シネマヴェーラのヌーヴェル・ヴァーグ特集に行く。
クロード・シャブロル監督の『いとこ同士』。
田舎からパリに出て来た不器用なマザコン大学生の話。
このマザコン主人公のいとこ(大学生)の享楽的な生活ぶりが凄い。
『甘い生活』というか『花より男子』というか。
好きな女性と、その好きな女性を自分から奪ったいとこがイチャイチャ同棲する家に同居する主人公の気持ちとは、どんなものなんでしょうか。
日本映画だったら、必死に勉強することで一矢報いて終わりだったかも。
ところが、衝撃的なラスト。後味悪い。
ダメな奴はとことんダメだ、ということになってしまった。
さすがフランス。厳しい国です。
人間、要領が大切なのは万国共通ではありますが。
トリスタンとイゾルデなどのワーグナーが効果的でありました。
次にアニエス・ヴァルダ監督の『5時から7時までのクレオ』。
観ていて楽しかった。
病気の検査の結果を訊く前の2時間、不安で気まぐれな女の子がパリを歩く。
ミシェル・ルグランが出てきてピアノを弾いたり歌ったりするシーンがあり、こりゃ嬉しい。
一瞬すごい勢いでドビュッシーを弾いていたよ。
この作品の中にもカフェのLe Domeが出てきた。
切れ目なく流れるミシェル・ルグランの音楽が最高。
DVDが欲しくなりました。
こんな映画を観たので、クロワッサンが食べたくなり、
エシレバターをつかっているというVIRONでクロワッサンなどを買う。
ここはパリのブランジェリーそのもの。
ここまでパリを再現しているのは、こことAUX BACCHANALESぐらいか。

と歩いていると、大学時代の先輩からの電話入り、
後輩が生死に関わる重病に罹っていたということを聞き、衝撃を受ける。
こうやって映画を観て楽しく暮らしていられる自分の幸せを再確認せずにはいられない。
ミシェル・ルグランの楽しい映画を観たので、
本日のBGMは『ルグラン・ジャズ』。
泥臭さがまったく無い、都会的で洗練された演奏で、
これはこれで好き。