『月曜日のユカ 』と『現代やくざ 人斬り与太』
2007 / 05 / 26 ( Sat )
まずラピュタのモーニングで『月曜日のユカ』を鑑賞。
2003年のユーロスペースでの「中平康レトロスペクティヴ」では、ショウ・ブラザース作品を中心に通い『月曜日のユカ』はくだらなそうだと思い行かなかったので、今回初見。
音楽は黛敏郎。
中平康の小手先の技巧の連続に段々と辟易。
こういうのが当時はカッコよかったのでしょうか。
今後ウォン・カーウァイの作品を観たら、同じような感覚に襲われるかもしれないなぁなど思ったりして。
(ウォン・カーウァイ、とても好きですけどね)。
くだらんストーリーにもイライラきて、加賀まりこのイモ演技に我慢の限界がきて、
途中マジシャンと加賀まりこがモタモタやりとりするところでワタシ怒りそうになるも、我慢して観ていたら、最後の方でモタモタは解消されて助かった。
とにかくこの作品の加賀まりこ、演技ひどすぎ。
そういえば同じ役柄で石井輝男監督の『ならず者』にも出演していました(同じ1964年の作品でこちらはカラー)。
『ならず者』程度の短い出演なら、「加賀まりこ、カワイイ」で許せるのですが。
と、言いたい放題ですが、途中、クラブでの与太者とダンスするシーン(劇中「ビートニクス酒場」とか言われていた)で流れた音楽がチコ・ハミルトンみたいでかなりカッコよかった。
これは黛敏郎によるものでしょうか?これが収穫。
次にシネマアートンで深作欣二の『現代やくざ 人斬り与太』。
14時半開始で14時に行ったら、むさ苦しい男達の大行列が出来ていて、さすが東映70年代深作作品と驚いたのですが、行列の方はレイトのために並んでいる人達でした。
『現代やくざ 人斬り与太』、初見です。
失われた街の風景がいっぱい映っていて楽しい、などと言っている場合じゃない!
渚まゆみ登場で、疾風怒濤というか、映画が猛烈に躍動する、その素晴しさ。
加えていつにもまして怪演の三谷昇。
(そういえば、自由が丘武蔵野館が閉館する直前に「大怪優 三谷昇」という特集があったなぁ)
なぜ菅原文太をあそこまでかばうのか説得力に欠けるのけれども、そんなことはさておき、安藤昇にしびれた。
狂犬男+狂犬女の結末はやはり破滅でした。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画
マジック・スパイス下北沢店
2007 / 05 / 26 ( Sat )
シネマアートンで、『現代やくざ 人斬り与太』を観た後、マジック・スパイス下北沢店に行きました。
スズナリのすぐそばにマジック・スパイスがあったとは、知らなかった。もっと前に行けばよかった。
16時頃、中途半端な時間に行ったので待たずに入れました。
チキンを「涅槃」の辛さで注文。
マジック・スパイス初体験なので、辛さはどんなもんだろうとドキドキ
(札幌本店は中心部から離れているので、行けなかった)。
すぐに出てきたカレーは、ご飯は少なく、スープの方が量が多く野菜いっぱいで、
とてもヘルシーなかんじ。
食べてみると、スパイスがたっぷりで心地よく、「涅槃」の辛さはちょうどよく、スープはサラっとしていて、食べてさらにカラダにいい感じ。
健康食との印象を受けました。
これは、シネマアートン→マジック・スパイスというルートが出来てしまいそうです。
(あなたが女の子なら、マジック・スパイス直前にある雑貨店JAMCOVERもオススメ。
パリのクリニャンクールなどのアンティークの布屋さんにあるようなカワイイなつかしいものが下北プライスで売っています。)

喫茶ミケネコ舎
2007 / 05 / 26 ( Sat )
シネマアートンで映画を観る前に、喫茶ミケネコ舎に行きました。
ここはスペシャルティコーヒーをコーヒープレスで淹れているお店で、
前から行きたかったお店。
下北沢のメイン通りをドンドン行って左折したところに、
目を惹くレトロな建物が出現。
昔の映画にでてくるような建物。
その2階に目当ての喫茶ミケネコ舎はありました。

お店の中も凝りに凝ったレトロなものでかためられておりました。
窓が開いていて、気持ちのよい風がビュンビュン入ってきました。
水が入った気泡の入った薄緑色のグラスがステキです。
まず、深煎りのザンビア・テラノーバと白ごまのチーズケーキをオーダー。
白ゴマのチーズケーキは、奇をてらわない素朴な美味しさのケーキ。
で、念願のコーヒープレスで飲むザンビア・テラノーバ、コーヒーの味の構成要素の中で苦味の要素のみが感じられます。
予想していたようなアクや雑味はまったくありません。
でも苦味しかなくてなにか物足りない感じも。
それから生豆の匂いも抽出されたコーヒーに残っていました。
こういう生豆の匂いがするコーヒーを飲んだのは初めてです。
これは焙煎の仕方によるものでしょうか?面白いと思いました。
コーヒープレスはマグカップ1杯半ぐらいの容量で、2杯目を注いだ時もまだアツアツでした。
意外にも2杯目のコーヒーにも雑味はなく、1杯目とほぼ同じ状態。
次に、ストロング・ブレンドを注文。
やっぱり熱い。
先ほどのザンビア・テラノーバとの味の違いがほとんどわかりません。
これも苦味のみが口の中に広がります。
これが抽出方法によるものなのか、豆そのものの味なのか、
コーヒープレスで本格的なコーヒーを飲むのは初めてなので、わかりません。
言えるのは、新鮮ないい豆でないとコーヒープレスでの抽出では飲めないだろうということ。
喫茶ミケネコ舎は、豆に絶対の自信があるのでしょう。
映画を観に下北沢に来た折には寄りたいお店です。
札幌の美味しいコーヒー店めぐり その7
2007 / 05 / 19 ( Sat )
本日は札幌で喫茶店めぐりができる最終日。
喫茶店に行く前に、昨日行ってまた行きたくなったオーロラタウンの「きたキッチン」へ。
モッツァレラチーズ、麦輪小樽のアールグレイとマーブルラムレーズンのベーグル、ノルトエッセンのあんぱん、小豆のジャム、生のホワイトアスパラガス1袋(今がシーズン♪)、それにビン入りのとても美味しそうなプリン色々なメーカーのもの4コを購入。
有楽ビルの宮越屋珈琲 ホールステアーズカフェに行って、フレンチをオーダー。
こちらはJBLらしき巨大なスピーカーがあり。

宮越屋のフレンチはワタシにとって札幌の美味しいコーヒーの標準値であり(しかし東京の宮越屋は札幌より美味しくないと思う)、ここより美味しいコーヒーが出てくるとかなり美味しい喫茶店だと判断し、ここより美味しくないコーヒーが出てくると、よろしくない店だと思う。
チーズトーストも注文(モーニング価格で300円)。

次に、地下鉄西11丁目駅直結のビル内にあるBasicに再度行く。
どうしても東京に帰る前に、もう一度この店のコーヒーを飲みたかったのです。
「アフリカの珈琲」というコーヒーをまず注文。
エチオピアのモカが出てきました。これも素晴らしい味わい。
さっそく豆がほしくなり、エチオピアのモカ100g購入。
次に、数日前飲み感動したCというコーヒー(豆30gでの抽出)を注文。
コーヒーを口に含んだとたん、濃厚な旨みと苦味ととろみに昇天。
温度も絶妙。
その美味しさにクラクラきた瞬間、店のスピーカーからマーラーの交響曲第5番第4楽章が流れ出し、ワタシも「ヴェニスに死す」のアッシェンバッハ状態になりました。
ワタシにとって、札幌で1番美味しいコーヒーはBasicのCと決定です。
ランチを食べに札幌の郊外、西区発寒にある斉藤ファームに行きました。
ここは札幌の都市景観重要建築指定を受けている旧三谷牧場の牧舎をつかったレストランです。
入り口に入ると、コーヒーの生豆と焙煎の釜が置いてあり、焙煎の匂いがしております。
12時を少しまわった時間に行ったのですが、土曜日ということもあり既に満員でした。
牧舎の中でアルコールランプの光でいただくランチ、素敵です。





ランチは1種類。
北海道の食材(米はおぼろづき、小麦粉は春よ来い、牛乳は牧場タカラの「幸せな牛のミルク」等々)をつかった定食です。
下の写真のものにサラダとお味噌汁とご飯がついて1000円。
安くて美味しく、食器も良く大満足。

コーヒーの無料サービスのクーポン券を持っていたので、コーヒーもいただいたのですが、これが意外にも(失礼!)結構美味しかった。
ワタシが飲んだのは、フレンチ斉藤Bブレンド。中心部の立派なお値段のコーヒーよりもずっと美味しいです。

斉藤ファーム、かなり気に入りました。
帰る際、入り口に行列が出来ていて、並んでいる途中にランチが売り切れてしまい帰っているお客さんがいました。
土日は早めに行く必要があるようです。
食材はこだわりの北海道産のものばかりで、店の雰囲気はこれ以上はない程の北海道的。しかもリーズブル。
オススメのレストランです。
さて、きたキッチンで買ったプリン、食べてみたのですが、中でも手創り菓子工房いまむらの「こだわり十勝牛乳プリン」がメチャクチャ美味しかった!!
こんなに美味しいプリン、今まで食べたことありません!
くゎー。また食べたい…。
(写真一番右がこの世で最も美味しい(有)いまむらの「こだわり十勝牛乳プリン」)

札幌の美味しいコーヒー店めぐり その6
2007 / 05 / 18 ( Fri )
本日のコーヒー探訪。
まず札幌駅北口、代ゼミそば、第1合同庁舎向かいにある石の蔵ギャラリー はやしに行きました。
大正時代に建てられた石蔵はギャラリーに、昭和初期につくられた質屋の母屋部分はカフェとして営業しております。
ブレンドとフレンチは450円。抽出はネルドリップ。
こちらは3年前から営業していて、それ以前は設計事務所としてつかわれていたそうです。
やはりここのコーヒーも熱い。

次に、時計台そばのロックフォール・カフェに行きました。
同じビルの同じフロア、真隣にコクテール堂の豆をつかっているカフェ・ラトゥールがあるのですが、コクテール堂の豆のコーヒーは東京でいつでも飲めるので、今日はロックフォール・カフェへ。
こちらはインフィニ珈琲の豆です。
黒っぽい木を多用した内装で、北海道的で大人の雰囲気でとても素敵です。
スピーカーはJBL、アンプはアキュフェーズ、音楽はクラシック、真空管のアンプもありました。
マスターと女性のお客さんがヴィスコンティの映画の話をしているのを聞きながら、メニューを確認。
通常のフレンチ525円のほかに、デミタスとあら挽き735円があり、
ワタシはデミタスをオーダー。
銀座価格です。
デミタスはネルドリップ。
ドリップしたコーヒーをあたためて出しており、温度は極熱。
525円の通常のコーヒーは淹れ置きしたものを温めて出していました…。
丸井今井別館(旧・マルサ)B1にあるカフェ・ド・ノールへ。
こじんまりとしていて、内装はモダン。
今日もフレンチを注文。
ここもギンギンに熱くして出される。
先ほどのロックフォール・カフェと同じインフィニ珈琲の豆で、こちらはデミタスではなく通常の量ですが、濃さは同じくらい。
チーズトーストも注文。
これは宮越屋珈琲のチーズトーストに完全に負けてますよ。
(宮越屋珈琲のチーズトーストはベーカリー・ベルのパンをつかっていて、とても美味)


地下街オーロラタウンを歩いていたら、えらく混雑しているお店があり覗いていみると、そこは丸井今井がやっている「きたキッチン」という北海道産の食品を売っているお店でした。
これまでの物産品のお店と全然違っていて、売っている商品は高級でしゃれていて、お店のディスプレイはとてもスタイリッシュ。
チーズはこれまで見たことのない美味しそうな北海道のものばかり、
プリンも色んなメーカーのものがいっぱい売られていて、目移りしてしまいます。
パンやベーグルも販売していて、麦輪小樽というお店の「春よ恋プレーン」と「フィグ&ウォールナッツ」を購入。それぞれ181円。
そのほか、生のホワイトアスパラガス(398円)、クレードルのホワイトアスパガラスのピクルス(550円)、ノースファームストックのミルクジャム、今サミットで話題のウィンザーホテルのリンゴジュースとグレープジュースを購入。
札幌にこられる方、このお店は必見です。お高いけど。




東急ハンズ近くのスープカリーのお店「ドミニカ」でランチ。
カリーは黄、黒、赤という3種類があって、ワタシは黄の辛さ4をオーダー。
トントロ入り。
トントロは甘い味付けで、カリーはスパイシー。

岩盤浴に行き、3時間入浴し悪いものを出す。
3時間1000円(+タオル・浴衣代300円)は激安。
施設も清潔で素晴らしい。
本日最後に、地下鉄西28丁目駅近くにある円山茶寮に行く。
暮れかけの時間で雰囲気がありました。


ここは斎藤珈琲の豆をつかっているお店なのですが、
残念ながら既に本日のカフェイン摂取量がすでにキャパを超えていたので、
コーヒーではなく、抹茶ミルクをホットでいただきました。
岩盤浴でフラフラしたワタシにあたたかい抹茶ミルクが優しくしみ込んだのでした。

『青い芽』『チエミの婦人靴』『PARIS JE T'AIME』
2007 / 05 / 17 ( Thu )
チャンネルNECOの「その場所に映画ありて~監督 鈴木英夫の世界」、
今日は『青い芽』『チエミの婦人靴(ハイヒール)』を放映。
『青い芽』(1956年)。35分の小品。
神田川のボート乗り場らしき場所(土手沿いに電車がビュンビュン走っている。中央線?)や、
神宮球場が映っていました。
宝田明と司葉子がほんのちょっとだけ新郎新婦役で出演。
『チエミの婦人靴(ハイヒール)』(1956年)。
先日ラピュタでの上映を見逃したばかりで、見られてよかった。
雑誌「明星」のペンフレンド募集の投稿欄で若い男女が出会うというお話。
自分のことを「米俵」などという江利チエミの自虐的なセリフの連続に苦笑い。
東京で見逃した『パリ、ジュテーム PARIS JE T'AIME』を札幌東宝プラザで鑑賞。
古い劇場ですが、客席の椅子は新しく快適。

1話約5分間全18話。幻想的な映像に仕上がっている作品が多かった。
円安ユーロ高の現状、とりあえずこの作品を観て、パリに行った気分になろうと思ったのですが、
映画を観たらさらにパリに行きたくなってしまいました。
観るとパリの街を歩いているような気分になる一作。
札幌の美味しいコーヒー店めぐり その5
2007 / 05 / 17 ( Thu )
コーヒーを飲みに行く前に札幌ラーメンが食べたくなり、
札幌味噌ラーメン発祥の店、味の三平に行き、もちろん味噌を注文。
味は意外にさっぱりめです。
すっかり完食してしまいました。
昔行った時は緊張感ただよう雰囲気だったのですが、とても愛想のよいお店となっておりました。


本日は狸小路そば、すすきのゾーンにあるCAFE RANBAN(カフェ・ランバン)に行きました。
2階の禁煙席に座り、フレンチをオーダー。
この立地で540円は高いのでは?

ここもやはりコーヒーの温度が高い。
フレンチですが、酸味があり。これは意外。
店内にランブルの関口一郎氏の豆本がディスプレイされておりました。


札幌の美味しいコーヒー店めぐり その4
2007 / 05 / 16 ( Wed )
本日の喫茶店めぐりを始める前、
地下鉄東西線西11丁目駅近くに萌黄書店という古書店を見つけたので、
中に入り、古本を散策。
「ちくま日本文学全集26 岡本かの子」を500円で購入。

地下鉄西11丁目駅に直結したビルにあるBasicに行く。
店名の前に「深煎りの珈琲」というキャッチフレーズがついております。
メニューを開くとまず「当店の珈琲はすべて深煎りとなっておりますので、酸味を主体とした珈琲は一切ございません」という文言が飛びこんできます。
この店に限らずこの街ではコーヒーの酸味=悪という感じがしてくるのですが、このお店ではことさらそんな雰囲気。
もちろん酸味を否定しているのはないのでしょうが、札幌の喫茶店はだいたいどのお店も苦味自慢をしているような気がします。
で、珈琲A(10g),B(15g),C(30g)とある中でCをオーダー。
ネルドリップで、Cが出てきました。容量は100ccぐらい。
ものすごく濃厚で美味。
かつその濃さが絶妙な濃さであり、苦味、甘み、コーヒーのオイルやその他コーヒーから出ているエキスが口に広がり素晴らしい。
コーヒーの温度も高すぎずぬる過ぎず、すべてのバランスがとれたコーヒーであると確信。
帰りに豆を購入。マンデリンを100g。

次はBasicからほど近い、ATELIER MORIHIKO(アトリエ・モリヒコ)へ。
円山にある有名店「森彦」の2号店です。
南向きの窓に面したとても明るいお店。
雑貨のお店cho lonとつながっております。

カウンターに座り、深モカとチーズポテトがのったトーストを注文。
ここのフレンチは本当に濃いのですが、深モカを頼むのは初めて。
ATELIER MORIHIKOではコーヒーはポットかカップ、どちらかを選べることができて、
濃いコーヒーが飲みたいワタシは当然カップで注文。
ネルドリップです。
やってきた深モカは、当然のごとくとても濃かった。
直前にBasicで飲んだC(30gで100ccほどの抽出)に負けず劣らず濃い。
加えてフレンチに比べて個性的な味と香り。
どちらもやはり美味しいです。

トーストは「ルコパン」というお店のものだそうです。
(森彦の本店のほうは、エグヴィヴのパン)
これまた美味しいですわ。

今度は電車に乗り移動。
パリ16区という名前のケーキ屋さんへ。
石蔵を利用した何とも趣きのある店構え。
佐伯チズもお取り寄せしているお店ということで、ここの有名なカマンベールチーズケーキを購入。
2階はカフェのようですが、ここでは飲食せず。

大学時代の友人Kちゃんののダンナさんがつい最近札幌に転勤になり、
数日前にKちゃんが東京から引越してきたので、カマンベールチーズケーキを手土産に会いに行きました。
Kちゃん、高級住宅地の円山にお住まい。
6ヶ月と3歳の女の子がいるので遠出はできないので、
Kちゃんのマンションから歩いてすぐの森彦の本店の方へ。
今日2件目の森彦だわ。
ワタシはATELIER MORIHIKOよりこちらのお店の方が好きです。北海道っぽくて。
今日はベビーカーがあるので1階席に。

ワタシは杏仁ミルクとバナナとくるみのケーキセットをオーダー。
杏仁ミルクとはホット・ミルクに杏仁の味を加えた飲み物です。
飲み物もケーキも美味しかったわん。
Kちゃんも3歳児のAちゃんも大喜び。
森彦で最高に楽しいひと時を過ごせました。


Kちゃんと別れたあと、ドイツパンのお店ブルクベーカリーで、角食を購入。
北海道産の小麦をつかったパンなど販売しておりました。

その隣にある地蔵商店(時計台裏の北地蔵の系列店)でジュースを購入。
自家焙煎のコーヒー豆や、北海道産小麦と天然酵母のパンなど自然食品のお店。
イートインもありました。

今日のまとめ。
札幌ではコーヒーの苦味≒善
コーヒーの酸味≒悪
こんな街において酸味のあるイノダコーヒが善戦していることはエラいといえましょう。
鈴木英夫監督『蜘蛛の街』
2007 / 05 / 15 ( Tue )
チャンネルNECOの「その場所に映画ありて~監督:鈴木英夫の世界2」、本日は『蜘蛛の街』(1950年)を見ました。
鈴木英夫ファン必見の一作。
この作品は大映時代の作品。
(というか、今日この作品を見るまで鈴木英夫が大映出身であることを知りませんでした)
まず、始まってすぐけたたまし変拍子の音楽が始まり、この音楽まるで『ゴジラ』じゃないのと驚いていると、音楽は伊福部昭でした。どうりで(『ゴジラ』は1954年)。
戦後の混乱期、皆まだ貧しかった東京の街中でロケをしていて、
当時の風景が非常によく映っています。
作品冒頭、まず事件が起き、数寄屋橋にあった朝日新聞社が写り、次に渋谷職安が写り、職を求めている宇野重吉が写るところで、もう鈴木英夫の魅力が十分に伝わってきます。
後の『彼奴を逃すな』と同じように、貧しいけれども非常に愛情の深い若夫婦が犯罪に巻き込まれる、というパターン。
『彼奴を逃すな』と同じように悪党に追いかけられるシーンが秀逸で、
たとえば家族で多摩川園に行き飛行機の回る乗り物に乗っていたところ、クルクル回っている途中で後をつけている悪党二人に気づく場面、
それからその直後、川沿いの土手を歩く夫婦の間からカメラが悪党を撮るシーンなど、ハッとするところが散見。
監督2作目にして、鈴木英夫はスゴイです。
そして恐怖のあおり方はその後の作品でより進化するのです。
音楽に関して、意外なところに「エリーゼのために」をつかっていて面白いなと思ったのですが、緊張が高まるシーンでの伊福部昭の打楽器を叩き鳴らす音楽がうるさい。
もっと静かに恐怖をあおる方が洗練されていると思う。
ともあれ、鈴木英夫のただならぬ才能がよくわかる作品でした。
札幌の美味しいコーヒー店めぐり その3
2007 / 05 / 15 ( Tue )
美味しいコーヒーを求めての飲み歩き、今日は札幌中心部を攻めました。
まず最初に行ったのは、カフェ・ド・ノール。
札幌で有名な宮越3兄弟の長兄、宮越惣一氏のお店です。
(次兄は宮越屋珈琲の宮越陽一氏)
札幌駅ほど近いオフィス街のシティバンクが入っているビルの地下1階のお店はあります。
とても落ち着いた高級で大人の雰囲気の店内。
オフィス街のオアシスという感じ。
JBLのスピーカー、ラックスマンのアンプがありジャズがながれております。
カウンターにAudio Mindと書かれた金のプレートがあり、これと何か関係があるのだろうと思いつつ、フレンチをオーダー。
カップ&ソーサーも落ち着いていて洗練されていて、さすがという印象。
出てきたフレンチを一口ふくんだ途端、強烈な苦味と旨みにガツンとやられました。
ものすごく深みのある味です。
これぞ、札幌の美味しいコーヒーのスタンダードかつ理想型でしょう。
ちなみにコーヒーの温度は東京の本格的な喫茶店で出てくるコーヒーに比べてかなり温度が高いです。
東京から来たことお話しすると、こちらの豆(インフィニ珈琲という社名)をつかっているお店いくつかを紹介していただきました。
行ってみたいと思っているお店のいくつかが、ここの豆をつかっているということが判明。
大人向けのお店。
自信を持ってオススメできます。

2軒目は北地蔵。時計台の東側にあります。ここも有名店。
店の前で写真を撮っていると、通りがかりのご婦人に声を掛けられ、「東京にはこういうお店ないわねー、スターバックスばかりで」と言われました。
ちょうどお昼時で店内お客さんでいっぱい。
うなぎの寝床みたいな細長いお店。
カウンターに座り、メニューをみると、コーヒーは1種類しかありません。
コーヒーとお店で販売もしている桜がのったあんぱんを注文。

あんぱんは素朴な味わい。甘さは強め。
コーヒーはカフェ・ド・ノールほどではありませんが、やはりかなりの深煎り。
この街では深煎りがスタンダードということでしょう。
あと味で酸味も若干あるコーヒーでした。
ここでもコーヒーの温度が高い。
カウンターからみえるキッチンの上のほうに「ELEVEN 1966」という店の札が飾ってありました。
この北地蔵の前身の店名がELEVENです。
かなりレトロなレジが現役で使われておりました。

3軒目は丸井今井の駐車場横の古いビルの7階にあるMINGUS COFFEE(ミンガス・コーヒー)。
店内に入ると、

そこには、な、なんと巨大なTANNOY(タンノイ)のスピーカーが!!
ウォーと心の中で叫ぶワタシ。
(流れていたのはジャズでしたが、ミンガスではなかった)

長居したくなるような椅子が置かれ、オシャレーな本や雑誌が置かれた店内。ここもステキです。
ベランダ席もあり、ベランダに出るとテレビ塔が見えました。

ここは、先ほどのカフェ・ド・ノールの豆をつかっているお店ですが、
カラダをいたわりココアを注文。
甘みが心地いいよかった。
カウンターを見ると、ここにもAudio Mindの金のプレートが置いてありました。
お店の方に伺うと、Audio Mindとは札幌にあるオーディオの専門店の名前だとのこと。
なるほど。謎が解けました。
ここは札幌でもっとも良い音でジャズが聴けるカフェだと断言しましょう(ジャズ喫茶は「カフェ」とは言わないし)。
4軒目はMINGUS COFFEEすぐそばの丸美珈琲。
外に生豆がディスプレイされています。
店内とても新しく天井が高く開放感のあるお店です。BGMはショパンのピアノ協奏曲第2番。
マンデリンをオーダー。
こちらのお店はハリオ式で淹れてました。芸術的な美しさの淹れ様でした。
こちらはカフェ・ド・ノールのようなガツンとくる濃いコーヒーというわけではなく、とても正統的な味わいの深煎りコーヒーでした。
カフェ・ド・ノールのフレンチは北国の野性的な個性そのままのコーヒーで、丸美珈琲の味は全国標準という感じ。
やはりここも東京に比べコーヒーの温度が高いです。
お店に置いてある「さっぽろ喫茶店さんぽ」という本を読んだのですが、
リヒト珈琲の襟立氏のインビューが載っていて興味深かった。この本欲しい。

東急ハンズで買い物をして小休止して、狸小路を歩く。
このアーケードの時代に取り残された感じというか昭和の雰囲気に圧倒されるワタシ。

狸小路が終わった所からすぐにあるFAB cafeへ。
本日5軒目です。

お腹がすいたのでサーモンとキノコのクリームソースパスタとコーヒーのセットをオーダー。
ここは昨日行った斎藤珈琲の豆です。
FAB cafeオリジナルのストロングミックスという豆など、いくつかの斎藤珈琲の豆が販売されていました。
で、こちらのお店のコーヒーの味ですが、
スミマセン。コーヒーの飲みすぎで舌がマヒしてしまい、もう味がわかりません。
味がわからないだけでなく、ここでコーヒーを飲んだ瞬間、カラダに対するカフェインの許容量が完全に超えたのがわかり、軽い震えがカラダに走りました。
ホントにやばい。
冷や汗も出てきました。
が、執念でFAB cafeを出た後、同じ建物2階にある古道具屋かつカフェの11月に行く。
が、すでに何かを飲み食いできる状態ではなく、お店の古道具をみるも、カフェインの大量摂取でいかれたワタシは、よくわからない状態。
カラダの状態からここで本日の喫茶店めぐりは終了。
大丸隣の紀伊国屋書店に行き、本をチェックしていても、カラダが軽く震えていて、この女ヤク中だと思われてはかなわんと思い、平静を装い何とかロマンポルノ「色情旅行 香港慕情」のDVDを買って、切り上げました。
その後もしばらくカラダはおかしく、カフェインのとりすぎはいかんなぁと反省した次第です。
『大番頭小番頭』を観る
2007 / 05 / 14 ( Mon )
劇場の田中登特集、鈴木則文特集が終わり、ロマンポルノ再入門、川島雄三特集が始まる短い期間にどうにかこうにか東京を離れている次第のワタクシです。
が、劇場に行かずとも映画は止められません。
チャンネルNECOの「その場所に映画ありて~監督:鈴木英夫の世界2」より、『大番頭小番頭』(1955年)を見ました。
先日の新文芸坐の池部良特集で見逃した作品。
大学を卒業したものの、折からの就職難で就職先が一向に決まらない正一郎は、やむなく老舗の下駄問屋で番頭見習いとして働くことになった。だが彼は芸者にうつつを抜かす若主人やお転婆娘に悩まされるハメに。古風な老舗を舞台に繰り広げられるサラリーマン喜劇。
当時時代遅れのものと思われていた下駄を扱う店に就職した大卒の池部良の両親の家が、かなり進んだ豊かな洋風な生活をしていて、古風な下駄問屋とのコントラストがミソ。
当時の世相を盛り込んだ作品。
サラリーマン喜劇、と言う感じではないと思うんだけど。
札幌のフレンチ・レストラン「かやの茶屋」
2007 / 05 / 14 ( Mon )
札幌の電車通り沿いにあるフレンチのお店「かやの茶屋」に行きました。
おすぎが「旅のココロ~有名人が絶対教えたくない!絶対おいしい店!!」というテレビ番組で絶賛しているのを見て、行ってみたくなったのでした。
北海道の食材をつかった6500円のフルコースのディナーをいただきました。






テレビでも紹介されていたこのお店の名物デザート、クリームブリュレ・オ・カルバドス、美味しかったわん。
札幌の美味しいコーヒー店めぐり その2
2007 / 05 / 14 ( Mon )
本日は、札幌・藻岩山山麓にあるコーヒーの名店に行きました。
まず、ろいず珈琲館・旧小熊邸。
1927年に北海道帝国大学農学部・小熊捍博士邸として建てられた建物を1998年藻岩山山麓に移築し、現在は喫茶店として利用されています。
設計者は田上義也という人で、F.L.ライトの弟子なんだそうです。
この旧小熊邸建物はライトの作風の影響が強かった時代の作品とのこと。

確かに、まるでライトなモチーフが所々に見受けられます。




ワタシは、マイルド・ブレンドとチーズとハムがのったサンドをオーダー。
マイルド・ブレンドは、酸味のない深煎りのコーヒー。
さくらのシフォンも美味しかったもよう。

高台から札幌の街並みが一望できる趣ある洋館の喫茶店。
とてもロマンチック。いい感じです。
そして旧小熊邸すぐ下、宮越屋珈琲の隣に目当ての斎藤珈琲を発見。
鎌倉のカフェ・ディモンシュなどに豆を卸しているお店です。
ここは豆売りのみ。

とりあえずエクストラ・ストロング・ミックスを100g購入。
これまた飲むのが非常に楽しみ。

それにしても札幌という街はなぜにこれ程までにコーヒー屋が多いのでしょうか?
それも自家焙煎のとてもレベルの高い豆を扱う店ばかり。
人口の割合から考えても多すぎ。
しかも美味しいコーヒー屋が多いエリアには、まとまっていくつもの名店が存在します。
札幌の人達はコーヒー(どこも深煎り)をガソリンとして生きているのでしょうか?
札幌の美味しいコーヒー店めぐり その1
2007 / 05 / 13 ( Sun )
今回の札幌滞在における重要任務は美味しいコーヒーを飲み歩くこと。
以下は、その記録第1日目です。
琴似のくすみ書房下のソクラテスのカフェにてスコーンと紅茶をいただいた後(
↓)、
北海道神宮近くの
wake cafeに行きました。
ステキな家具や雑貨など店主に強いこだわりが感じられるカフェ。
石焼ビビンパとコーヒー(イタリアン)をいただきました。
今日のランチです。


wake cafeからほど近いアメディーのチョコレートが楽しめるラプソディーに行ったのですが、営業時間が16時からに変わっていていました。
ガーン。
そして宮の森4条10丁目1-3にある「リヒト珈琲」へ。
伝説の大阪にあった「リヒト」の襟立氏のご子息のお店です。
店内には、カウンターでドリップしているお父様の襟立氏の写真が貼ってあります。
ここは豆売りのみ。店頭にズラリと豆が並んでいます。
豆が入ったガラス瓶には「ミロ」「ケイ」「オペラ」といった豆の名前にそれぞれランボーや茨木のり子などの詩の一節が添えられていて、豆の味の説明は一切書かれていないのが特徴的です。
深煎りが好きである事を伝えたのですが、深煎り・浅煎りと分けて煎っているのではないのだそうです。
案内の紙にも「『苦味・酸味・甘み』、『深いり、浅いり』『軽い味・重い味』など全く考慮せず『美味しさ』だけが出るように焙煎しています」と書いてあります。
薦められたブレンドの「ミロ」とエチオピアの「珈博(こはく)」を100gずつ購入。

次にリヒトから歩いて数分の
CAFE BOHNE カフェ・ボーネに行きました。
東京のカフェ・バッハで修行をされた方のお店です。
入った瞬間、なんてコージーなお店なの!と思いました。
喫茶スペースはカウンターに3席だけ。お店の奥に一面ガラス張りの焙煎室があり、店内は木が基調になっていて北欧っぽくとても清潔です。
メニューにインディアという豆があるのをみて、インドの豆が好きなワタシはまずインディアを注文。
清潔でキュートな白いカップ&ソーサーに入ったコーヒーが出てきました。
確かにインドのお味。野性的で個性的で美味しい。
京都の六曜社より気持ちクセがないかも。
次にエチオピア(深煎り)をオーダー。
まったく雑味、エグ味がなくフレッシュな味。カフェ・バッハと同じく、丹念なハンドピックがされている証と言えましょう。
カフェ・バッハのコーヒーの味にとてもよく似ていて、体に良さそうなコーヒーです。
エチオピアは誰にでも美味しく感じるコーヒーだと思いました。
で、ワタシは個性派のインディアを100g購入。
店内、色々な器具も売っていて、コーノ式も販売されていました。
また行きたいお店です。

そして岩盤浴に行って3時間入浴し、お腹を減らして、
先ほどはまだ閉まっていたラプソディーへ。
アメディのチョコレートをつかった絶品のケーキとジャンドゥーヤのココアを楽しむ。
ケーキ、あまりに濃厚で純粋で美味しすぎ。昇天。
以前は銀座三越などでもアメディのケーキを買う事ができましたが、既にデパートではケーキの販売はしておらず、今食べることができるのは札幌のラプソディーでだけだそうです。
この美味しさ、ここでしか味わえないなんて!

で、リヒトで買った「ミロ」、さっそく淹れてみました。
もう、無茶苦茶美味しい!

今日行ったお店はいずれも札幌の中心部からやや西の狭い地区の中にあるのですが(宮の森を中心としたエリア。ハイソな街)、ちょっと歩いて回っただけでもこれだけ美味しいお店があるわけで、
特にコーヒーに関しては、とんでもなくレベルが高い街です、札幌は。
こんな美味しいお店が点在しているのですから。
まだまだコーヒーの美味しい店めぐり続く予定です。
「なぜだ!?売れない文庫フェア」from札幌・くすみ書房
2007 / 05 / 13 ( Sun )
しばらく仕事が忙しくて、映画も観に行けずブログの更新も怠っておりました。
で、ただ今札幌におります。
今日は、札幌市西区琴似にある「くすみ書房」に行きました。
なぜかというと、こちらの書店で行われている「なぜだ!?売れない文庫フェア」を見てみたかったからです。
次郎物語が本屋にないのはなぜ?
尾崎翠が売れないのはなぜ?
売れてないから本屋で置かない。
本屋にないから目に触れない。
…そして、絶版になり、消えていく。
でも本当に売れないの?確かめてみよう。
という訳で売れていない文庫フェア第1弾!
地味だけと味のある「ちくま文庫」800点
文庫の王様「新潮文庫」の
売れ行き順位1500位から最下位までの
700点で勝負です。 くすみ書房のホームページより
http://www.kusumishobou.jp/売れない新潮文庫として並んでいる本を見ると、かなり意外なラインナップでした。
武田泰淳「ひかりごけ」、武者小路実篤「愛と死」、泉鏡花「婦系図」、織田作之助「夫婦善哉」、有島武郎「或る女」、 室生犀星「杏っ子」というのは成る程売れないのもわかるなという感じですが、林真理子、山田詠美、瀬戸内寂聴といった売れっ子作家の著作や、大ベストセラー作を持つ妹尾河童の「河童が覗いたインド」「河童が覗いたニッポン」などもあり、驚きました。
阿部公房や三島由紀夫の作品が含まれていたのもまた意外。
ワタシが読んだ事、買った事がある本も結構含まれていました。
倉橋由美子「パルタイ」、売れないんですねー。
昔読んで面白いと思ったのですがねー。
島田雅彦や平野啓一郎 「葬送」もありました。
河出文庫のコーナーをみると、澁澤龍彦の本がずらーと並んでいて、
まさかこれが河出の中で売れていない方の本ということはないだろうと思い、お店の方にきくと、河出文庫自体があまり売れていないので、ということでした(悲しい)。
ほか、ちくま文庫全点、岩波文庫ほぼ全点、中公文庫ほぼ全点などのコーナーがありました。
ワタシは中公文庫から金子光晴の「人よ、寛かなれ」「這えば立て」を購入。
この「なぜだ!?売れない文庫フェア」のほかにも、「本屋のオヤジのおせっかい」「大人の絵本フェア」などのコーナーもあり、こういう書店の取り取り組みになんだか胸が熱くなりました。
それから、小樽の映写技師・下田修一さんという方の「レトロな映画館に連れてって」というステキな本を見つけ、即購入。
映画好き、レトロ好きにはたまらない本です。


書店の下は、くずみ書房がやっている「ソクラテスのカフェ」という喫茶店があり、こちらにも行ってみました。
店内には、本棚があり、古本がズラリと並び、古本を読みながらお茶を飲めるし、その本を買うこともできるし、お茶をせずに古本を買うだけでもOKなのです。
金子光晴の箱入りの詩集数点を手に取り、紅茶とスコーンをいただきました。

帰りに「現代詩読本 金子光晴」を購入。
レジ横に地蔵商店のお菓子が販売されておりました。
くすみ書房の店主の方がいらしたので、売れない文庫のラインナップが予想と違ったことをお話したところ、売れている作家の作品でも時期が外れると売れないのだそうです。
大手の書店チェーンの大型店もよいですが、こういうお店、本当に応援したいです。
書店も喫茶店も素晴らしいのコンセプトのお店でした。
『エロ将軍と二十一人の愛妾』
2007 / 05 / 06 ( Sun )
ゴールデン・ウィーク最終日。
ワタシは今日もシネマヴェーラへ参上。
今年の大型連休は鈴木則文で始まり、鈴木則文で終わり、
シネマヴェーラのチラシの口上そのままに、ワタクシ、最終兵器ソクブン攻撃でGWは狂い咲いてしまいました。
本日は監督は中央ブロック、前から5列目右から2番目のお席にお座りになられてました。
劇場に来て、今日は監督どこに座ってるかな?と探す特集も初めて。
『エロ将軍と二十一人の愛妾』。
『徳川セックス禁止令 色情大名』と同じように、とても丁寧で贅沢なつくりに感心いたしました。
本作では、権力批判はよりストレートな表現になっております。
毛澤山語録、ナイスです。
またもや田中小実昌登場。恍惚の人・徳川家治役です。
短い出演シーンだったけど田中小実昌、素晴しい演技でした(『ネオンくらげ』の田中小実昌は凄かったなぁ)。
渡辺やよいの魅力が堪能できる一作。
日本の信和中心こと中野ブロードウェイに移動。
以前中野で習い事をしていた頃は毎週のように通っていたのですが、
ここにくるのは久しぶりです。
今日はレコミンツで『牝猫たちの夜』の新品DVDを購入。
雑誌「シナリオ」6月号に『牝猫たちの夜』が掲載されたので、両方買って合わせて楽しむつもりです。
ほか、『色情旅行 香港慕情』のDVDも買いたかったのですが、これは売ってなかった。
香港でロケした日本映画を見るのが趣味のワタシとしては、このDVDの発売に気付かなかったのは迂闊でした。
ところで2階にある結構繁盛している様子の「A-ライセンス」という喫茶店、ブロードウェイの中でも強烈な昭和のオーラを放っていてかなり気になります。
近々潜入したいと思います。
『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』と『女番長』
2007 / 05 / 05 ( Sat )
シネマヴェーラへの円山町の坂を登るのが身にこたえる今日この頃。
本日もシネマヴェーラの鈴木則文特集へ行きました。
受付に行くと、鈴木監督が今日もいらしていて、ちょうど受付嬢にコンビニで買ったらしきチョコレートを差し入れしているところに遭遇。
監督優しい。
『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』。
女番長シリーズ第1作目。
音楽は天才・鏑木創。ものすごいドスのきいた八田富子の「女番長ブルース」が流れる中スタート。
池玲子も賀川雪絵も顔が真っ黒でびっくり。
スケバン、任侠、カーアクション、バイク、セックス、暴力、歌謡曲、それに由利徹&大原滉といくらなんでも色々なものを詰め込み過ぎなんじゃないの?との印象。
このスケバンのストーリーでいったい天知茂はどこで出てくるんだろうと思って観ていると、
突然『893愚連隊』とほぼ同じ役回りで天知茂登場。
女番長モノに無理矢理『893愚連隊』を引っ付けたという感じ。
デパートの屋上らしき場所で昔の女と小さな女の子(実は天知の子ども)と会うシーンなんて、男の哀愁がただよってイイ感じなのですが、
そこまでテンコ盛りするのかー?と。
途中、ちょっぴりだけ渡瀬恒彦が出てきます。クレジットにも出てないけど
「日活に出ている人に似てるねー」と言われます(渡瀬のデビューは70年)。
劇場の作品解説に書いてある「アテネリンチ」とは何ぞやと気になっていたのですが、「アテネ団」が行う普通の人間がやられたらまず死んでしまうだろう恐ろしい私刑でありました。
この作品で一番盛り上がるのは、バイクの上でのセックスシーン。
ホントにお馬鹿です。
本作の助監督であり脚本も手掛けた皆川隆之の、監督としての1作目作品『狂走セックス族』で、さらにこのバイクでのセックス・シーンが花開きます。
ワタシはこれは皆川隆之の趣味だと勝手に断定しました。
本作でも世相に合わせたシリアスなエピソードが登場します。
鈴木則文のパターンがわかってきました。
『女番長』。
本来は『お祭り野郎 魚河岸の兄弟分』が上映予定でしたが、
プリント状態の関係で『女番長』に急遽変更されたものです。
『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』はかなり泥臭い映画でしたが、
『女番長』はその2年後に撮られており、作風も女優のルックスもかなり洗練された印象。
池玲子も杉本美樹も『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』に比べ格段に垢抜けてイイ女になっていて、驚きました。
一番最初、急勾配の道路を護送車がゆっくり走るショット、カッコいいです(最後もこの道路で終わる)。
当時、池玲子と杉本美樹の芸能事務所の社長だった荒井一郎と3人揃って出演していて、
観ていて去年の「映画秘宝」に載っていたエピソード(京都に撮影に行くため、運転席:荒木一郎、助手席:池玲子、後部座席:杉本美樹というメンバーで車移動した時の車中のお話)を思い出しました。
『仁義なき戦い』みたいに手持ちカメラで繁華街の中を走っているシーンがあったり、
過去のの回想シーンで突然そこだけ鈴木清順みたいになってみたりと、なかなか面白かった。
鈴木則文監督ご自身が前から3列目に鎮座されている中、
ブルーフィルムを撮っている荒木一郎が「映画監督なんてみんなこんなもんなんだよ!」とか言いながら杉本美樹を襲うシーンが出てきて、場内爆笑。
やっぱり映画監督ってのは、そうだったのかー。
伊勢丹に移動し、理由あって服や靴(コール・ハーンの赤い靴♪)や化粧品や食器や食料品を買い回り状態でショッピング。
期間限定で吉祥寺のアテスウェイが伊勢丹で販売しているのをみつけ、
購入。
モンブラン、美味でした。
『多羅尾伴内』 と『ドカベン』
2007 / 05 / 04 ( Fri )
連日の劇場通いの疲労で、朝起きると心臓が痛い。
ジャック・ドゥミ特集に通った時以来、また痛み出した・・・。
苦痛に耐えながらシネマヴェーラの鈴木則文特集へ向かう。
『多羅尾伴内』。
とにかくテンポが遅い。
冒頭、小林旭の少し調子がはずれた歌謡曲が流れる中、新宿、渋谷、銀座と街の夜景が映り、これはいけるかなと思ったとたん大幅スピードダウン。
最初の方、池部良が小林旭の事務所で仕事の依頼をしているところで、あまりにダラダラしたやりとりをしているので、自分の体調が悪いこともあって苦痛のあまり叫びだしそうになりました。
多羅尾というキャラクターの話し方や動作のせいもあるのですが、
編集も冗長ではないかと。
もしかすると普通なのかもしれないけれども、スピード感が素晴しい鈴木則文作品を連続で観てきた中で、この失速した映像を観るのは辛い。
話も暗くて救いがない。
最初から最後まで場内ほとんど笑いが起こらない。
話にアイヌが出てくる映画を観たのは2回目。
(その前はもちろん成瀬巳喜男の『コタンの口笛』)
そうそう、途中非常に残酷なシーンが出てきます。
ま、まさか。そういうの映しちゃうの?あーあ、やっちゃった。という感じ。
『ドカベン』。
芸術的な出来の劇画の実写化作品。
岩鬼役の高品正弘のソックリ加減は奇跡的。もうそのままです。
山田太郎役の橋本三智弘、演技が下手なのですがこれが逆に山田太郎の朴訥としたキャラにぴったり。
驚いたのが、永島敏行。本作がデビュー作らしいのですが、セリフ棒読み。
昨日のトークショーにも参加していたサチ子役の渡辺麻由美がかわいい。
トークショーで青山真治監督が観て泣いたと言っていたシーン、
山田太郎とサチ子が土管のある空き地から家に帰る前に岩鬼が山田家にたどりつくよう二人の足の下を走るところを、しかと確認。
水島新司はどんな風に出演するのかと楽しみにみていたら、新しい野球部の監督役として相当長い時間出ていて、吹き替えなしで千本ノックをバンバン器用にやっていて、酔っ払ってグデングデンになっている風体もとても様になっていて、芸達者ぶりにびっくり。
『ドカベン』は野球の映画だと思っていたら、この作品は野球を始める前のおはなしなのでした。
『民族の祭典』に並ぶかどうかはさておき、笑いとスピード感、それに人情味あふれる楽しい作品で、『多羅尾伴内』で死にかけたワタシはすっかり元気になりました。
またまた鈴木則文監督来場。『トラック野郎 度胸一番星』 『聖獣学園』
2007 / 05 / 03 ( Thu )
本日のシネマヴェーラでの鈴木則文監督特集は、トークショーがある日。
これは大変な混雑になると警戒してかなり早めに劇場に行くも、すでに長い行列ができていて、14:30の回が始まる前には、会場はものすごい混雑状態に。
『トラック野郎 度胸一番星』。
脚本は野上龍雄(『女の小箱」より夫が見た』大好き)と澤井信一郎。
素晴しい躍動感をもつ作品。
菅原文太と千葉真一が取っ組み合いをするシーンのダイナミックさにただただ感心。
河出書房の「サド侯爵夫人」が映しだされて場内爆笑。
この作品にも反体制批判的なものが色濃くでておりました。これが鈴木則文の作風なのだなと。
『聖獣学園』(ニュー・プリント)。
キャストにまず「新人・多岐川裕美」と出る。
そう、これがデビュー作。
(元キティ・フィルムの宣伝部長がデビュー前の多岐川裕美について書かいたページあり
→)
山内えみこ、渡辺やよいとお気に入りの女優の名前が出てきて喜ぶワタシ。
冒頭の新宿などの街で撮ったシーンにまず唸る。
うーん、これはいい。
最初から最後まで、丁寧なつくりに感心しっぱなし。
意外にも修道院についてちゃんと取材をして脚本を書いたなという印象。
イエス・キリストを「イエズス様」と呼ぶところとかね。
もちろん、こんな恐ろしいストーリーの映画を撮れた当時の寛大さに驚きと感心を感じずにはいられません。
そして何より、多岐川裕美の魅力につきます。
裸体を茨で縛られるリンチを受ける多岐川裕美の、その目に愁いと憎しみをたたえた美しさといったら。
パーフェクトです。
これまで観た鈴木監督のどの作品にも言えることですが、遠景のショットが素晴しい。
カメラがひいた状態で、空が高く目の前に湖があってその向こうに藪をバックにしたシスター二人のやりとりが見える。
その美しさに、凄いとまた唸るワタシ。
こういう一瞬の素晴しいショットを観るだけでも、作品を観に来る価値があると言ってもいいぐらい。
前回のトークショーで監督は、くだらない内容に映画をつくっていてもつい真面目ところが出てきてしまうという趣旨の話をされていましたが、この作品でも最後の方でそんな感じになってました。
そして鈴木則文監督、中原昌也氏、青山真治監督のトークショー。
あまりの観客の多さ。立ち見客もすでにいっぱいいっぱいで、多くのお客さんがトークショーの間、中に入れない状態だったようです。

『聖獣学園』は、劇画が原作で、スケバンものを撮ったから次はシスターものだと監督が考えたのだとか。
渡辺やよいの例の刑罰シーンについて、中原・青山両氏から凄いショットと音楽だとのコメント。
観客席にいた『トラック野郎 度胸一番星』の脚本を手掛けた澤井信一郎監督(当時、助監督)も壇上に登場。

さらに、『ドカベン』でサチ子役を演じた(当時7歳)渡辺麻由美さんも壇上に登場。

鈴木則文監督について、渡辺さんは優しかったコメント。
優しい顔して「電話ボックスの上にのぼって」などと言うのだ、と。
澤井信一郎監督も鈴木監督は俳優・スタッフに優しく、寛大でスタッフにまかせる人だと。
『トラック野郎』だと22日で撮りきらないといけないので、カーチェイスのシーンなどは監督が撮影する時間がなく、助監督が撮っていたのだそう。
『トラック野郎 度胸一番星』で最初に幽霊が出てくる意味についてきかれると、監督は「なんでだろうねー。その辺はそのうち解明されると思います」と答えるいい加減さ。いいですねー。
すると澤井監督がこれこれこういう意味で、とマトモな説明をしてくれるのでした。
笑ってしまったのは、青山真治に対し鈴木監督が「青山君は風刺でいった方がいいよ」とのアドバイス。場内爆笑。
多岐川裕美と池玲子は鈴木監督がスカウトした女優であることに話が及び、
青山真治 「ナンパみたいにスカウトしたんですか?」
鈴木監督 「そうねー。」
青山真治 「池玲子、ものすごい運動神経なんですが、その辺はわかったんですか?」
鈴木監督 「いや、わからなかったねー。彼女は酒とタバコをガバガバやっていただけだったからねー。本当はうんと若かったんだけど、18歳ということにして出演したんだよね。(アイドル映画を撮った)澤井監督と違って夜の街からスカウトしてきたんだよ。」
こんな感じ。ふふ。
鈴木監督は新人を起用するのが好き、とおっしゃってた。
普通の人がある日突然スターとして輝くのを見るのが好き、「純子」と呼んでいたのが、「藤さん」と呼ばなきゃいけなくなるのが、ボクは好きなんだよ、と(ここで場内爆笑)。
中原昌也が『聖獣学園』の山内えみ子が途中いなくなってしまって残念だったと言うと、鈴木監督が話が広がりすぎてしまったので、まとめるためにああしたのだと。
どうも自分は話を色々盛り込み過ぎてしまうとおっしゃっていた。
『華麗なる追跡』の志穂美悦子のスタント無しのロープウェイのアクションが凄いという話になると、
「いやー、死んでしまっても何とか映画が完成するように、あの場面は最後に撮ったんだよね。」
あははは。参りました。
『華麗なる追跡』については、眠たかった鈴木監督の代わりに澤井監督(当時・助監督)が行った編集が素晴しかったと褒めておりました。
青山真治が『ドカベン』の泣けたというシーンの話をしたとき、
鈴木監督が当時まだ残っていた撮影所システムの力とエネルギーを惜しむ話をされていたのが印象的でした。
本の中でも『ドカベン』を褒めていた中原昌也、今日も『民族の祭典』に並ぶスポーツ映画の傑作だ、と言っておりました。
話は幻の『トラック野郎』の11作目のことに及び、突然製作中止になったことについて。
澤井監督によると諸々の会社の事情があったと。
幻の11作目の脚本について、記憶喪失と『恐怖の報酬』が盛り込まれた内容であったと。
と突然、鈴木監督が思いついたように記憶喪失は映画の永遠のテーマだねぇと、それをネタに何か思いついた模様。
澤井監督の説明によるとマドンナが記憶喪失で、菅原文太と結ばれそうになるも、最後記憶が戻り元の恋人のもとにいってしまい結局文太は失恋するという内容だったそう。
この時、一列目の客席から脚本の詳細について口出ししてくる人がいて、なんだなんだと思ってみていたら、
何とそれはその幻の11作目を共同執筆していた荒井晴彦氏でした。
そして荒井晴彦氏も壇上へ。

(左から中原昌也氏、澤井信一郎監督、渡辺麻由美氏、鈴木則文監督、荒井晴彦氏、青山真治監督)
シナリオ・ハンティングのための長崎旅行に、「荒井君はこなくていいよ」といって連れて行かずその浮いたお金で豪華な思いをした、とかそんな話をしていました。
荒井晴彦氏が『トラック野郎』の脚本を手掛けていたなんて全く知らなかったです。
そして、鈴木監督、観客に「『ドカベン』観てくださいー!」と言って今日も何度も手を振りトークショー終了。
おおよそこんな内容(かなり抜粋)。
荒井晴彦さんに挨拶して帰ろうと思ったのですが(以前ブログにも書きましたが、かつてオールナイトで酒席を共にしたことがあるので)、
劇場のあまりの混雑ぶりにそれどころではなく、
本当にシネマヴェーラがはじまって以来の、とんでもない混雑ぶりで、そのまま劇場を出ました。
中に入れないほどの観客の数に、「自分は娯楽映画の監督だから、お客さんが入ってもらわないと」と何度も言われてた鈴木監督、感無量だっただろうなー。
今回の特集でワタシは、エロ・笑い・アクションといった内容の娯楽作が極めて緻密に真面目に撮られているのを観て感嘆し、また監督の「観客を楽しませてなんぼ」の徹底した精神をその人となりからも十二分に感じることができ、幸せな映画体験をしたなと(まだ特集は続きますが)。
自分の作品は後世に残らなくいい、映画とは夜空の打ち上げ花火のようなものだ、という監督の言葉に乾杯。
『祭りの準備』
2007 / 05 / 01 ( Tue )
就業後、フィルムセンターで黒木和雄の『祭りの準備』を鑑賞。
中島丈博版『アマルコルド』というか『田園に死す』というか。
息子は、母親と故郷を棄てる物語で映画を一本つくれるということ。
十一房珈琲店で、タンザニアのフレンチローストを飲んで帰宅。