Art de Vivre アール・ド・ヴィーヴル

好きな人=成瀬巳喜男・石井輝男・若尾文子・荒木一郎・有元葉子。   好きな事=映画鑑賞・お料理・パンづくり。


※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
連日の劇場通いの疲労で、朝起きると心臓が痛い。
ジャック・ドゥミ特集に通った時以来、また痛み出した・・・。
苦痛に耐えながらシネマヴェーラの鈴木則文特集へ向かう。

『多羅尾伴内』。
とにかくテンポが遅い。
冒頭、小林旭の少し調子がはずれた歌謡曲が流れる中、新宿、渋谷、銀座と街の夜景が映り、これはいけるかなと思ったとたん大幅スピードダウン。
最初の方、池部良が小林旭の事務所で仕事の依頼をしているところで、あまりにダラダラしたやりとりをしているので、自分の体調が悪いこともあって苦痛のあまり叫びだしそうになりました。
多羅尾というキャラクターの話し方や動作のせいもあるのですが、
編集も冗長ではないかと。
もしかすると普通なのかもしれないけれども、スピード感が素晴しい鈴木則文作品を連続で観てきた中で、この失速した映像を観るのは辛い。
話も暗くて救いがない。
最初から最後まで場内ほとんど笑いが起こらない。
話にアイヌが出てくる映画を観たのは2回目。
(その前はもちろん成瀬巳喜男の『コタンの口笛』)
そうそう、途中非常に残酷なシーンが出てきます。
ま、まさか。そういうの映しちゃうの?あーあ、やっちゃった。という感じ。

『ドカベン』。
芸術的な出来の劇画の実写化作品。
岩鬼役の高品正弘のソックリ加減は奇跡的。もうそのままです。
山田太郎役の橋本三智弘、演技が下手なのですがこれが逆に山田太郎の朴訥としたキャラにぴったり。
驚いたのが、永島敏行。本作がデビュー作らしいのですが、セリフ棒読み。
昨日のトークショーにも参加していたサチ子役の渡辺麻由美がかわいい。
トークショーで青山真治監督が観て泣いたと言っていたシーン、
山田太郎とサチ子が土管のある空き地から家に帰る前に岩鬼が山田家にたどりつくよう二人の足の下を走るところを、しかと確認。
水島新司はどんな風に出演するのかと楽しみにみていたら、新しい野球部の監督役として相当長い時間出ていて、吹き替えなしで千本ノックをバンバン器用にやっていて、酔っ払ってグデングデンになっている風体もとても様になっていて、芸達者ぶりにびっくり。
『ドカベン』は野球の映画だと思っていたら、この作品は野球を始める前のおはなしなのでした。
『民族の祭典』に並ぶかどうかはさておき、笑いとスピード感、それに人情味あふれる楽しい作品で、『多羅尾伴内』で死にかけたワタシはすっかり元気になりました。

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画