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『宇宙からのメッセージ』『異常性愛記録 ハレンチ』

本日もシネマヴェーラへ。

もともと上映予定だった『徳川一族の崩壊』がフィルム状態の関係で『宇宙からのメッセージ』に差し替えになったということで、まず1本目深作欣二監督の『宇宙からのメッセージ』。
タイトル・ロール終了後の最初の2分にして、この映画をあと100分ほども観続けなければいけないことに絶望感を感じました。
途中何度も苦痛で叫び出しそうになりながらも、何とか逃げることなく最後まで観ることができました。偉いぞ、ワタシ。
『宇宙からのメッセージ』、それは拷問でした。
音楽が、ドビュッシーやストラヴィンスキーなどクラシックの名曲からのパクリのつぎはぎだったことが気にかかりました。

番組変更のため次の『異常性愛記録 ハレンチ』まで45分も休憩時間があって、ロビーに行ったらKさんがいらっしゃったので、ベンチに座りおしゃべり。思わず『宇宙からのメッセージ』への怒りをKさんにぶちまけてしまいました。

そして2本目、石井輝男監督『異常性愛記録 ハレンチ』。
これは昨年新宿テアトルでニュープリントが上映された時に観て若杉英二の狂気の熱演に度肝を抜かれたのですが、今日は2回目なのでさすがに落ち着いて鑑賞。
吉田輝雄&橘ますみが朝焼けのなか道路でラブシーン演じるところの美しさとか、橘ますみのファッションとか堪能しつつ観ました。
かなり寝不足な状態で観たので、途中のピカチュウ攻撃でカラダに異変が起きるかと不安だったのですが無事でした。
カルーセル麻紀が出演しているらしいので、目をこらして探したのですが、結局探せませんでした。カルーセル、何処にいた?
若杉英二にかけた電話の受話器から聞こえる無感情な「ハイ、ハイ」、今回も大笑いです。
この作品、耽美的というかムーディーなシーン(および音楽)と、若杉英二が出てくる変態シーンの対比がよいのだと思います。

映画が終わり、オジイサンなどピカチュウ攻撃で倒れた観客はいるかなと期待して客席を見回したのですが、シネマヴェーラに『ハレンチ』を観に来るオジイサン達は見かけはヨタっていても元気なようで、皆無事でした。
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傑作『二匹の牝犬』とアホクサ 『俺の血は他人の血』

本日、シネマヴェーラの11時の回から『二匹の牝犬』と『俺の血は他人の血』を鑑賞。

まず『二匹の牝犬』(1964年、東映、渡辺祐介監督)。
大傑作!必見です。
小川真由美演じる千葉の漁村出身のトルコ嬢はカラダをはって貯めた金を株に投資。200万円貯めたらキッパリ足を洗ってまともな商売をして、大卒ホワイトカラーの証券会社の営業担当・杉浦直樹を結婚するという夢を持っていて、その夢の実現ももう目前。ところが千葉から腹違いの妹・緑魔子が彼女の部屋の転がり込んできてから、彼女の人生の歯車が大きく狂い始める・・・というお話。
映画は、売春防止法施行の日の赤線地帯から始まります。溝口健二の『赤線地帯』は完全にセットでの撮影でしたが、この作品はロケのようです。ここでのショットがまた冴えていて感心していると、遊郭「夢の里」(『赤線地帯』の店の名前も「夢の里」だった!)の中で沢村貞子と(彼女もまた『赤線地帯』で「夢の里」のおかみさんだった)、身体を売る前に法律が施行されまだ田舎娘のままの小川真由美のやりとりになり、カメラは小川真由美のお尻を強調して撮ります。
次に東京証券取引所の光景に移ります。
ワタシ、ここまででこの作品は傑作に違いないと確信いたしました。
最初から最後まで的確なショットとカット割の連続に観ていて快感を覚えました。
この作品のカットつなぎが絶妙にブラックユーモアが効いていて、例えば、杉浦直樹が小川真由美に「あなたの職業は何なんですか?」と尋ねると(小川真由美はトルコ嬢であることを秘密にしている)次に彼女がトルコで働いているシーンにつながるとか、小川真由美とトルコ嬢達が「男は女の尻を追いかけるのよ」「いやぁねぇ、女の尻を追いかけるなんて」とか話していると、次に結婚相手であるはずの杉浦直樹が妹の緑魔子とセックスしているシーンに変わるとか、ホント意地悪で打てば響く感じ。
この作品、杉村春子以外の文学座の俳優達が総出演していて、トルコ風呂の主人が北村和夫だったり(これはやっぱり殿山泰司か進藤英太郎の役でしょう)、トルコの客として加藤武が出ていたりいたします(加藤武が出たとき場内に笑い)。
先日のトークショーで、文学座の財政建て直しのために俳優達が出稼ぎで出演していたと説明がありました。その文学座の俳優達を始めとして俳優が皆オーバー・アクトで、特に沢村貞子(元遊郭の女将さん、今は売春のあっせんをしている悪徳ババア役)のオーバー・アクトぶりにたまげました。
こういう俳優達のオーバー・アクトのぶつかり合いはともすれば観ていてゲンナリするのですが、この作品はそのギリギリの一線を踏みとどまっていて、かつ話自体が相当劇的でオーバーなものなだけに、楽しく観られるのです。
後半、裏切られていく小川真由美なんて演技、照明ともにまるでホラー映画ですよ。
緑魔子は本作がデビュー作ですが、物凄い貫禄。小川真由美とがっぷり四つです。劇場の作品解説に書いてある杉浦直樹をめぐってのキャット・ファイトはスロー・モーションで美しい仕上がりでした。
(ワタクシ、先日『実録不良少女 姦』の壮絶キャット・ファイトを観たばかりなので、ちょっとやそっとのキャット・ファイトでは興奮いたしません。)
緑魔子が杉浦直樹に飽き足らず、同じ団地に住む若い男性を誘惑するのですが、これが若き岸田森。豪華ですなー。
映画は最後トルコのシーンで、カメラが引くとネオンが映り、吉原、浅草のネオン街の遠景で終わります。ここも見事でした。
この作品、俳優達の熱演、怪演のぶつかり合いも魅力ですし、計算しつくされた隙のないカメラとカット割りも見事ですが、何といっても脚本が素晴しい。
トルコ嬢達の生き生きとした(というか生々しい)やりとりの素晴しさったら。
それから小川真由美や緑魔子や沢村貞子も熱演もいいのですが、個人的な趣味として究極のダメ男を演じた杉浦直樹がツボだったこともあげておきます。このダメダメっぷりったら強烈です。若い頃の杉浦直樹は見逃せないなーと再認識いたしました。
あと沢村貞子が、新札のことをシネマスコープという言うセリフがあって、こういう言い方は面白いなと思いました。

次に『俺の血は他人の血』。
これは74年の松竹映画。
アホクサ、です。酷い作品でした。
役者にあんなに台詞で説明させちゃイカンでしょう。
ダラダラしてるし。
ヒロインは先日観た『ウルフガイ 燃えろ狼男』に続き奈美悦子です。
この映画での奈美悦子、雛形あきこ似の美人です。かわいかったんですねー。
火野正平のデビュー作なんだそうですが(しかも主演)、フランキー堺が火野正平のことを「君は母性本能をくすぐるところがある」と言うセリフに笑っちゃいました。
やっぱり、そうでしたか。火野正平。
後の女性関係での大活躍ぶりが既にデビュー作で予言されておりました。

皆さん、『二匹の牝犬』を観にシネマヴェーラに行って下さいね。

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『高校生番長 ズベ公正統派』

映画ファン仲間と集団でラピュタのレイトで『高校生番長 ズベ公正統派』を鑑賞。
70年の大映作品。
あまりのつまらなさ、ヒドさに我慢ならなくなりつつも(テンポ感なし。いい加減な脚本。ユーモア滑りまくり。ただし真面目にやっているところが逆に笑いを誘ってはいた)、何とかいい所を探そうと頑張って観ていたら、
「ボクは君を強姦する!!」と叫びながら女子高生・松坂慶子をレイプするシーンがあり、これには大受け。
正々堂々と宣言しながらレイプするというのは、なかなかステキでした。
作品としては相当出来が悪く、「ズベ公特集」なのに、不良もズベ公も出てこず、三流の『おれは男だ!』という感じ。
(ただし『おれは男だ!』は71年から放映開始で、映画の方が先)

その後の大映の末路が見える寒い映画ではありましたが、その寒さが観客の笑いを誘っていたことは事実でした。

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渡辺やよいさん&神波史男さんと『ウルフガイ狼男』を観てから食事会をしようツアー

東映原理主義者Hさんからのお誘いで、「渡辺やよいさん&神波史男さんと『ウルフガイ狼男』を観てから食事会をしようツアー」に参加させていただきました。

まずシネマヴェーラにて『ウルフガイ 燃えろ狼男』を鑑賞(同時上映の井上梅次&京マチ子番『黒蜥蜴』はラピュタで以前観たので割愛)。
『ウルフガイ』、これワタシの好みドンピシャです。ワタシ的には大傑作。
まず音楽がいい。ニューロック風というか、ジェフ・ベック「ブロウ・バイ・ブロウ」風というか、とにかくカッコイイのです。奈美悦子演じる歌手のの歌もすごい(歌は吹き替えか?)
作品冒頭、新宿の街を白いスーツを着た安岡力也が狂ったように突進してくるところ、カメラはブレブレ、最初からただならぬ感じ。
そして、スクリーンに映し出されるショットひとつひとつがまったく隙がなくて、どのショットも画面構成が凝りに凝っていて素晴しかった。
美術も原色を多用していて直線的で非常にスタイリッシュ。カッコいいー!
ワイルドな千葉真一、ステーキを食べる時、皿から野菜を乱暴に落として肉だけ食べるとか、狼なのになぜか100円玉を武器に戦うとか、絶体絶命のピンチになると必ず美女が突然現れて千葉ちゃんを救いエッチまでしてくれるとか、ああ面白い。
千葉ちゃんを襲う刺客が、千葉ちゃんに隙をつくるためハツカネズミを放ち、最強の男(というか狼である)千葉ちゃん、まんまとその手にはまりハツカネズミに気をとられ、首にロープをかけられるというのにも爆笑。
渡辺やよいさんが千葉ちゃんを癒すところとか(やよいさんのカラダ、何ともお美しい)、JCIAこと内閣情報調査室(だっけ?)の描写とか突っ込みどころ満載ではあるけれども、ワタシは何よりもこの作品のカメラの凝り具合に魅了されました。
奈美悦子と千葉ちゃんが寝室で会話する場面で画面半分に近くにいる千葉ちゃんの顔のアップ、残り半分は奥にいる奈美さんが映っていて両方にピントが合っているところと、故郷の山の場面で右端に村民に死体の指部分が近くの距離で映り、奥に千葉ちゃん達が映っていて、やはり両方にピントがちゃんと合っているところが、極端に遠近感が強調したショットでとても不思議でした。

『ウルフガイ 燃えろ狼男』相当気に入りました。映画終った時思わず拍手するところでした。

劇場から出るときエレベーターで渡辺やよいさんと一緒になったのですが、やよいさん、劇場でご自身の映画をご覧になられたのは初めてとおっしゃってました。驚き!

食事会で渡辺やよいさんと神波史男さんにお話を伺えて、感激いたしました。
神波さんによると『ウルフガイ 燃えろ狼男』、神波さんの脚本では「かまいたち」にやられたと書いていて虎というのは神波さんの本にはなかったそう。
あと、ハツカネズミの部分も神波さんの脚本にはなかったとのことです。
それから渡辺やよいさんによると、後半の村の娘を演じたときの髪はカツラだったそうです。

今回の食事会の出席者の方々とお話して皆さんの映画狂ぶりに恐怖を覚えました。
みんな獣です。
出席者の方の中に、私の映画人生の中で最も重要な2003年12月6日、自由が丘武蔵野館での石井輝男オールナイト上映のトークショーの聞き手をされたSさんがいらっしゃっていて、ワタクシ感動してしまいました。その時のトークショーの内容があまりに素晴しかったものですから)

素晴しい会に参加させていただき至福のひとときを過ごしました。

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シネマヴェーラで死にかけた。『親不孝通り』『震える舌』『処女監禁』

今日は3本鑑賞。

まずラピュタのモーニングで増村保造の1958年の作品『親不孝通り』。
これは初見です。
原作は浩の父親の川口松太郎。
白状しますが、川口浩について大根だの、声が悪いだの言っているのですが、実は結構好きです。
この作品でも川口浩、すかした演技なのですが、学ラン着ているので合格です。
川口浩は姉を棄てた船越英二への復讐のため、船越英二の妹の野添ひとみを誘惑するのですが、山小屋へ旅行に行き二人が車から降りて視線を交わすところから、すすきの中に入っていく場面までとても美しかった。
就職試験会場やナイトクラブで、スピーディーな小気味良い台詞回しで観客を魅せるところが何度かあって(内容はどれも社会への不満)、こういう演出はいかにも増村という感じです。
ラストへの持っていき方はちょっとどうなの?というところもあるのですが、増村特有の意思の強い、個に重きを置く女性像を野添ひとみが演じていて観ていて爽快でした。

夜、シネマヴェーラに行き、。『震える舌』『処女監禁』というトンドモナイ2本立てを観ました。

まず野村芳太郎監督の『震える舌』。
ギャアアアアア!ヒー!(ワタシが恐怖に身もだえする音)
チラシに書いていること以上の知識を持たずに観たのですが、あまりの恐怖にワタシが死ぬかと思いました。
大袈裟ではありません。
葛西にある団地に住む一家の女の子が泥遊びで破傷風にかかり、地獄絵図としか言いようのない恐ろしい症状になり、その凄まじさに両親も狂乱する過程を描いた作品。
最初に聖路加国際病院が協力と出てきて、撮影も昔の聖路加病院で行われていて、ただのオカルト作品ではなく一応シリアスな闘病物としてつくった体裁なだけに尚更恐ろしい。
子役の(見た感じ4才ぐらい)若命真裕子の熱演が凄すぎる・・・。
「この子の歯、乳歯?」。ああもうダメ。
100円のジュースを買うシーンがこれ程感動的に描かれた映画はありませんね。
音楽は藤原真理さんによるバッハの無伴奏チェロ組曲でした(あと、恐怖シーンはシンセサイザー)。

次に『処女監禁』。
・・・・・・・・・・・・・・・・。(ワタシが呆気にとられている様子)
こういう映画の企画が通るというのは、どういうことなんでしょう?
脚本は掛札昌裕・・・。
処女じゃないじゃん、とか女性の一人暮らしでカーテン閉めずに電気付けて裸になったり体毛処理するはずないじゃん、といった疑問はこの際不問に付す。
ストーキングのシーンにほのぼのとした音楽流したり、歌謡曲映画といってもいいぐらいオモロイ歌が物語りを代弁するように流れるのはいいのですが、主人公の変態が避妊具で自慰行為するシーンと女の子を拉致監禁してから避妊具を風船のようにいっぱい膨らませるシーンに、ワタシが特別な思い入れを持っているショパンのピアノ協奏曲第2番を流すのは止めてください。曲が汚れます。
作品を観る前、ダサい男が女の子を拉致監禁→最初怖がられ嫌われる→段々女の子に愛情が芽生えてくる、といった『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』と同じパターンのストーリーかと予想してました。
『処女監禁』監禁され陵辱されているうちに女の子が快感を感じ始めるシーンを観て、『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』では感じなかった不快感と吐き気を感じたのですが、それは『処女監禁』の男があまりにド変態でキモ過ぎるからでしょう。
荒木一郎のモグラには母性本能をくすぐるところがあって、映画もラブストーリーとして完結しているけど、『処女監禁』の変態とセックスして女の子が快感を感じるわけないだろと思いつつ観ていたら、案の定、愛情は芽生えずに監禁ストーリーは終焉を迎えるのでした。
室内でのハイキングごっこ(主人公の変態男の妄想では新婚旅行)を演劇映画のように見せられたのにも想定外でまいった。
監禁して強姦してるのに結局最後は自慰するところとか変態男をあそこまでリアリルにしっかり描くのって…。
大泉学園って恐ろしい街だったんですね。

しかしまぁ、シネマヴェーラよ、こんなにヘビーな作品2本をいっしょに上映するとは、客を殺す気ですか?
今日ワタシは死ぬかと思いました。というより、半分死にました。
少しは加減して下さい。長生きしたいのでお願いします。

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『スパルタの海』『『花嫁吸血魔』+トークショー

狂乱のカナザワ映画祭の後、しばらく燃え尽き症候群でしたが、活動開始です。
シネマヴェーラの「妄執、異形の人々Ⅱ」へ。正直なところ、今日の2本は別に興味ないのですが、トークショー目当てに行きました。

まず『スパルタの海』。
あの戸塚ヨットスクールを、スクールを評価する立場から描いた作品。映画は既に2名死亡者が出ていた時点で製作されたそうです。
どんなキワモノかと思いきや、意外とまともでしっかりとつくられた映画で、よく出来た大映ドラマじゃないかと思って見終ったらエンドロールに天尾完次の名前ででてきて、大映ドラマではなく天尾完次プロデューサーの作品だったのかと驚いちゃった(チラシちゃんと書いてあるのですが)。
伊東四朗は全然ヨットマンに見えません。
ウルフと呼ばれる家庭内暴力の少年の更生を軸に映画が進むのですが、登場人物が出てくる度に『仁義なき戦い』みたいに名前、肩書き、学歴、年齢のテロップが出てくるのがおかしくて、家庭内暴力児の親の肩書きは「弁護士 中央大学法学部卒」てな感じで大抵高学歴。実際に東大法学部を出ている平田昭彦に「大手電気メーカー勤務 東大法学部卒」というテロップ出たときは笑っちゃいました。
戸塚ヨットスクールのコーチ達も「名大 機械化卒」とか「京大 工学部卒」「筑波大 教育学部中退」とか高学歴揃い。で、スクールに入校してくる生徒達には「家庭内暴力 16才」とかいう肩書きのテロップ。妙です。
全体的には真面目な作品でありましたが、突っ込みどころも散見。
①生徒が突然死し、マスコミからの攻撃が激化して嫌がらせにまいった戸塚校長の妻が夫に「こんな仕事やめて」と言ったところ、夫・戸塚校長は「私も止めようと思ってるんだ」と返答。すると妻が止めろと言った舌の根も乾かぬうちに「あなたからヨットをとったら何が残るの?!スクールを続けて!」と説得する理解不能な破綻したやりとりが繰広げるのには失笑。
②心臓発作を起こしたウルフ少年を病院に担ぎ込むため、スクールの車を大急ぎで走らせていると、高速道路の料金所前が渋滞していて大ピンチ。そこで戸塚校長は「突破しろ!」と指示。同乗しているスクールのコーチ、フタッフ達も何の疑問も持たず、車は閉鎖中のゲートを突破。映画自体も突破は当然だ、というスタンス。
③素晴しい戸塚ヨットスクールの教育により、すっかり更正して模範少年になったウルフに平田昭彦・小山明子が演じる両親(小山明子には「聖心女子大学卒」のテロップ)が面会にきて豪華な夕食をともにする。東大法学部卒の平田昭彦が未成年であるウルフ少年に当然のようにビールをすすめる。
④で、その夕食でウルフ少年に出されたステーキの皿に少年が大嫌いなニンジンがのっているを見て、小山明子、顔面蒼白。少年は以前、ニンジンをめぐって壮絶な暴力を家族にふるったことがあったのだ。で、ここの演出の大袈裟加減がトンデモ状態。
などなど。映画の上映後、シネマヴェーラ名義の但し書きがスクリーンに映し出されました。劇中、スクールにやってきて数日で突然死した少年について、裁判の判決と映画の内容が異なる点についての断り書きでした。(ちなみに劇中、この少年の両親には九州大学卒のテロップ)

次に1960年の新東宝作品『花嫁吸血魔』。
大蔵貢の怒りを買ったとはいえ、美人女優の池内淳子にここまでさせるのか、という作品。昔のお話かと思ったら、現代(といっても60年)の物語でした。

そしてお待ちかね、真魚八重子氏、モルモット吉田氏、磯田勉氏、木全公彦氏によるトークショー。場内満員。
真魚八重子×モルモット吉田×磯田勉×木全公彦

トークショーの中で話された役立つ(?)情報を書くと、
○「スパルタの海」は「戸塚ヨットスクールを支援する会」が東宝東和から著作権を取得。ちなみに「戸塚ヨットスクールを支援する会」は石原慎太郎が会長である(と言ったところで場内爆笑)。
○通販している「スパルタの海」DVDのジャケットに、ドキュメンタリー映画と書いてある。
○西河克巳監督はご子息が引きこもりで、その後交通事故で亡くなっていた。監督はご子息のことが心残りで、『スパルタの海』の企画がきた際、何年かかってもいいから撮りたいという撮影した。が、公開直前に事件が起こり、陽の目をみることはなくなってしまった。
○『二匹の牝犬』に文芸座の俳優が多数出演しているが、この映画の前年、文芸座は団員の大量退団があり借金が膨れ上がったため、団員達は出稼ぎしなければいけなくなり出演した。
○(この特集には直接関係ない話だけど)溝口健二の『雪夫人絵図』に混浴シーンがあったのだが映倫にカットされてしまった。が、成瀬巳喜男の『浮雲』の混浴シーンは芸術性が高いということでカットされずに済んだ。成瀬が溝口に勝った瞬間である。

トークショーが終わりロビーに出ると、今日も東映原理主義者Hさんに遭遇。Hさんとは付き合い始めたカップル並みの頻度で会っております(付き合ってないですけど)。
帰りのエレベーターの中で、女性の方に「リネンさんですよね」と声を掛けられ超ビックリ。ブログでお付き合いさせれ頂いているNさんでした。
トークショーの時、夢中になって写真を撮っていたので私だとわかったそうです。その手掛かりだけで確信され声を掛けたなんてNさん、凄いです。

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「カナザワ映画祭2007青いオトコまつり③ 9/16(日)篇 

カナザワ映画祭3日目、9月16日は内田裕也出演作の連続上映、そして内田裕也ご本人が来場してトークショーが開催されました。

2本目の『エロチックな関係』から鑑賞。
ビートたけし、宮沢りえが出演した1992年の『エロティックな関係』ではなく、78年の長谷部安春監督のロマンポルノ作品の方です(92年のはロマンポルノのリメイク版)。
フィルム状態かなり良好。
内田裕也演じる売れない探偵が、浮気調査をしているうちに美人とイイコトしちゃったりして、気付いたら連続殺人事件に巻き込まれるというオハナシ。レイモン・マルロー原作の『春の自殺者』の映画化なんだそう。
とてもほのぼのとした作品。もう、思春期の男の子の妄想をそのまま具現化した作品で気が抜けたサイダーみたいなのですが、幸福感があって悪くないです。
ハードな長谷部安春作品のファンにとっては不満かもしれませんが、劇場のプログラムの2本立て上映のうちの1本にしたらとても楽しく観られるのではないでしょうか。
内田裕也、比較的ちゃんと演技しているのですが、モノローグの部分は棒読み。
『探偵物語』で松田優作がペスパに乗るなら、『エロチックな関係』の裕也はフォルクスワーゲンのビートルだ!と。
(『探偵物語』の方が後の作品ですが)

次に『実録不良少女 姦』を鑑賞。
77年の作品。監督は藤田敏八。
これ、かなーり面白かった。あまりにロッケンロールな作品。トンガリ具合が尋常じゃない。
いきなりヒロインが臨月の状態で登場。16歳なのに。
主人公マコを演じた日夏たよりという女優が野性的なフェイスのお世辞にも美しくはない方で、だからこそドキュメンタリーみたいなもの凄い迫力を出してるんです(演技はうまい)。
ダンナ(というかヒモ)役の内田裕也の情けなさが最高で、あまりのダメダメっぷりにマコが怒って喧嘩をするのですが、案の定喧嘩の後はセックス。
途中、マコは内田裕也を寝取った直子(鑑別所帰り)と線路脇でキャット・ファイトをするのですが、これがもうキャット・ファイト映画史上屈指のド迫力なデス・マッチ。
タンティーノどころじゃないよ。
あと、岸部一徳がマコの元担任でミュージシャン志望の男として出てくるのですが、マコと岸部一徳のセックス・シーンにブルース・ギターが流れていてはこれまた迫力がありました。
この作品、あまり話題にならないですが、もっと評価されるべきだと思いました。クリエイションの演奏シーンも良かったし。

そしていよいよ内田裕也のトークショー。場内満員。熱気ムンムン。
ご覧下さい。裕也さんの写真を。ロックンローラーというより神に近付いています。
カナザワ映画祭

内田裕也の映画の特集上映というのは今回のカナザワ映画祭が初めてだそうで、裕也さん終始上機嫌でした。
もう冒頭から以前はアルコールと○○を常用していたが、今は止めたとか言って場内爆笑。
聞き手はモブ・ノリオさん。
カナザワ映画祭

まず裕也さん、当時からロマンポルノを評価していて出演した、ロマンポルノを通して才能ある誇り高いスタッフ達に知り合えたとおっしゃってました。
『水のないプール』『十階のモスキート』『コミック雑誌なんかいらない!』は自身にとって重要な3作品であり、(「トライアングル」と言っていた)それぞれ、映画のタイトルにはとても凝っていて、作品タイトルの所以を説明されてました。
カンヌ映画祭のレッドカーペットで演奏していたら、現地の警察に突然逮捕された体験談もされていました。
聞き手のモブ・ノリオさんがとても良くて、裕也さんを褒めつつ突っ込んだりする加減が絶妙で愛に満ちてて、会場に裕也さんが書いた脚本を持ってきていて、途中で『『十階のモスキート』『コミック雑誌なんかいらない!』の脚本の冒頭部分を読み上げたのでが、朗読、紹介の仕方が上手くて、場内爆笑、裕也さん上機嫌でした。
内田裕也といえばフラワー・トラベリン・バンドに英語で歌を唄わせた人ですが、この日も表現者は英語を勉強すべきだ、下手でもいいから英語を話すべきだと言っていて、日本語のフォークについて下駄履いて汚い手ぬぐいぶら下げて四畳半でナントカカントカと何度も皮肉ってました。
(英語の件、表現者じゃないワタシにとっても耳が痛い)
カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

観客からの質問に移り、まず『コミック雑誌なんかいらない』に出演していた趙方豪についての質問について、裕也さん、自分が以前いた所には中国人、韓国・朝鮮人、戦後米兵との間に生まれたハーフが多く、インターナショナルな環境だったと説明し、趙方豪はいい俳優でしたよ、と。
そして次に『花弁のしずく』ニュープリント運動の同士であるMさんが「自分は女なんですけど、ロマンポルノが好きで、『少女娼婦・けものみち』が好きなんですが、『嗚呼!女たち猥歌』も好きで『嗚呼!女たち猥歌』の中で印象に残っていることを教えてください」とご質問(ヤッタネ!)
裕也さん、嬉しそうに、『嗚呼!女たち猥歌』は自分のアイデアによる映画で、当時札幌に女性向けのソープランドが実際にあり、その話を聞いて店に見学に行こうと思い、でも見学は果たせなかったのだけど、その話を元に映画をつくろうということになり、神代辰巳にそんなヘビーな役を本当に演れるか?と訊かれ、やるよと答えたと。
『嗚呼!女たち猥歌』というタイトルは演歌みたいでヤダと言っていた(笑いながら)。
そして裕也さん、怒りの暴露話を披露。
撮影前、四谷のスタジオで神代監督、姫田真佐久カメラマン、内田裕也、そして元々出演予定だった某女優と1週間リハーサルをしていたにもかかわらず突然、その某女優が降板してしまい、姫田カメラマンには今村昌平監督の次回作のスケジュールが入っておりどうにもならくて、『嗚呼!女たち猥歌』の企画自体が流れそうになったのを何とか裕也さんがカメラマンを見つけてきて、中村れい子という女優を見つけてきて撮影にこぎつけたのだ、と。
突然ドタキャンした某女優は今はバラエティーなどで売れていて、と言っているうちに怒りが込み上げて我慢ならなくなり、裕也さんついにその某女優の名前Tを暴露(確かに現在売れている女優です)。
もうこの時点で、予定時間を超えていて、それでも裕也さん、もうちょっといい?と何度も主催者に聞いて(次に『餌食』の上映とオールナイト上映があるにもかかわず、とてもノーとは言わせない雰囲気で)、強引にどんどん時間を延ばして話し続けてました。
もう、裕也さん上機嫌で饒舌で、話があちこちに飛びまくって、でも最後ちゃんと着地点に到着するという感じで、今回自分の特集を組んでくれたカナザワ映画祭に謝意を述べていて、以前NYのMOMAで自分の映画が上映された時のチケットをいつも胸ポケットに入れているのだけれども、今後は金沢21世紀美術館のチケットもいっしょに入れておきます、と言っておられました。
迫力満点、自虐的ユーモアも交えつつ自慢満載、話の内容激濃の最高に面白いトークショーでした。
カナザワ映画祭

聞いたところによると、トークショー後、裕也さん、やはり上機嫌で「青いオトコまつり」の看板の前で写真撮ったり、今回の映画祭がつくった内田裕也Tシャツを着て写真を撮ったりしたのだそう。

トークショーの後『餌食』鑑賞。
79年の若松孝二監督のレゲエ映画。
忘れられた人々が集うのは今は亡き表参道同潤会アパート。
『愛欲の罠』にも出てきた代々木のメルヘンビルが映っておりました。
実際、内田裕也はかつてボブ・マーリーを日本に呼ぼうとしたんだそうです。

以上、カナザワ映画祭、内田裕也特集のレポートでした。
その後、ワタシはそのまま「駅前シネマ・オールナイト」に移動。引き続き濃厚な空間を体験したのでした。
続く。

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東京某所で鈴木則文監督と

今日は19時から22時まで某喫茶室にて鈴木則文監督とお話してきました。
映画ファン仲間のHさん(東映原理主義者。監督もHさんの知識量に「キミ、よく知ってんねー」を連発)、則文ファンのカワイイ女の子Mさん(以前監督と飲んだ経験あり)も一緒で、ヒジョーに話は盛り上がりました。
監督から最新号のHotwaxの最新号を頂きましたよ!(もちろん鈴木則文特集ネ)

監督のサービス精神に感服しっ放しの3時間。
則文ファン、東映ファン、映画ファンとして忘れられない幸福な体験でした。
則文


追記
『伊賀野カバ丸』の汚い焼そば屋のバアさんは、野際陽子が演じていたと監督おっしゃってました。
気が付かなかった!!

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「カナザワ映画祭2007青いオトコまつり② 9/15(土)篇 

カナザワ映画祭2日目、 9/15(土)のレポートです。
鈴木則文監督の作品が連続上映された日。
会場は、いま全国で最も人気の美術館「金沢21世紀美術館」内にあるシアター21。
世界に誇る妹島和世&西沢立衛による建築ですよ。そんなスバラシイ美術館で昼間からロマンポルノを上映する金沢、偉大です
カナザワ映画祭

昨晩夜中まで呑んでいたのにかかわらず監督、柳下毅一郎氏とも朝10時の上映開始からご来場。

まず1本目『シルクハットの大親分 ちょび髭の熊』
熱海を舞台とした『シルクハットの大親分』シリーズの第2弾です。
冒頭かわゆい橘ますみタン登場。ますみタンの危機を熊虎親分が救います。
ユーモアありの楽しい活劇なのですが、藤純子演じる緋牡丹お竜と熊虎親分が並んで歩くところなんぞ美しかった。
途中、銀行家のボンが橘ますみタンにプロポーズするシーンで『徳川セックス禁止令』の渡辺文雄みたいにいきなりフランス語もどきをまくしたてるところがあって面白いのですが、上映後監督に質問したら「あの俳優、ああいうのが得意なんだよー」と。渡辺文雄とは違いデタラメなフランス語なんだそうです。
フィルム状態が悪い旨上映前にアナウンスされてましたが、確かにダメージが多くて残念。

次、『伊賀野カバ丸』
上映前、監督に伺うと原作に忠実に撮った作品であると。
いやぁ、これは楽しかった。
最初の山でのハイスピードカメラで撮影したアクションシーンが素晴しくて、水の中からじっちゃんがガバっと出てくる美しさに感動。
真田広之演じる目白沈寝が登場すると、場内爆笑。
目白沈寝の館のナチの格好をしたホモ男性が出てくると、ワタシの後ろに座っていた監督が「あんなこと、させたんだ」と呟いておられるのが聞こえました。
そしてクライマックスのアクション5番勝負(どれも馬鹿極まりない決戦ばかり)、最後の「カーロデオ」なる勝負が始まった途端、ああ!これはタランティーノの『デスプルーフ』のオリジナルではないか!と叫んだのですが、上映後、柳下毅一郎氏が監督に即「タランティーノが『デスプルーフ』で同じことやっているんですよ、タランティーノ、これ絶対観てると思いますよ。」と話しかけてました。
すると監督、「どんどんマネしたらいいんだよ」と返されてました。
文句なしに楽しい作品で、主演の黒崎輝が歌う主題歌「青春まるかじり」の能天気ぶりにいきなりやられ、あの単調なメロディーが今でも頭から離れません。困った。

3本目、今回の映画祭の目玉である『堕靡泥の星 美少女狩り』
脚本は大和屋竺。
全国のファンからのカンパによるニュープリント上映です。
始まってすぐ、東映での鈴木則文監督作品とのあまりの違いに驚いてしまいました。
原作の劇画自体が独特の世界観を持つ異色作であることを考えても、東映ではなくロマンポルノ作品であることを考慮しても、作風の違いが想像以上で驚いてしまいました。
笑える部分は桃次郎役で唐突に登場する菅原文太の部分以外は殆ど無く、あまりにも強烈、異色な世界が濃密に繰広げられるのです。
例えばにっかつの監督だった田中登が東映で映画を撮ったときも作風の違いというのはある程度ありましたが、『堕靡泥の星 美少女狩り』での異色さといったらそんなものではなく、その違いが衝撃的でした。
作品については映画祭のチラシにある「佐藤まさあきの原作劇画を、大和屋竺の脚本で映画化した問題作。強姦殺人鬼の血を引いた美青年が、豪邸の地下室に美少女を監禁し、サディズムのかぎりをつくす。」という説明そのままなのですが、いやぁ想像以上でした。
冒頭、主人公の出生の秘密である大学教授宅で夫人が強姦魔にレイプされるシーンで、ラジオでニュースが流れているのですが、そのニュースの内容が皇太子(今上天皇)が正田美智子さんと婚約が内定したニュースで、これには驚きました。
青年の主張で大人が喜びそうな演説をした女子高生を拉致・監禁するのですが、青年の主張のテレビ放送が日の丸をバックにしたもので、こういうところは鈴木則文監督らしいな、と。
虚構の存在であるアイドルにも主人公は憎悪を感じ、拉致監禁。加虐の末開放されたアイドルは精神に異常をきたし、新宿駅東口のマイシティ前の広場(よくイベントやっている場所)で下着姿になるシーンがあって、こんなのよく撮れたなとまた驚き。
主人公がアウシュビッツのユダヤ人虐殺の写真を見て自慰するシーンがあってこれまた衝撃的です(だからダビデの星)。
主人公を演じた俳優、土門峻って初めて見ましたが、若いときの近藤真彦と吉田栄作を混ぜて2で割ったような顔立ち。身体はかなり鍛えられておりました。
あまりにハードな作品。鑑賞後疲労感を感じました。

4本目『大阪ど根性物語 どえらい奴』
これもニュープリント。鈴木則文監督の監督デビュー作です。
大傑作。
前半を観て、「この作品東映というより東宝調じゃないか」と思ったのですが、いやいや、途中からやっぱりこれは東映だなという作品でした。
大阪を舞台とした人情喜劇なのですが、もう監督の映画をつくる熱い意気込みがどのシーンからも伝わってきて、どのショットも考え尽くされた素晴しさで、観ていて熱くなりました。
こういう素晴しい処女作を観ると、大監督は第1作目からタダものではないなということがわかります。
特に藤田まことと藤純子がリリアン・ギッシュ主演の『散り行く花』の看板の前で愛を語り合うシーンの美しさときたら絶品で、もうすぐこの作品のDVDが発売されますがテレビ画面ではなく、スクリーンで観て頂きたい!
あと、藤純子の見合いに相手として成り上がり者の青島幸男が出てくるのですが、青島幸男のことを金に目がくらんだ藤純子の親が名門の出とはやし立て、「静岡のご出身」なんですってと言ったところで噴出しちゃいました。
静岡って監督の出身地じゃないの。
いやぁ、『大阪ど根性物語 どえらい奴』、川島雄三の『暖簾』と並ぶ「番頭もの」の傑作でした。美しさでは『暖簾』に勝っていましたよ。

その後、引き続き監督と柳下氏のトークショーと『徳川セックス禁止令 色情大名』の上映と続いたのですが、連続で映画を観て疲れているし、お二人のトークショーはシネマヴェーラで既に拝見しているので割愛。
会場を出てバスに乗って金沢観光に出掛けたのでした。

以上、2日目のレポートでした。

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「カナザワ映画祭2007青いオトコまつり」① 9/14(金)篇 

金沢から東京に戻ってまいりました。
金沢では色々と観光をして、美味しいものも一杯食べたり飲んだりしたのですが、まずは映画祭の報告をさせていただきます。

9/14(金)夕方から前夜祭がありました。
金沢城公園に17時半頃あのトラック野郎のデコトラ「一番星号」が群馬からやってくるということで、登場シーンから撮ろうと思い早めに公園に行くと既に人がいっぱい。
今回の映画祭のためにつくられたイカした看板発見。
カナザワ映画祭

そしてやってきました、一番星号!
カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

もちろんナンバーは1ですね。
カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

おっ!そこに鈴木則文監督と柳下毅一郎氏が登場。
カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

カナザワ映画祭

いつも劇場でファンとお話されてる則文監督、ワタシもシネマヴェーラの時以来、監督に恐れ多くも声を掛けさせて頂き、東京から監督の作品を観に金沢に来たことを伝えると監督、ご自身の名刺をワタシにくださり、ワタシも恐れ多くも(映画とまったく関係ない勤務先の)名刺をお渡ししました。監督、ワタシの近所にお住まいだったので血迷って「監督、ワタクシ、近所に住んでおりますので今度ウチに遊びにいらして下さい」とついトンデモナイ馬鹿発言が口から出てしまいました。
監督のシンプルな美しい名刺、家宝にいたします。
カナザワ映画祭

公園内で、田中登監督の『花弁のしずく』ニュープリント活動の代表で金沢在住のK氏、同じく『花弁のしずく』同士で東京からやってきたN氏、H氏と合流し初対面のご挨拶。
18時半、すっかり日が落ち暗くなり、公園に設置されたスクリーンの前で今回の映画祭の代表の方(若い男性)、監督の挨拶の後いよいよ『トラック野郎 望郷一番星』の上映スタート。
持ってきた敷物を芝生に敷き、体育座りで鑑賞いたしました。
カナザワ映画祭


カナザワ映画祭

映画の前半部分で、文太サンが愛川欽也の子供達を連れてトルコに行くシーンがあって、トップレスの女優達やら子供が避妊具を膨らますのが金沢城下の公園の大きなスクリーンに映しだされ、それをお子ちゃま達も含めた金沢の皆様と観ている光景にワタシは思わず興奮して、一緒にいた金沢市民のK氏に「金沢ってリベラルな所ですね!」と声をかけずにはいられませんでした。
このような今じゃあ描写自体許されないシーンを多数含む作品を歴史ある金沢城公園での上映を許可する金沢市、素敵過ぎます。信じられません。
この事実にワタクシ、涙が出そうになりました。
野外での映画鑑賞は初めてなのですが、それが金沢城公園で、虫の声がミンミン聞こえる中、スクリーンの白い布が風でユラユラ揺れつつ、雄大な北海道の自然を舞台に繰広げられる『トラック野郎 望郷一番星』をみんなで鑑賞するこの素晴しさ!心から感動。
『トラック野郎』シリーズに共通するお決まりのパターンが次々と展開されるのを観ていると(下品な下ネタ、子沢山ジョナサン一家、ライバルドライバーの出現、ライバルとのドライブインでの乱闘そして友情、桃次郎の恋→本を読んで勉強→思わせぶりなマドンナ→失恋、ジョナサンの浅はかな金儲けと失敗、最後ドライバーが助け合って難問解決、等々)、そのパターンに美しさ、様式美を感じて何だか感動してしまいました。
『トラック野郎』は屋外での鑑賞に打ってつけの作品でした!!
重ね重ね、屋外で市の由緒ある公園で下ネタ連発の『トラック野郎 望郷一番星』を子供多数がいる中、上映した金沢の度量の広さ、素晴しさを賞賛させていただきます。
監督にも今回この場で子供が走り回る中トルコのシーンを流したことの凄さを伝えたのですが、監督は何も驚くようなことではない、当然といった感じで「いいじゃない」と仰られました。さすがです。

上映後、お待ちかね、デコトラのライトアップ。三脚無しでの撮影なのでイマイチな写真しか撮れなかったのが残念。
カナザワ映画祭


前夜祭の後行われた映画祭関係者の打ち上げにワタクシも恐縮ながらお邪魔させていただきました。
カナザワ映画祭

みんな、監督に質問したりして色々お話を伺ったのですが、ワタシもかねてからの疑問「オートバイ・ファック」(『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』で華麗に突然始まる問題シーン)について質問してみました。
監督曰く、ああいうことをやったという人の話を聞いたんだよね、見たことはないけど、とのことでした。あの撮影、危なくないんですか?と聞くと、「危ないよー」とのお答え。
『トラック野郎 望郷一番星』で迫力のトラックが崖から落ちるシーンと、文太サンがメチャクチャ危うい吊橋をトラックで渡るハラハラドキドキのシーンがあるのですが、これはミニュチュアでの撮影だったのだそうです。
天尾完次について質問した人もいたのですが、その後の天尾完次については謎のまま。
脱がすことに失敗した女優はいましたか?との質問には(ワタシがしたのではありませんよ)、「無いねー」との回答。
そうそう、公園で、映画秘宝に載っていた『温泉みみず芸者』のスタッフ・キャスト皆ハダカで温泉に浸っている写真についてワタクシ質問したとところ、「平凡パンチ」に掲載するための宣伝写真とのことで、いつもあのような酒池肉林の宴会を繰広げていたようではなかったようです。

以上、映画祭第1日目のレポートでした。この日の天気予報は夕方から雨だったのですが、映画ファンの願い通じて結局雨はふらず無事野外での上映となった素晴しい夜でした。

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21 : 50 : 41 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) pagetop

報告: 『堕靡泥の星 美少女狩り』観たよ

金沢より報告です。
昨日は鈴木則文監督が劇場におられる中、『シルクハットの大親分 ちょび髭の熊』『伊賀野カバ丸』『堕靡泥の星 美少女狩り』(ニュープリント!)『大阪ど根性物語 どえらい奴』(これもニュープリント!)拝見しました。
『堕靡泥の星 美少女狩り』は観終わった後に2Kg痩せそうな作品。超濃厚な世界でした。
『大阪ど根性物語 どえらい奴』は大傑作!数日後にDVDが発売されるけど是非劇場で観てもらいたい作品(って無理な)。

今日はこれから内田裕也の作品と、グラインドハウス「駅前シネマ」にて恐怖の6本立てオールナイトを観る予定です。
詳しい報告はまた後日。
10 : 29 : 50 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(2) pagetop

予告:金沢からコンニチハ

ついに昨晩からカナザワ映画祭が始まりました。
金沢にて映画ファンの同志に会い(在金沢の映画ファンだけでなく、やはり東京からやってきた人達がワタシの他にもいた)、ちゃんとデコトラ一番星号の写真をアホのように興奮して撮影し、野外での「トラック野郎」の上映を堪能し、鈴木則文監督に「ワタシ監督の近所に住んでますので、今度ウチに遊びにいらして下さい」と気安く鈴木則文監督にトンデモナイことを話し掛け、映画の終了後、映画祭の関係者の方たちの打ち上げに参加させていただき、監督に色々お話を伺いハグしていただき、ああ何てシアワセなんだろう、金沢に来て良かったー、金沢の映画ファン、良い人だぁと感激しているところです。
こちらから写真をUpできないので、後日改めてレポートを書きますが、とりあえず報告です。

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08 : 23 : 24 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) pagetop

金沢への道

これから朝の便で金沢に向かいます。カナザワ映画祭にいくためです。
ここ最近、体調がかんばしくなく、こんな状態になったのも東京各所の劇場に色々な映画を観に行かなければいけないというプレッシャーというか強迫観念からじゃないかと自己分析しているのですが、カナザワ映画祭にて鈴木則文のニュープリント上映があると聞くと、金沢に行ってしまうというのは相当重度じゃないかと思います。
最近の状況を申告すると、必見と思っていた『童貞。をプロデュース』は体調不良と金沢行きで行けないことが決定し(ところで、会社のPCからは検閲がかかり松江哲明のブログにアクセスすることが出来なくなりました。以前は見れたのに。ブログを読む限り特にエロいこと書いているわけではないようですが、何がNGワードなのでしょうか?ひょっとして「童貞」?)、シネマヴェーラでの「妄執、異形の人々Ⅱ」は映画史的には観なくても困らない作品ばかりでありながら、何せレア上映なので、やっぱり観に行きたくなる特集ですが、コレも体調不良で最初の方のプログラムに行けませんでした。そうやって行きたい劇場に行けないことが更にワタシにストレスとなってふりかかります。
ワタシは金融機関に勤めるOLなのですが、なぜにこんな無間地獄はまってしまったのでしょう…。誰か哀れなワタシを救ってクダサイ。

あ、それからカナザワ映画祭のチラシ、シネマヴェーラでゲットしたのですが、「駅前シネマ」という劇場での昔のチラシ写真が載っていて、これが大変気になります。
とある日のチラシは『くノ一忍法』『温泉こんにゃく芸者』『性倒錯の世界』『にっぽんSEX旅行』『狂った野獣』の5本立て。別の週は『白い指の戯れ』『恋人たちは濡れた』『さすらいの恋人 めまい』『桃尻娘ラブアタック』『十八歳海へ』。
金沢、熱い街だったんですね。御見それしました。
金沢


では金沢へ行ってまいります。

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04 : 19 : 49 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) pagetop

『デス・プルーフ in グラインドハウス』

今日もカラダが絶不調。ベッドから起き上がることもままならない…。しかし、土日の2日間に1本も映画を観に行かないなんて、感覚が狂うっちゃうと思い、高熱でフラフラしながらも六本木ヒルズへタランティーノの新作『デス・プルーフ in グラインドハウス』を観に行きました。
観客は、タトゥーを入れて大きなサングラスをかけたバカっぽいカップルとか、白人の集団とか、白人の彼氏を連れたビッチな服装の日本人女性とか。
で『デス・プルーフ』。故意にフィルムに傷つけた演出がウザイ。
映画の3/4をも占めるかと思われる女の子たちによる中身の無いおしゃべりに対し、冒頭からずっと絶え間なく白人の観客達が笑うので、どこがそんな面白いのかと注意してみるも、やっぱり笑うところなんてないよと思った瞬間また白人達が受けてるので、これは劇場内の客が笑っているのではなく、映画にもともと収録された笑い声の効果音かと思い注意深く聞いてみたけれども、やっぱり効果音ではなく実際に白人を中心に劇場の観客が笑っているのであって、ワタシはこの映画を観ていてずっと白人達の笑いのツボが気になって、彼らが大ウケしているのに自分がシラーとしているのはもしかしたらワタシの方がオカシイのかもと思って不安になったりしたのでした。
(ラップダンスがどうのこうのとか、オージーだのそうじゃないのってやりとりでバカ受けしてるってホントにどうよ??もしかすると、アメリカではタランティーノの「意味の無いおしゃべり」は「意味が無い」のではなく「大笑いするお話」なのかもしれない。)
府中や南大沢のTOHOシネマズなど地元民が多く白人率が少ないと思われる他の劇場での上映はどんな状況なのでしょうか?
映画はカート・ラッセルが撃たれてからが急激に面白い。
しかし全体としては、タランティーノのシネフィル的なイヤな部分が多く出ている作品であまり好きじゃないです。前半から中盤までの延々続くユルイところは狙ってやってことがミエミエなだけにちょっと痛い。
いいショットは随所にあるんですけれどね。
あと、ラップダンスを踊るバタフライ役の女優さんの腹が出ていてビックリ。
キチガイ犯罪者のカート・ラッセルが追われる立場になると急激に弱くなって、泣きながら尻尾を巻いて逃げるというのは、なかなか役立つ情報で、思い返すと高校生の時、ワタシとRちゃんは登校中に変質者に遭遇したのですが、怖いもの知らずのRちゃん(後に陸上自衛隊に入隊)がその変質者を追いかけると、先ほどまで勝ち誇ったように我々に嫌がらせ行為をしていた変質者が物凄い勢いで逃げ出したことを思い出しました。変質者は女性がキャーと逃げることしか想定していないので、逆に追いかけられると弱いようです。
話がそれました。
女の子達が大活躍の最後のカーチェイスを観て、病気の女の子であるワタシも元気が出てきたので、まぁ、その点では悪くなかったです。

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23 : 04 : 48 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) pagetop

吉祥寺の猫

実はここ最近、相当病んでます。映画に行くペースも急激に落ちております。
で、今日は吉祥寺の病院に検査に行ったのですが、病院帰りにサンロードを歩いていたら、人だかりを発見。携帯カメラで写真を撮っている人達が見えたので、なんだなんだ芸能人でもいるのかと、人垣を分け入って見てみると、こんな光景でした。

猫

猫

猫

キャハハ。かわいい。この親猫と子猫、ずーっとゲルマニウム温浴屋の回る看板の上でジーッと気持ち良さそうに寝ていて、看板が回ろうが人だかりが出来てバシャバシャ写真を撮られようが、まったく動きません。
病んでいる犬派のワタシも癒されました。

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花弁のしずく復活プロジェクト

今日は出来立てホヤホヤのサイト「復活花弁のしずく」の紹介です。
http://www18.ocn.ne.jp/~kamiya/index.html

田中登監督のデビュー作『花弁のしずく』は、フィルムがジャンクされてしまっていて長い間、我々映画ファンは眼にすることができませんでした。今年の春ラピュタにて行われた大掛かりな田中登特集でも『花弁のしずく』は上映されることはありませんでした。
田中登監はインタビューでフィルムのジャンクに対する危惧に触れられていて、(こちらのインタビュー http://www.cmn.hs.h.kyoto-u.ac.jp/NO1/IVIEW/TANAKA5.HTM)田中登に魅了されっ放しのワタシもデビュー作が観られないことを残念に思っていたのですが、映画ファン、田中登ファンがカンパを出し合ってニュープリントを焼くプロジェクトが始まったことを知り、私も僅かながらカンパさせていただきました。
プロジェクトの中心になっていただいた方々のご尽力の結果、ニュープリントは焼き上がり、この夏、大阪の第七芸術劇場での田中登特集にてついに上映されました(主演の中川梨絵さんのトークショー付き!)。
ワタシは大阪には行けなかったのですが、観た方によるととても美しい作品だったそうです。
ああ、どこかの劇場さま、ニュープリントがあるのですから『花弁のしずく』を上映してくださいませ。
まぁいつかは観られると信じておりますけれども。

さてこの花弁のしずく復活プロジェクトのサイトですが、トップページは中川梨絵さんによる美しい題字で、盟友の小沼勝監督(『復活花弁のしずく』ではチーフ助監督)のインタビューや、大阪で『花弁のしずく』を観た方の感想が掲載されていて、近々『花弁のしずく』の脚本を書かれた久保田圭司氏のインタビューもアップされるようです。
皆さま、ぜひご覧になって下さいませ。

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『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』米版DVDが到着。

帰宅したら、DVD Fantasiumを通して注文していた『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』のアメリカ版DVDが届いておりました。
ワーイ。
パッケージの内側はこんな感じ。
『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

特典が豪華で、「恐怖奇形監督石井輝男の追憶」という題名の塚本晋也と河崎実へのインタビュー、映画の予告編、バイオグラフィが入っているのですが、一番の注目は2003年に石井輝男がイタリアに訪れたときのドキュメンタリー映像です。
ワタクシ、この頃何度か石井監督のトークショーに行ったので、イタリアではしゃぐ監督(異常に若い)を見て、懐かしかったわん。
『恐怖奇形人間』はご存知の通り、差別云々で国内でのDVD化はまず不可能。
それがDVD化され、かつ特典が豪華とくれば絶対買いです!
ちなみにメニュー画面は土方巽が岸壁で踊る映像です。ふふ。
『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

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再びシネマヴェーラで『ロング・グッドバイ』

先月、PFFのロバート・アルトマン特集で観た『ロング・グッドバイ』があまりに良かったので、シネマヴェーラの最終回に行き再度鑑賞。
(その時の感想とYou Tubeにあった予告編と映画の冒頭部分の動画の紹介はこちら)。

ところでシネマヴェーラよ、今晩みたいに大混雑している時ぐらい、客を整列させたり、整理番号順に入場させるなどするべきではないのでしょうか?
あんなに混んでいるのに誘導しないのはおかしい。前の回が終ったら、皆いっせいに中に入ろうしたではないか。
あと劇場には関係ないけどイライラするのが、前の席の客が背中を椅子から離して前かがみになって映画をみてる時。
頭がスクリーンにかぶって見えないよ。
ワタシは身長165cmなので、前かがみをやられるとフィルムセンターでもシネマヴェーラでもどこでも全然スクリーンが見えなくなる。

『ロング・グッドバイ』、やはり素晴しかった。
観終わった後も、頭の中に何度もジョン・ウィリアムズによる主題歌、
「There’s a long goodbye. And it happens everyday~♪」が流れて止まりません。

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『マンハッタン』『ガルシアの首』『ハードスキャンダル 性の漂流者』

今日はまずシネマヴェーラのユナイテッド・アーティスツ特集へ。
ウッディ・アレンの『マンハッタン』。
今までビデオやDVDでしか見たことがなく、今日大きなスクリーンで観て改めて深く感動。
冒頭の、細かいカットでニューヨークの色々な風景が映し出すところ、摩天楼に花火があがるカットまででもう鳥肌。
ウッディ・アレンの住むアパートの暗い室内を映し出すシーン、スクリーン左端のみ光があたりアレンと17歳の恋人トレイシーがソファーで話をしているのがみえるシーンにまた鳥肌。
アレンとダイアン・キートンが橋の下のベンチで語り合うシーンの美しさにまたまた鳥肌。
最後、ウッディ・アレンがソファで横になりながら自分のお気に入りをマイクでテープレコーダーに吹き込んでいて、グルーチョ・マルクスとか色々言って、最後に無意識に「Tracy's face」と言うところからラストまでの間、観ていて涙が出そうになりました。
ワタクシ、NYへは3回行ったことがあるのですが(友達と、一人で、母親と)、『マンハッタン』を観てまた猛烈に行きたくなりました。
嗚呼、ニューヨークよ!
実際には映画のような美しいばかりの街ではないのですが。
(映画のロケ地を解説したページがありました)
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/6151/manhattan.html

サム・ペキンパーの『ガルシアの首』。
原題はBring Me The Head of Alfred Garcia。
長い間(16歳の時から)ずっと観たかった作品。
銃撃戦がスローモーションになるのを見て、ああジョン・ウーみたいと思ったけど、もちろんペキンパーの方が先。
あまりのどん詰まり感。
ラストは当然そうなるべき結末。
つ、疲れた。

目黒に移動し、東京都庭園美術館で「舞台芸術の世界~ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン」展を見る。
旅行中、ニューヨーク・シティー・バレエの「火の鳥」を観に行き、シャガールの美術・衣装に激しく感動したので、今朝のNHK「新日曜美術館」で紹介されているのを見て、即観に行った次第。

最後、下北沢に移動しシネマアートンで田中登の『ハードスキャンダル 性の漂流者』を鑑賞。
小田急沿線の劇場で上映されるべき小田急線映画です。
DVDで見たばかりなのですが、やはり劇場で観たいなと思いまして。
フィルムは退色が進んだ状態でした。
亜湖と北原理絵のカラダがとても美しいことを再確認。

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スウィンギング・ロンドンなのにアール・デコ、『ナック』

名古屋から遊びにきたYちゃんに会った後、シネマヴェーラにて『ナック』を鑑賞。
本日上映のもう1本の『ラストタンゴ・イン・パリ』は大嫌いなのでパス。大学生の時、後輩の男の子が「若いオトコは体毛の薄い女を好むけど、オジイサンは体毛の濃い女が好きなんだって」と言っていたけれど、『ラストタンゴ・イン・パリ』は、年取った男が体毛の濃い若い女に魅力を感じる心理をそのまま具現化したような作品でとにかく気持ち悪い。
(別にマリア・シュナイダーの体毛が濃いわけではないよ)
劇場で偶然O氏に遭遇。
さて『ナック』。
シネマヴェーラのチラシの写真はカラーなのでカラー作品かと思ったら白黒でびっくりした。
タイトルロールの文字が、アール・デコ時代のNYでよく使われたBroadway Engravedというフォントだなぁと見ていたら(こういうフォントです。見本)、主人公達が住む一軒家のインテリアがもろアールデコで(斜めに直線が入った見事なデザインの戸棚や壁に鏡をはめ込んだ内装!)、アールデコ・ファンのワタシは興奮してしまいました。
映画は最初の5分ぐらいがとても良かった。
この時代のロンドンのファッションが好きな人には堪らない作品だと思います。ワタシはアントニオーニの『欲望』や『オースティン・パワーズ』(違う?)みたいには乗れなかったなぁ。
ライオンがどうのこうのとやり合うところはあくびが出た。
小手先の技術をこれ見よがしに見せる映画は時代の経過に耐えられないものです。
田舎から出てきたリタ・トゥシンハムがロンドンの観光名所を色々歩くのは、街が見られて良かった(バッキンガム宮殿とかハロッズがあるオックスフォードストリートとか)。
あと、ジェーン・バーキン、ジャクリーン・ビセット、シャーロット・ランプリングが出てたらしいけど、ワタシ、気付きませんでした。

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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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