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『けものみち』『黒い画集 第二話・寒流』を観る

新文芸坐の池部良特集、『けものみち』『黒い画集 第二話・寒流』を観ました。

須川栄三監督の『けものみち』(1965年)。
脚本は白坂依志夫。
(この組み合わせでの仲代達矢版『野獣死すべし』は素晴しかった)
音楽は武満徹ですが、さすがにこの作品での武満はメロドラマ調ではありません。
この作品を観ながら、幼少期に両親と一緒に見たNHK土曜ドラマ『けものみち』
(脚本・ジェームス三木、演出・和田勉)を思い出しました。
名取裕子が焼死した夫の遺体確認をするシーンで、リアルな焼死体が映り、
そりゃもう恐ろしかったこと、
エロジイサン西村晃の前で全裸になる名取裕子(カメラは一糸まとわぬ名取裕子の後姿を写していた)、
暑そうな場末の宿で伊東四朗が名取裕子を襲おうとしたシーン、
それとムスグルスキーの禿山の一夜が流れていたこと。
今回、須川版『けものみち』を見て、後のNHK版は須川版を参考にしていたな、と思うところがチラホラ。
名取裕子が夫を殺しに行く衣装とか。

須川版『けものみち』はよく出来たフィルム・ノワール作品でした。
悪人・小滝章二郎役に善良そうな池部良というのはユニーク(NHK版では山崎努)。
池内淳子は暗いなー。もちろん暗い役を演っているんだけれど、なんか表情が硬い。
『花影』でもそう思った。
池内淳子なら新東宝時代がいい(それと『喜劇とんかつ一代』)。

次に『黒い画集 第二話・寒流』(1961)。
目下ワタシの中で注目度ナンバーワン監督・鈴木英夫の作品。
こういった業界ものを描かせたら鈴木英夫の右に出るもののいないと言っても過言ではないでしょう。
最初から最後まで、一瞬の隙もないショットの連続。
スクリーンに映し出されるシャシンひとつひとつがあまりに素晴しい。
(新珠三千代のマンションのベランダの前で、池部良と新珠三千代が写る絵の美しさ!)
そしてスリリングなやりとり。
池部良と新珠三千代と平田昭彦がゴルフ旅行をしているところなど、三人の関係に手に汗を握ってしまいます。
そして堕ちていく池部良。段々と情けない姿になっていきます。
と、そこに、いきなり不思議なシーンが挿入されていて、丹波哲郎とヤクザの構成員が唐突に出てくる。
いったい何でしょう、これは?
池部良も呆気にとられた顔でヤクザの構成員達を見ていましたが、このシーンを観ているこっちも呆気にとられましたよ。面白かったけど。
非常にシリアスな内容の作品ではあるけど、時々ユーモアがありました。
川の字で寝るシーンとか。
『非情都市』と同じく、野心や努力は結局巨大な権力の前ではどうすることもできない、という内容。
勉強になりました。
作品の素晴しさと世の中の厳しさをヒシヒシと感じました。
やはり、鈴木英夫ただものではないです。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

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Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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