身支度をして、部屋にある「甦る昭和脇役名画館」と
「パリ五段活用」をバッグにいれて池袋に向かう。
そうだった!今日から「脇役列伝」の上映だった!
忘れるところだったよ。
新文芸坐、本日の上映は荒木一郎の2本。
まず「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」。
もてない不器用なブ男がとスウェーデン娘を部屋に監禁するストーリー。
ユーモアのセンスが最高。
彼女を喜ばそうとして花を買うところが面白い。
次に「白い指の戯れ」。村川透監督のデビュー作。
伊佐山ひろ子主演。
70年代の空気が満載!
新宿の紀伊国屋書店で万引きをするシーンがあって、ビックリ。
よく撮影させてくれたものだ。
ほか見ていてわかったロケ地は、
伊勢丹や、井の頭線や井の頭公園、丸の内線の新宿御苑駅、新宿西口など。
この作品での荒木一郎は「ポルノの女王」と同じ俳優と思えないほど、
ニヒルな色男をカッコよく演じきっている。
伊佐山ひろ子を置いてしばらく姿を消していた荒木が、
彼女のところに戻ってきて「俺がいなくて、大変だっただろう」と
優しい声をかける器用さ!
’すけこまし’そのもの。
子宮でもの考える彼女はまたイチコロ。
荒木が演じた器用な男と、不器用な男。
あまりの違いに驚き、うなる。
荒木一郎、ただものではない。
「ポルノの女王」だけ観ていたら、ただの情けないブ男だと思ったよ。
上映後、鹿島茂のトークショー。
大学の先生らしい話しぶり。
プログラム・ピクチャーは(作品)群でみるもの、という視点は面白い。
そして鹿島先生のご専門のベンヤミンの「集団の夢」がでてきた。
なるほど。
確かに毎週次々と上映されるプログラム・ピクチャーの作品群は
作り手と観客の集団の夢の産物だ。
また、増村保造の最高傑作(と私が考えている)「偽大学生」の
DVD化がされないのは原作者(つまり大江健三郎)の意向だと話されていた。
(「偽大学生」こそ絶対DVD化される作品!お願いします。大江先生!)
トークショーの後、サインをしてくださるとのことで、
売店で「パリ・世紀末パノラマ館」も買い、
家から持ってきた本と合わせて3冊にサインしてもらう。
荒木一郎の演技に唸り、夜は偶然同じ時期にラピュタでやっている
「役者 荒木一郎の魅力」に行く。
今週は「893愚連隊」の上映。
これまた快作。
関西弁で話すチンピラ達の台詞が面白い。
しょうもないクズ達のクズっぷりをユーモアたっぷりに描いている。
彼らが「民主主義」を連呼するのが面白い。
存在感がある俳優達の中でも荒木一郎の存在感がカラダも顔も薄いのに群を抜いている。
よく切れるカミソリのようだ。
ラスト直前のクライマックスの場面がおかしい。
最後のみみっちさもまた笑える。
なのに、何故か爽快感が残る一作。
同じ松方弘樹主演のストーリーが似ている「恐喝こそわが人生」より
面白いね。
追記
「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」でも「893愚連隊」でも
荒木一郎が話す関西弁(京都弁?)が最高なのだが、
調べると彼は東京の人らしい。
関西弁の見事さにネイティブ・スピーカーなんだろうと思ったのだが、
これはまた驚き。
「下町」を観る
2006 / 06 / 18 ( Sun )
朝10時半ごろ、南阿佐ヶ谷のベーグルにパンの買出しに行くも、
すでにベーグルはすべて売り切れ。
フランスパンもなし。
いちじくのパンなど買う。
ラピュタにて千葉泰樹監督「下町」(ダウンタウン)を観る。
山田五十鈴、三船敏郎主演。
当代を代表する美男美女の主演。
林芙美子原作。
敗戦から4年後、シベリアに抑留された夫を行商をして待つ女性の話。
林芙美子にこのような作品があるとは知らなかった。
山田五十鈴が貧しい子持ちの女性になりきってる。
知り合った山田と三船は子供を連れて浅草に遊びに行き、
松屋の屋上の遊園地に行き、
映画に行き、そしていきなり温泉マークの宿に泊まる。
6年も夫を待つ貞淑な妻である山田が、大胆にも三船をいやらしい宿に誘うのだが、
三船に求められると、シベリアにいる夫のことを考え最初拒絶しつつも、
「男の人は遊ぶことができて、羨ましい」なんて、
男が放っておけないことを言うのだ。
そして、次のシーンにドッキリ。
温泉マークの電飾がチカチカして、二人が結ばれたことを表すのだ。
そして、衝撃のラスト。
かなりビックリ。
ちなみに美術は成瀬巳喜男作品でおなじみの中古智。
林芙美子原作で映画化された作品は11本。
成瀬以外の監督による作品は戦前2本、戦後1本。
戦前の作品が現存していれば、林芙美子作品の上映会をやってみると面白いのでは。
ロングマンのシルカカード
2006 / 06 / 15 ( Thu )
AMAZONで購入したシルカカード・ロングマンコンテンツカードを試す。
3月に買ったセイコーの電子辞書SR-E8500 に装着。
うーん…。
見出し語約11,000語、例文約9,100文の発音をイギリス英語・米語で収録という
すぐれもののコンテンツなんだけど、
なにせ辞書本体のスピーカーの音がヒドい。
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いをききとるどころではありません。
こもったような、隣の部屋の声を無理やりきくような感じ。
ほかの点では満足な辞書なのですが、
セイコーさん、このスピーカーについて、どう思ってるんでしょう…。
「恋の片道切符」「不敵な男」「女は二度生まれる」を観る
2006 / 06 / 12 ( Mon )
ラピュタにて「恋の片道切符」「不敵な男」「女は二度生まれる」の3本を観る。
篠田正浩監督の処女作「恋の片道切符」。
当時のアイドルがでる青春映画とのことで、期待をしてなかったのだが、
かなりいい作品で収穫だった。
冒頭、東京駅を俯瞰でとらえたショットの直後に改札前で主人公を思いっきり下からあおって撮るショットにはじまって、
凝りに凝ったカメラワークが続く。
小坂一也と牧紀子が陸橋で出会い、次のシーンに変わる直前
カメラのフォーカスが遠くの二人から近くの雨だれに移るところがまたいい。
歌舞伎町を中心とした新宿を非常にドライに撮影している。
ヒロインの牧紀子の顔立ちや意思の強そうな強いまなざしが、アリダ・ヴァリやモニカ・ヴィッティといったイタリア女優を彷彿させる。
彼女が道を歩くシーンはとてもハードボイルドでスクリーンに
緊張感があって美しい。
トレンチコートを着て道を歩く彼女は、「第三の男」のアリダ・ヴァリのよう。
彼女をひきで撮る最後のシーンまで、素晴らしい。
この作品の牧紀子はまさにフォトジェニックだ。
増村保造の「不敵な男」。
増村作品に繰り返しあらわれる「女が犯されて強くなる」というテーマにそった作品。
ヒロインの野添ひとみは、川口浩に犯され、強くなり、最後に優しくなる。
優しくなる、というところは、「犯されて強くなる」テーマの中でも、これは「赤い天使」と同じパターン。
川島雄三の「女は二度生まれる」。
この作品をスクリーンで観るのは久しぶり。
川島雄三は劇的なシーンで顔をアップにすることが多いなぁと再確認。
何度観てもラストは謎。

チーズパンをつくる
2006 / 06 / 11 ( Sun )
久しぶりにパンを焼いた。
チェダーチーズ入りのパン。
富沢商店の国産ハードブレッド用小麦粉を使用。
最後に焼く前に、切り込みを入れるを忘れてしまったせいか、
パリっと仕上がらなかった。
残念。

「その場所に女ありて 」を観る
2006 / 06 / 03 ( Sat )
ラピュタにて「その場所に女ありて 」を観る。
傑作。
冒頭の会社の始業風景で、OL達が乱暴な男言葉で話していて驚くが、
とたんにハードボイルドかつスピーディな展開にひきこまれる。
1962年にこんなキャリアウーマンを描いた作品がつくられていたなんて。
やはり司葉子が美しい。
いつも髪を結っている彼女が髪をおろしたときが何とも艶かしい。
そして、その日の夜宝田明に体を許すのだ。
彼女の女としての部分に振り子が大きく揺れたことを表している。
たくましい女性達に比べ、出てくる男性すべてが徹底的に情けなく描かれていて、極端だが面白い。
川本三郎の「銀幕の東京」という本の中にこの作品についての記述があり、
興味を持ち、観にいったのだが、行って良かった。
おすすめである。