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『片腕カンフー対空とぶギロチン』『ジャッキー・ブラウン』

体調絶不調。昨日は風邪で一日中ベッドから起き上がれず、今日も声が出ない有様。
そんな状態にもかかわらずシネマヴェーラで2本鑑賞。

『片腕カンフー対空とぶギロチン』。
この作品は2003年銀座シネパトスで『キル・ビルvol.1』の関連作品特集で観ており2回目の鑑賞。最後お棺に納まって終るところはいいね。

『ジャッキー・ブラウン』。これは初見。
パム・グリア、『コフィー』とは全然違い台詞のテンポがとてもいい。
ワタクシこの作品をもって、タランティーノ監督作品をすべて観たことになりますが、『ジャッキー・ブラウン』はもっともタランティーノらしい作品だなという印象を受けました。
ヘルムート・バーガーが出てきたのにはビックリ。
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『ブレードランナー』3回目

会社が終った後、また『ブレードランナー』に観に行こうと新宿伊勢丹向かいの新宿追分交番を通ったら、外国人数名が警官に英語で道を尋ねていて、そのお巡りさん、結構流暢な英語で答えていてちょっとびっくり。

バルト9にて3回目の『ブレードランナー』鑑賞。
今回が最後の劇場での鑑賞になると思い(実は1週間上映が延長されたのですが)、目に映るものすべてを頭に焼き付けようと必死になって鑑賞。
デッカードのマンションのタイル(フランク・ロイド・ライトのエニス・ブラウン邸)の一つ一つの文様も見逃さないよう観ましたよ。

映画が終って、バルト9のエスカレーターを下るとき、新宿南口から西新宿方面を見渡せるのですが、その夜景が『ブレードランナー』をちょっと彷彿させる光景でありました。

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『コフィー』

就業後、シネマヴェーラのラスト1本で『コフィー』を鑑賞。
想像していた映画とかなり違いました。
テンポが遅く、トロい映画で正直ガッカリ。
なぜトロいのかと考えながら観てましたが、主演のパム・グリアをはじめ俳優たちの台詞回しがモタモタして歯切れが悪いし、身動きもトロいし、カット割りもちゃんと出来てなくて、編集が甘くて映さなくていいものがそのまま切らずに残っちゃっていて、とにかく冗長な感じ。
カッコイイと言われている音楽もたまにしか流れないのでした。
こういう技術的にいい加減な作品を観ると、日本のプログラム・ピクチャーは低予算でもしっかりしてたなぁと感心したりして。

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小林桂樹さん来館 『首』『白と黒』

本日、小林桂樹さんがトークショーをされるということで、新文芸坐に行ってまいりました。
9時45分からという上映時間にもかかわらず場内満席です。

1本目は『首』。
先日シネマヴェーラで観たばかり。
今日観てもやはり面白い。どんどん引き込まれます。
この作品の見所は、高圧的な検事役を迫力満点に演じた神山繁と、東大の小遣いさん役の大久保正信の超リアルな演技でしょう(首を切る人ね。脚本家のNさん絶賛。確かに長塚圭史によく似てます。)

2本目は堀川弘通監督の『白と黒』。
『首』では橋本忍の脚本が良かったのですが、この作品ではダメ。
小林桂樹は東京地検の検事役。
大物弁護士・宗方(千田是也)の妻(淡島千景)が、情交を結んでいる若手弁護士(仲代達矢)に殺害されるところから映画は始まります。
警察・検察の見込み捜査の結果、仲代達矢ではなく宗方家に強盗に入った前科4犯の男(井川比佐志)が強盗殺人で逮捕・送検されます。
そして意外にも、井川比佐志の弁護人に井川に妻を殺された(と検察が告訴している)千田是也と、実は千田の妻の首を絞めた張本人である仲代達矢が名乗り出て弁護します。千田是也は死刑廃止運動に長年たずさわっており、仲代達矢はその下で働いている弁護士だからです。
強盗殺人の被告、被告に自分の妻を殺されたと思っている死刑廃止論者の弁護人、妻の情夫で妻を殺したことをひた隠しにしているもう一人の弁護人の3人という特異かつ複雑な人間関係の心の葛藤に焦点をあてるとさぞかし面白い映画になりそうなのですが、それについては脚本はスルーでした。
小林桂樹は真犯人は井川ではなく仲代ではないかと考えるようになり、公判中にもかかわらず担当刑事の西村晃と捜査を続けます。その捜査の過程を途中までは丁寧に描かいているのですが、突然せきたてるように、小林桂樹は仲代達矢を宿に呼び、決定的な証拠もないまま2時間ドラマのラストのように自分の推理をまくしたてあっという間に仲代達矢や自白させます。映画のクライマックスのはずなのに、これは変だ、映画の尺がなくなったのか?といぶかしく思った直後、映画が二転三転します。ああ、三転するから突然やっつけ仕事みたいに自白に持っていったのだとわかるのですが、この二転三転がおかしいのです。
こんな映画の最後になってから、これまで全然伏線がない新たな事実を突然取って付けた様に無理矢理引っ付けて三転させるというのは脚本としてどうなのよ、と。
「バカな男が二人いました」で終られても、こんな脚本納得できないよ。
あと、痔に異常なまでにこだわっているのは橋本忍ワールドなのでしょうか?
不治の病のように痔に苦しむ小林桂樹の姿が相当ヘンです。
それとですね、公判中の事件の担当検事と弁護士が酒席をともにすることはあり得ないですし(しかもキャバレーで)、その酒席で事件について話すというは更にあり得ないと思いますよ。

そしてお待ちかね小林桂樹さんのトークショー。
桂樹さん、ちょっと前に流れていた携帯電話のCMの時での姿に比べて大変お痩せになられていてビックリいたしました。
しかし足取りはしっかりされていて、声は小林桂樹そのもの。
ユーモアのセンスにあふれていて、お話を聞きながら笑いっぱなしでした。
共演した俳優たちとの思い出やエピソードを披露されておりました。
話に出たのは、原節子(撮影所の人たちが見とれるほど大変美しかった)、高峰秀子(子役の頃から見ていたので共演するとは思わなかった)、八千草薫(かわいらしい人)、越路吹雪(サインは棒1本書くだけ)、仲代達矢(端役のときから目立っていた)、中井貴一(佐田啓二のことを思い出して車の中で居眠りをしている姿をみて起こしてしまった)、三船敏郎(本物の銀幕のスター。もっと現代劇を見たかった)、三木のり平(セリフを覚えずカンペを置いていた)、森繁久彌(女性が好き)、加東大介(亡くなる前に自分の葬式を頼むと言われた。亡くなったとき葬儀委員長をした)、渥美清(寅さん以外の役を見たかった)といったところでしょうか。
桂樹さん、頭の回転が速くてユーモアのセンスがあり、お話とても面白かったです。
日本映画の生き証人である小林桂樹さんのお話を伺うことが出来て本当に良かった。
小林桂樹

小林桂樹

小林桂樹

小林桂樹

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『朝はダメよ!』『ブレードランナー』『アンジェラ・マオ 女活殺拳』

今日も映画。

ポレポレ東中野のモーニングで今日から始まるロマンポルノ特集へ。
モーニング上映とはいえ、今日は鹿沼えりさんのトークショーがあるので15分前に劇場に行き、場内に入ってビックリ。ワタシを含めてお客さん3名しかおりません。
あらまぁ。トークショーがあるのに大丈夫なのかしらん?と関係者でもないのに心配していたら、パラパラとお客さんが入ってきましたが、それでも全部で15名ぐらい。
これでは鹿沼さんが本当にお気の毒です。
こんな状態で『朝はダメよ!』が上映されました。
根岸吉太郎監督の80年の作品です。
鹿沼さん演じる下着メーカーの25歳のOLが仕事の後、お酒を飲んで毎日違う男性とセックスするお話で、あっけらかんとしたコメディ・タッチの作品。
小松方正と愛人契約を結んだり、ゲイとセックスしたり、向いのアパートの年下の男の子とセックスしたり、やりたい放題です。
鹿沼さん、「やる」だの「やらない」だの「やろうよ」だの、そんなセリフを連発しておりました。
当時(つまりHIVに感染する恐怖がまだなかった時代)のOLにはこの映画の主人公みたいな奔放な性生活をしている人、多かったのでしょうか??

上映後、鹿沼えりさんのトークショー。
こんなに観客が少ない中トークしなければいけないのは、鹿沼さんお辛かったと思います。
この作品に参加していたスタッフ・キャストがその後活躍していると話されておりました(助監督は那須博之と金子修介)。
今後も女優の活動を続けていきたいとも話されておりました。
トークショーの後、ツーショットを撮っていただき、鹿沼さんがやられているお店の名刺をちょうだいいたしました。
鹿沼えりさん


新宿に移動し、今日も青葉でラーメンを食べ、バルト9で『ブレードランナー』を鑑賞。
先日観たときはシアター8で、今日はシアター5。
シアター5の方が小さいキャパなのですが、それでもやはりいい施設だなぁと思いながら鑑賞いたしました。
前回もそうでしたが、今日も映画が完全に終って場内に照明が付くまで、誰一人として席を立つ人はいませんでした。みな呆然といった感じで。

東京フィルメックス会場の有楽町朝日ホールに移動。
『アンジェラ・マオ 女活殺拳』の上映で、主演のアンジェラ・マオさんが来場しました。
映画の上映前に場内が暗転しスポットライトが付いてアンジェラさん登場したのですが、めちゃくちゃ若い!とても57歳には見ません。
ワタシの席がアンジェラさんが舞台に向かう花道横で、アンジェラさんがワタシの席の横で立ち止まって客席に手を振ったので、3cmぐらいの至近距離で拝見したのですが、スタイルも良くて本当にお若いです。
『アンジェラ・マオ 女活殺拳』ではどのシーンが印象に残っているかとの質問に対し、すべてと答えられておりました。
六本木シネマートでアンジェラ・マオ特集が始まりますが、12月1日にはアンジェラさんまた舞台挨拶されるそうです。

そして本編上映。
キャスト・ロール、スタッフ・ロールが流れる中かかっている曲が、攻撃的なプログレッシブ・ロックで(暴走したEL&Pといった感じ)、ワクワクさせられます(ゴールデン・ハーベストはプログレが好きですね。『ドラゴン危機一発』ではキング・クリムゾンの「太陽と戦慄」がかかってました。使う曲、有名すぎるって)。
全編、泥臭くって、垢抜けてなくって、力強くって、迫力あって、暴力的で最高でした。
この泥臭さこそゴールデン・ハーベスト!
普通は時代が経つにつれ映画の作風は洗練されていくのに、キャセイ→ショウ・ブラザーズ→ゴールデン・ハーベストと進むほど泥臭くなっているなと。
国際交流基金フォーラムでの「香港映画の黄金時代 I」のシンポウジムで香港暴動・反英暴動といった社会不安が香港映画を優雅なものから暴力的なものに変えたとの説明を聞いたのですが、この作品、全体的に当時の香港の不穏な社会情勢のにおいが漂っております。
主人公たちは耐えて耐えて最後に武術で自分達を苦しめていた憎むべき対象を壊滅いたします(この作品では敵は戦前の日本人。『ドラゴン怒りの鉄拳』と同じですね。)。
冒頭からアンジェラ・マオをはじめ道場の仲間みんな怒っております。
怒のエネルギーがこの映画を動かしていて、それがまた荒削りでものすごい迫力なのです。
今回北京語での上映だったのですが、これが広東語だったら迫力があって更に泥臭くて最高だったのにぃと思いながら観ておりました。
(アンジェラ・マオさんは台湾出身の方なので、舞台挨拶でも北京語で話されておりました)。
アンジェラ・マオ


アンジェラ・マオ


この数日、空手映画を2本観て、今日はカンフー映画を観て(劇中では合気道という設定ですが)、これはいよいよ何か武術を身につけなければいけないのかなと思いました。

追記:『アンジェラ・マオ 女活殺拳』のオープニングに流れていた曲ですが、ワタクシ「暴走したEL&Pといった感じ」と書きましたが、この曲は本物のEL&Pの名曲「タルカス」だそうです。音楽にお詳しい方の日記で知りました。

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『アイ・イン・ザ・スカイ』『四大天王』そして「映画のポケット」

まず香港映画『アイ・イン・ザ・スカイ』を観るために東京フィルメックスの会場である有楽町朝日ホールへ。
ジョニー・トー作品の脚本を書いているヤウ・ナイホイの初監督作品です。
出演者はジョニー・トー作品の常連と結構かぶっておりました。
とてもよく出来た娯楽作品で面白かった。
見た目大学を出たばかりという感じの若い刑事の女性(ケイト・ツイ)が監視班という部署に所属し成長してく姿をレオン・カーファイ率いる宝石の強盗グループとの捜査を通して描いた作品です。
この監視班なるチームを舞台にしたところがこの作品のミソで、監視班は「見る」ことと、見るために尾行することのみが任務で、監視班が見て確認した後、逮捕や攻撃は別の班が行います。
監視班を「見る」プロフェッショナル集団で、一瞬すれ違っただけの人やものを頭に焼付けるよう訓練されていて、また任務の途中で人が暴行されているところに遭遇しても、警邏中の警官が襲われ瀕死の状態でも、自ら救護に向かわずそのまま任務を続行しなければいけません。
新人の主人公はレオン・カーファイを追っている途中、レオン・カーファイに襲われ大量出血している警官の救護に向かってしまい任務から離れてしまします。
そんな彼女を優しくフォローするのがベテラン捜査官のサイモン・ヤム。
監視班は「見る」ことのプロフェッショナルでありながら、逆に「見られる」立場になると途端に窮地に陥ります。
ケイト・ツイもサイモン・ヤムもレオン・カーファイに見られた(気付かれた)ことで絶体絶命のピンチに。さて二人の運命は…。

この作品、ジョニー・トー作品に似た雰囲気を持っていて、基本的に静が続き、その中に爆発的な動が起きるところとか、登場人物が食べてばかりいるところとか。
香港の市街地でのロケのシーンが大部分で、特にレオン・カーファイが坂道の多い香港島サイドを歩き回り監視班が追うののですが、ロケーションがとても効果的でありました。
日本公開が決まっているそうで、公開されてたら観に行こうと思います。

『アイ・イン・ザ・スカイ』上映終了後、大急ぎで青山1丁目に移動し草月ホールで開催している中国映画祭の『四大天王』の上映へ。
香港映画スター・ダニエル・ウーが監督した作品です。
ワタシはダニエル・ウーは好きでも嫌いでもないのですが、香港の映画が観たいわぁぐらいの理由で前売りを買ったところ、昨日映画祭のホームページを見たら、ダニエル・ウーが来場すると書いてあるじゃありませんか。
会場は妙齢の女性でいっぱいでした。
『四大天王』、意外にもと言ったら失礼ですが面白くて大笑いしながら鑑賞いたしました。
あえてドキュメンタリーの体裁をとったフィクションといった感じの作品で、映画スターの仲良し4名がボーイズ・グループを結成して曲を発表してライブに出て、という流れを追った作品。
慣れない歌や踊りに仲良く挑戦したり、仲間割れしたりする光景が繰広げられるのですが、登場人物たちの素(に見える)表情が傑作なのであります。
チワワを抱いたゲイのスタイリストや、本物のジェッキー・チュンやカレン・モクも出てきます。
上映後、監督のダニエル・ウーが登場。
広東語ではなく英語で話しておりました。
この作品はボーイズ・バンドの映画を撮りたいという目的が最初にあり、それをドキュメンタリー方式で撮ろうということになり、ドキュメンタリーを撮るために、ダニエル・ウー、テレンス・イン、アンドリュー・リェン、コンロイ・チャンで「Alive」というバンドを結成し、周りには映画を撮ることが目的であることを隠しバンド活動をしていたのだそう。
撮影していると、どこまでが真実でどこまでがフィクションなのかわからなくなったのだそう。
ダニエル・ウー監督、映画の中の何が真実で何が演技だったのかは内緒にしておきます、その方が面白いから、とのことでした。
ワタシは正直、最初の方は殆ど真実だと思って観ておりました。途中であれ、と気付いたのですが。
劇中、生真面目なダニエル・ウーがルーズなメンバーたちに振り回されて胃薬を飲むシーンが何度もあるのですが、これはフィクションとのこと。
ダニエル・ウー監督、とても真面目で丁寧な話しぶりで落ち着いた印象を受けました。
映画も楽しかったし(この作品でテレンス・インのことを初めてカッコイイと思った)、トークショーも良かった。
何となく前売り券を買ってラッキーでした。

下北沢に移動し、古本屋さん「気流舎」で定期的に開催されている映画の見方について鈴木並木さんとゲストがお話するイベント「映画のポケット」へ。
今回のゲストは日本映画に大変お詳しい拙井須磨子さん。
このイベント、人それぞれの映画の見方を伺うことができるのも楽しいですし、今まで知らなかった魅力的な映画を知ることができるのでお気に入りです。
今回は鈴木並木さんが紹介された『ゴーストワールド』(スカーレット・ヨハンスンが出演している)と、拙井須磨子さんが紹介された『月とチェリー』がツボにはまり早速DVDをレンタルしたくなりました。
気流舎さんのコーヒーも美味しいですし、ホント、おすすめのイベントです。

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『世界最強の格闘技 殺人空手』『力道山の鉄腕巨人』

シネマヴェーラ2本立てを鑑賞。

『世界最強の格闘技 殺人空手』。大好きな山口和彦監督の76年の作品です。
2日連続で空手映画観ることに。これはワタシに空手を始めろという神のおつげでしょうか?
『殺人空手』、ドキュメントを装ったトンデモ・フィクションでした。
オープニングの東映の「荒磯に波」は初めて見るヴァージョン。
『殺人空手』はスタンダードサイズで、当時「荒磯に波」はシネスコサイズのものしか存在せずこの映画のためにあつらえたものだと思われますが、中島貞夫監督の『にっぽん´69 セックス猟奇地帯』の「荒磯に波」以上にいいかげんなショボイもので、全然荒磯なんて映ってなくて、岩に水がパチャっと鳴った程度のものなんですよ。庭の池ででも撮影できそうな。
「構成 山口和彦・掛札昌祐」とスクリーンに出た瞬間、ワタシはこの映画のウサンクサイ内容を予想することができました。
映画の前半では大塚剛率いるプロ空手集団の試合光景と選手達の特訓や日常の光景を交互に紹介し(当然、特訓のエピソードは嘘八百。そして動物虐待のオンパレード)、後半は大塚剛が香港・マレーシア・ネパールへ戦いの相手を探しに旅を取材する、という2部構成。
前半色々なトンデモ・エピソードで、後半は紀行という構成は『にっぽん´69 セックス猟奇地帯』と同じですね。
まぁ、最初から最後までのインチキなんですけど、前半はかろうじてドキュメントの体裁を保っているのですが、後半になるとそれすらも放棄してまして、ネパールで追っ手に追われる場面なんて、大塚剛と同じ地点で彼を取材しているはずなのに、カメラは大塚剛を撮ったカットの直後に遠くにいる追っ手を背後から(!)映したカットを入れていて、ドキュメントであることを無視したカット割りに、観ていてズルっと言いそうになりましたよ。
で、大塚剛はネパールで戦いの末相手を殺し、その相手の死体が火葬される様子(頭蓋骨とかが焼けていくのを丁寧に撮影)を大塚剛が見届けるというトンデモ状態で旅は終わります。
あ、それから香港での武者修行篇で「カンフーの一派である道風山」に大塚剛が訪問し何とか入山した途端一派が襲ってくるというシーンがあるのですが、そんな一派聞いたことないよ、ていうか香港の「道風山」ってキリスト教の寺院だろ。こんなところで寺の名前までつかってロケすな、罰当たりめ(参照)。

この映画の空手に対する考え方がハッキリと表れていたのが、劇中の「空手に精神論は無用である」というナレーションです。
昨日観た『黒帯』は完全なフィクションでありながら、真の空手家が演じ、「空手に先手無し。先に相手を攻撃してはならない」を説く空手家の精神がテーマであり、真の空手を観ることが出来る作品であるのと対称的に、『殺人空手』は一応ドキュメントでありながら(明らかなフェイクなんですが)ミセモノ、キワモノ、ウサンクサイモノでしかありません。
『殺人空手』、70年代のウサンクサイ映画がお好きな方には自信を持ってオススメできる突っ込みどころ満載のトンデモ映画ですよ。
東映がこの映画がつくった経緯についても、きっと色々な筋との色々な背景があったんだろうなぁと想像できることでしょう。

もう1本の『力道山の鉄腕巨人』、子供向けの映画で、ほぼ全編子供の夢の中のお話で、激しく観客を眠りに誘う作品。
客席のあちこちで寝息が聞こえました。
91分の映画が120分ぐらいに感じましたよ。
力道山、プロレスラーだけあって、ボディアクションでの演技がうまかったです。台詞はダメですけど。
こましゃくれた小さな女の子役で松島トモ子、博士の娘でファッションモデル役で安西郷子が出ておりました(原田和典さんが「映画のポケット」でイイとおっしゃっていた耳はあれかぁ。後の三橋達也夫人です)。
あと、立つことができなかった小児麻痺の少年が最後立って力道山に向かって歩くんですが、『アルプスの少女ハイジ』の感動のクララのシーンの元ネタはここかと思いました(ウソ)。

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『黒帯』

今日はレディースディ。
銀座シネパトスにて『黒帯』を鑑賞。
真の空手を観ることができる映画でした。
主演した二人は俳優ではなく空手家。
主人公・義龍を演じた八木明人(かなりのイケメン。エディソン・チャンをもっと甘くしたような顔だち。ちょっと山本耕史にも似てる)は国際明武館剛柔流空手道の師範、主人公と対称的な人物・大観役を演じた中達也は日本空手協会総本部の師範なんだそうです。
本物の空手家が演技ではなくフルコンタクトの実戦をしているのを撮った作品で、最後、義龍と大観が戦う場面ではそのガチンコ勝負に手に汗を握ります。
最初から最後まで、空手家が見せる型の美しさや実戦の素早い動作に惚れ惚れいたしました。
空手家二人の演技もなかなか良くて、甘いマスクの八木明人は愁いに満ちた目で雄弁に語るし、中達也も堂々とした物腰で迫力があり(声と喋り方は真田広之に似てる)役に合っていました。本物の俳優である大和田伸也などよりよっぽどいい演技をしておりました。
カメラワークやカッティングも真面目で的確で手堅く、おかしいところや奇を狙ったところは一つもありませんでした。
そう、不思議なほど真面目過ぎるところがこの作品の特徴です。
ワタクシ、こういう手堅く真面目で地味になってしまった作品も支持しますよ。

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『黒い画集 あるサラリーマンの証言』

就業後、猛烈ダッシュで新文芸坐の小林桂樹特集へ。
『黒い画集 あるサラリーマンの証言』を鑑賞。
堀川弘通監督作品。脚本は橋本忍です。
うーん。残念ながらあまりいい作品ではありませんでした。
鈴木英夫監督の『黒い画集 寒流』のような脚本もカメラも緊迫感あふれるシャープな作品を期待していたのですが、『あるサラリーマンの証言』は遠く及ばないものでした。
この作品、小林桂樹演じる丸の内のサラリーマン(課長で悪くないお給料をもらっている)が部下の女性社員と浮気を隠すために、強盗殺人の容疑をかけられている実際には無実である近所の男に関し嘘の証言をする、ということを軸に話が始まるのですが、ワタシ、観ている間ずーっと、たかが浮気してたぐらいで嘘の証言をして、無実の、何の恨みもない哀れな知人を強盗殺人犯に陥れてしまうという前提自体絶対あり得んと違和感を感じずにはいられませんでした。
当時の観客はこの脚本に疑問を感じずに観るjことができたのでしょうか?
当時の価値観からみると、あり得る話なのでしょうか?
そもそも松本清張の原作がこうなのでしょうか?

まぁ、脚本がトンデモでも、作品中にいい画があれば大満足なのですが、カメラも全然シャープではなくて、がっかり。
あ、でも、裁判所で小林桂樹が「容疑者とは新大久保の道ですれ違ってなどいなく、渋谷の劇場で映画を観た」と嘘の証言をするために、愛人の女子社員が神保町に行き、キネマ旬報のバックナンバーを買って、映画の内容を勉強するところは笑えた。神保町が映っていたし。
ヤクザ(チンピラ?)役で出てくる小池朝雄がとても若くてびっくり。

もう1本の『けものみち』は、8月に同じ新文芸坐で行われた池部良特集の時観たので割愛して帰宅。

帰り道でも、『黒い画集 あるサラリーマンの証言』の脚本について「あり得ん、あり得ん」と頭の中でずーっと反芻してしまいました。

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新澤健一郎・林正樹・森泰人ライブ

大泉学園にあるジャズと地酒のお店in Fで行われた新澤健一郎さん、林正樹さん、森泰人さんのライブに行ってまいりました。

林正樹さんについては、ワタシが以前荒木一郎さんの邸宅にお邪魔した際、そこにおられていた中上太郎さんがかけていたピアノのCDがステキだったので、どなたの作品なのか伺ったところ、林正樹さんのCDで、林さんはまだ若くて天才ピアニストであると教えてくださり、それでずっとライブに行ってみたいな、と思っておりました。
新澤さんは、ワタシが荻窪のmoiでコーヒーを飲んでいたらそこに偶然やってこられて、初めてお話させていただきました(黒川紀章の話など。新澤さんは東工大大学院建築学専攻修了)。
そのお二人がピアノ・デュオをすると聞いたからには行かずにはいられません。

in Fには初めて行ったのですが、店内に入ったとたん「おでん」のとてもいい匂いがただよっていて、センスのいい本やCDが壁にいっぱいならんでいて、とってもcozyなお店でした。
店内女性のお客さんでいっぱい。
そしてライブ。
1台はピアノ、もう1台はかなりピアノに近い音を奏でるキーボード、それをピアニスト二人が交互に代わって演奏する(最初の曲では曲の途中で交代)。
うーむ。素晴しかったぁ!!
二人ピアニストのデュオでの演奏も良いし、森泰人さんのベースとのトリオもステキだし、ピアニスト一人とベースによる演奏も素晴しかった。
二人のピアニストの違いも楽しめて、その二人がかけあいながら火を噴くような演奏をするのだから痺れずにはいられません。
曲はラベル風だったり、バルトーク風だったり、プロコフィエフ風だったり、聴いたことがないようなタイプの曲だったり、スウェーデンの森の中にいるような曲だったり、しっとりとしたロマンチックな曲だったりと、色々なタイプの曲が演奏されて、どの曲も最高で、聴いていて幸福にな気持ちになり、また「ああ、ワタシはピアノを止めて良かった。ピアノはこういう天才たちに任せておけばいいんだ」と思ったり。
森泰人さんのつくった曲がこれまた良くて、暖かくて、ロマンチックで、北欧が目に浮かぶような曲なのでした。

新澤さん所有の真っ赤なスウェーデン製のキーボードの音が演奏を聴いていると、音色がピアノにかなり似ていて、指のタッチを忠実にピアノと同じように再現していて、音の残響まであるように感じられたので、値段を伺ったところ、それ程高い値段でもなので、ちょっと欲しいなと思いました(が、実際弾かせてもらうと、鍵盤のタッチはかなりキーボードチックなもので購入を断念)。

ここ最近ジャズはCDでのみ楽しんでおりましたが、やっぱり生を聴かなきゃいかん!と思い知った一夜でした。
CDでのみジャズを聴くということは、劇場に行かず家の小さなテレビモニターでDVDのみ見ていると同じようなことだと思います。
(DVDでの映画鑑賞は正確には「映画を観た」とは言えない。「映画をチェックした」だけである。)

新澤健一郎・林正樹・森泰人ライブ、最高でした!

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『ブレードランナー』『傷だらけの山河』『江分利満氏の優雅な生活』

今日はまず『ブレードランナー ファイナル・カット』を観るために新宿バルト9へ。
10時10分からの回で観ようと9時40分に劇場ロビーに着いた途端驚愕。
あまりに長い行列が出来ていてロビーは人であふれ、エレベーターから降りるのもままなりません。
結局チケットを買うのに30分強かかりました。休日にバルト9に行く場合は要注意です。
『ブレードランナー』をやっているシアターに入ると、既に本編が始まっていてスクリーンにはルドガー・ハウアーのクレジットが。
何とかタイレル社がウンヌンという説明が入る前に席に着くことができました。やれやれ。
そして、クレジットが終って映像が出てきてすぐにワタシは感動のあまり心臓が痛くなり、涙が出てきて、号泣しちゃいました。
(実は『ブレードランナー』、テレビでしかみたことがないのです。)
この作品の素晴しさについてワタシがあえて言うまでもありませんが、この劇場の施設が素晴しいこと、この素晴しい劇場で『ブレードランナー』を観ないなんて、一生の損だということを声を大にして言いたいです!
映像、音楽ともにあまりに凄いクォリティでせまってくるのです!
クヮー。
この作品、SF技術が優れていることは勿論でしょうが、カメラの動き、脚本の素晴しさ(痛いほど愛について描いている。最後のルドガー・ハウアーの神々しさよ!)、俳優たちの魅力とどれをとってもパーフェクト。
何より心を動かされたのが音楽の素晴しさです。
82年という安っぽい電子音楽が横行していた音楽不毛の時代に、これだけ壮大な音楽がつくられていたのかということを、バルト9の素晴しい音響設備によって改めて堪能しつくすことができました。
ラストはワタシが以前観たバージョンのもの(ハッピーエンド)と違いました。これはこれでいいのかなと。

とにかく感動しました。観終わった直後は、あまりに感動したので、もう『ブレードランナー』があれば他の映画なんていらないとまで一瞬思ってしまいましたよ。
皆さん、バルト9に『ブレードランナー』を観に行ってください!
11月30日までの限定公開です。

映画の後は、エスカレーターでレストラン・フロアに降りて、中野に本店があるラーメンの「青葉」に並びました。
並んでいたら、英語を話すアジア人のオジサンに話しかけられ、ヒマだったので、どこから来たのか訊いたらシンガポールとのことで、広東語を話せるか訊いたら、話せるというので、ワタシも広東語を話そうかと思ったけれどこっちは広東語すっかり忘れちゃっていて会話がなりたたないだろうと諦めて英語でずっとおしゃべり。
で新宿の青葉は、中野の青葉と同じ味でした。
一口、口に入れた途端「好食!」とオジサンと声に出してしまいました。
美味しかったー。
『ブレードランナー』と一緒に是非「青葉」のラーメンをご賞味ください!
どちらも超オススメです。

フィルムセンターに移動して、東京フィルメックスの山本薩夫特集へ。
『傷だらけの山河』を観ました。
堤康次郎がモデルである主人公を演じる山村聡が妾家に訪れる場面、この妾が笑っちゃうほど次から次と山村聡にサービス(奉仕)するのを丁寧に撮っていたり、また山村聡が出社する場面では社員が皆最敬礼で次々と出迎えたりするの撮っていたりと、山村聡の独裁者ぶりを細かく描写しております。
妾家でも料亭でも山村聡は服を脱ぐ時、脱いだ服をまるで投げるように脱ぎ捨てます。そこまでしなくてもいいだろうというぐらいオーバーに。
そんな暴君を新しい妾・若尾文子は何とアゴで使います。さすが文子タン。
この映画での若尾文子、もっとも美しく映っている作品の一つじゃなないかと思いました。
この映画、いかにも山本薩夫的な手堅い作品でした(必ずしもいい意味で言っているのではありません)。
モデルがモデルなだけにストーリーが面白いのは当然で、ストーリーの面白さを裏切らないという意味で手堅い作品でありました。カメラがどうとか、カットがどうとかそういうこととは別の次元で。
ワタシは面白く観ましたよ。特に映画ではなく小説でもいいような気がしますが。
あ、でも、若尾文子が美しかったので、やっぱりいい作品でした。

さらに新文芸坐に移動し、岡本喜八監督の『江分利満氏の優雅な生活』を鑑賞。
主人公が直木賞をとってからが観ていて結構辛かった。
まるで江分利氏と一緒に飲みに行って家にまで連れて行かれ始発まで付き合わされた若手社員の気分。
たぶん江分利氏に新珠三千代という美人妻がいるのがストーリーやプロットと矛盾していると感じてしまい最初から作品に入り込むことができず、小林桂樹が戦中派のボヤキを怪演するところでついに辛くなってしまったのだと思います。
いや、全体的には楽しめたのですけどね。
積極的に肯定できず、この映画のファンの方々、ゴメンなさい(と何故か謝っておく)。

明日は映画じゃなくてジャズを聴きに行きます。

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中川梨絵さん来場『花弁のしずく』ニュープリント上映会

以前当ブログで、劇場用フィルムがジャンクされて上映されることがなかった田中登の監督第1作目作品『花弁のしずく』を田中登ファン、中川梨絵ファンの有志でカンパしてニュープリントを焼き、ワタクシも僅かながらその運動にカンパしたことを書きましたが、(「復活花弁のしずく」のサイトhttp://www18.ocn.ne.jp/~kamiya/index.html)、本日川崎のグリソムギャングにて上映会が開催され、中川梨絵さんも来場されました。

中川梨絵さんと一緒に皆で『花弁のしずく』を鑑賞。
正直、せっかく皆でカンパしてフィルムを焼いたのにつまらない作品だったらどうしようと内心思っていたのですが、それは杞憂に終わりました。
映像は美しく重厚。
その後(細かく言うと2作目から)開花する田中登監督の才能がこの処女作に見てとれるなというのが感想です。
舞台の鎌倉をとても美しく撮っていて、中川梨絵さん演じる主人公が華道の先生ということもあり耽美的かつ硬めな典雅な世界が繰広げられていたのですが、あるシーンを境に次から次と突っ込みどころの連続になってしまい、梨絵さんもラグビーの場面から声を出して笑われ始め、高橋明登場シーンでは梨絵さんも含め場内大爆笑。
いやぁ、この高橋明にはワタシも腹をかかえて笑ってしまいました。
キャスト・ロールに高橋明の名前を確認したのに、なかなか登場しないので、どんな役でいつ出てくるんだろう?と思いつつ観ていたのですが、想像を超えた役で突然登場し、スクリーンに高橋明が登場した途端笑ってしまいました。
梨絵さんも観ながら「メイさんだー!」と後ろで声を出される始末。
そして高橋明は衝撃的なトンデモナイ行為におよび、これには更に爆笑するしかありませんでした。
その後も、トンデモナイ場面の連続に場内爆笑。
大盛り上がりで映画は終わりました。

田中登監督は恐らく観客を笑わせるつもりではなく大真面目に撮られたんだと思いますが、しかし、笑ってしまいました。
ですが、とてもいい作品でしたよ。
『花弁のしずく』、それはまぎれもなく田中登の世界そのものでした。
もう一度、いや二度三度と鑑賞したい作品だと思いました。

上映後、中川梨絵さんのトークショー。
映画で場内がとても盛り上がったこともあってか梨絵さんの舌はいつにもまして滑らかで、お話最高に面白かったです。
東宝ニューフェイス時代の話から、ロマンポルノ作品『OL日記 牝猫の匂い』に出演し、次に『花弁のしずく』に出演したというお話。
『花弁のしずく』の中で、着物が天井に向かって飛んでいく(というか落ちていく)カットがあるのですが、その着物は中川梨絵さんの私物なのだそうです(劇中梨絵さんが身に付けていた着物は衣装とのこと)。
鎌倉駅で○○○を○○されていることから、ウッとするように田中登に指示されたときはバカじゃないかと思ったと冗談めかして話されておりました。
一生忘れられないとワタシが思った犬のシーンについては、梨絵さん、覚えていないけれども、「犬は平気平気、○○○もOK!」と話されておりました。
(○○○は作品を観ればわかります)
ほか、田中登監督と神代辰巳監督の違いについても話がおよび、『恋人たちは濡れた』の撮影時のエピソードも紹介されておりました。
梨絵さんは今日初めて『花弁のしずく』ニュープリントをご覧になって(つまり35年ぶり)、今回ファンによりニュープリントが実現して本当に良かった、素晴しい作品だった、この作品には私の原点があると話され、ニュープリントにたずさわったファンの人たちに感謝の意を表されておられました。

花弁のしずく


トークショー終了後、梨絵さんを交えて懇談会というか飲み会。
梨絵さんに『OL日記 牝猫の情事』のDVDにサインしていただきました。
一緒に写真も撮っていただき、梨絵さんが女子高生だった頃俳優Oにストーカーされたエピソードや、今や俳優として活躍している歌手Iは梨絵さんが俳優をやるように勧めたという話をうかがいました。

『花弁のしずく』、作品はまだ蕾ながら田中登の魅力が詰まっていましたし、中川梨絵さんのお話は愉快でしたし、有志の方たちと楽しく交流することもでき、ニュープリント運動に参加して本当に良かったです。

今度どこかの劇場で『花弁のしずく』が上映されるときはまた観に行きます。

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『サッド ヴァケイション』

新宿武蔵野館にレディースディなので『サッド ヴァケイション』を観に行くためにエレベーターを待っていたら、オジサンに「3階に行くんですか?レイトショーですか?『サッド ヴァケイション』ですか?」と声をかけられ、怪しいヤツだと身構えたら、オジサン、「前売り券900円で買いませんか?ちゃんとした前売り券ですから」と言って、袋から前売り券を取り出し始めた。
いけないことだと思いつつ、900円でオジサンからチケット買っちゃいました。ゴメンなさい。

『サッド ヴァケイション』、北九州の皆さんの気性の荒さにビビりながら見入りました。
セリフを聞き取ろうと、神経を集中して鑑賞したのですが、劇中のセリフの7割ほどしか耳がキャッチできなかったです。
特に浅野忠信のセリフが聞き取りにくくて難儀しました。九州弁だからなのか、浅野忠信だからなのか、わかりませんけど。
あと光石研と斉藤陽一郎のやりとりもほとんど聞き取れませんでした。
肩があるハンガーのところは聞き取れたし笑えましたけど。
ちなみにワタシは映画の中のセリフを全部聞き取る必要があるとは考えてない人です。でも、この映画のセリフに関しては、全部理解したかったなぁ。
一つ一つのセリフがとても重要に思えたから。
この作品、石田えりが凄いんです。恐ろしいまでにふてぶてしくて、強くて、かつ色っぽくて。
石田えりが出てきてからは、彼女に圧倒されっぱなし。
女は怖く偉大だなぁという女性崇拝で母親崇拝。
最終的にはそれに屈する(というか守られる)しかない男達。
石田えりが言う「好きにしたらええんよ、男の人は。」が美しくもあり恐ろしくもある。

ところで、浅野忠信と豊原功補が中国人たちに襲われるシーン、飛び交ったいた言葉が北京語と広東語の両方(「ツァイチェン」と言ったり、「ファイディ、ファイディ」と言ったり)。
アチュンという男の子が話す言葉は広東語のみ(食事しながら「ホウセッ」とか言う)。
密航の中国人たちは広東省から来た人達という設定なのでしょうか?

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『TATOO<刺青>あり』

六本木シネマートのATG特集へ。
この劇場に行くのは初めて。劇場のまわりの環境、悪いなぁ。
観たのは高橋伴明監督の『TATOO<刺青>あり』。
11月18日に監督のトークショーがあるので、そちらに行きたかったのですが、スケジュールのやりくりの関係で月曜日の上映へ。
今回初めて『TATOO<刺青>あり』観ました。
映画も俳優達も青いなという感想(渡辺美佐子を除く)。
音楽のマズさにウっとなるも(宇崎竜童の歌のことじゃないよ)、82年という時代を考えると安っぽい音楽もしようがないのかしらん。
宇崎竜童がヤクザと同棲する関根恵子の部屋を訪問して、ガツンとやられて帰る場面、関根恵子が部屋のベランダの洗濯物を触り窓を閉める→関根恵子が赤い傘を手にアパートの2階から階段を下に降りる→土砂降りの中、車の前の宇崎竜童の側に行く→決裂して関根恵子がアパートの2階に戻る、までを1カットで撮っていて、カメラの動きからクレーンで撮影したようですが、なぜこのような撮り方をしたのかを監督に直接質問したかったと思いました。

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『東京オリンピック』『おんな牢秘図』『いちどは行きたい女風呂』

本日はまずシネマヴェーラにて市川崑監督の『東京オリンピック』をなべらさんと並んで鑑賞。
映画が始まってすぐ、観ていて涙が出てきました。
私の父が東京オリンピックの選手だったからではありません(先日書いたように、父は大学生の時東京オリンピックに出場しており、まぁそういうことも少しは影響しておりますが)。
これぞ映画だ、と痛く感じて涙が出てしまったのです。
この作品ほど、映画はwhatではなくhow、つまり、何を見せるかはさして重要ではなくて、どう見せるかが重要であるということを感じさせてくれる映画はありません。
(「映画はwhatでなくhow~」は鈴木並木さんによる言葉)
日本国民誰もが知っているイベント、東京オリンピックをどのように撮り、どのように見せるのか?
奇跡とも思えるような「見せ方」を大スクリーンで目にして、感動して心がヒクヒク震えました。
例えば、開会式の入場行進の場面、某国選手団の行進している姿を全体から撮ったカットの次に足のみにアップのカットに続き、観客の外国人カップルのカットにつながる。
こういったカットつなぎの妙に心が震え、カメラの素晴しさにクラクラせずにはいられません。

この作品がすばらしいのは、howが奇跡的な出来であるであることだけでなく被写体の素晴しさにあることも勿論です。
冒頭、モダニズム建築の傑作群が次々と映り(モダニズム建築ファンは悶絶すること必至)、まだ歯並びが悪かった日本人観客の笑顔がアップで映り、鍛え抜かれたアスリートたちの筋肉の躍動が望遠レンズで映し出される。
観客席にいる世にも美しい美智子妃が映り、王、長島も映る。
そうそう、円谷幸吉の走る映像を観たのは初めて。あの有名な遺書を書いた人はああいう顔でああいう姿で走っていたのかぁ、と。
(マラソンだけでなく1万メートルにも出場していたとは知りませんでした。)
女子バレーボールが優勝した瞬間、大松監督は選手のそばに行くこともなく一人ポツンとベンチに座ったまま、物悲しそうな寂しそうな表情をしているところをカメラが捉えていて、その意外とも思える表情に彼はその時何を考えていたのだろうと想像してみたり。
(つい先日シネマヴェーラで大松監督と女子バレーボール・チームを描いた『おれについてこい!』を観たばかり)
当時の政治情勢についても考えさせられるシーンが色々あり、ホッケーの決勝はインド対パキンスタンという険悪な2国間で戦われ、両チームの選手がスティックを武器のように持ちやり合う光景があったり、東西ドイツが統一チームとして出場していて、国旗は3色旗に中央に五輪マークがついたデザインのものをつかい、国歌の代わりにベートーヴェンの「歓びの歌」を流れていたり。
音楽については、チャドから来た陸上の短距離走の選手が準決勝で敗北した瞬間に流れるクールなジャズと、自転車競技の場面で流れるアップテンポのジャズがよかったです。
最後、エンドロールに流れるキャストを見ていたら、細江英公の名を発見。へーえ。
上映時間、170分。途中5分の休憩あり。

JOCのサイトに市川崑監督の『東京オリンピック』についてのインタビューがありましたのでリンクしておきます。
http://www.joc.or.jp/past_games/tokyo1964/interview/index.html

ラピュタに移動しダイニチ映配特集へ。
まず『おんな牢秘図』(1970年・大映京都)。
映画は、必死の形相のボロキレを来た女(女囚とその直後にわかる)が男たち(監視の役人)から逃げ、断崖まで追い込まれ捕えられ、砂利道の上をすまきにされた身体を引きずられ、皆が見ている中で打ち首になり、その首がさらし首になったところで『おんな牢秘図』のタイトルがバーンと出て、さらし首の髪の毛が風にたなびく画をバックにキャスト、スタッフが出るというおどろおどろしいもので始まり、こりゃ石井輝男かと思いつつ鑑賞。
この作品、石井輝男のエログロ作品に比べるとソフトではありますが、去年シネマヴェーラで観た『おんな極悪帖』(この作品にも田村正和が出ていた)に似た陰湿な雰囲気の映画で、石井輝男+『おんな極悪帖』を混ぜて2で割ったようでした。
孤島に島流しになった女囚と島に在任している悪徳役人の話ですが、出てくる人間がすべて悪人。田村正和も悪人。
女囚がリンチし合ったり、伝染病が流行ったり、役人通しが斬り合ったりします(悪いヤツしか出てこなくて、暗さで突っ切るところも『おんな極悪帖』と共通してます)。
花柳幻舟が元花魁の女囚として、めずらしく色っぽいキレイどころの役(女囚の中ではですけど)として出演。
エログロ(といっても大してエロでもグロでもないのですが)作品としては、演出が丁寧で、想像したよりもいい作品じゃないかと思いました。
フィルムは、これまであまり上映されていないのか、ピッカピカなおニューな状態でした。

次に『いちどは行きたい女風呂』(1970年・日活)。
カメラが姫田真佐久なので観に行きました。
ナンセンス・コメディなのですが、美術が凝っておりました。
主人公(浜田光夫)たちが行くクラブ(お化け屋敷みたいな内装で給仕もお化けに扮装している)とか、横尾忠則風のイラスト・ポスターとか。
劇中出てくるロシア・レストラン「ヴォルガ」も印象的でした(このレストラン、他の某作品でも観た記憶がある。が確信が持てないのでチェックしておかなきゃ)。
土方巽の暗黒舞踏団が出演していたり、劇中出てくる劇団が「家畜人プータロー」なる作品を上映する設定になっていたり、主人公の友人が便器になって外国人女性に跨れる妄想を抱いたり、横尾忠則風だったり、ナンセンス・コメディなのに妙にアングラ風なところがありました。
ゲバラという名前のかわいい犬(ハッシュ・パピーと同じバセットハウンド)が熱演しているのはよかったです(犬が出てきて、ジャズが流れる映画には甘いワタシ)。
終盤、浜田光夫と友人2人(前野霜一郎、沖雅也)が連れていた複数の犬が暴走して女風呂に入り込み、浜田光夫たちや犬たちや女風呂の客たちがワーワー・ギャーギャーとなって、ハチャメチャになっておりました。
映画が終って駅に向かう途中、オジサンになぜ犬は女風呂に入ったのか?と質問されたのですが、サービスショットを見せるため、としか答えようがなかったです。
一緒に観たHさんは「『毎度おさわがせします』的なサービスショット」と表現されてましたが、そのとおりです。
ナンセンスな作品ながら、ナンセンスとわかってやっている映画なので、真面目につくってナンセンスになってしまった『スパルタ教育 くたばれ親父』のように観ていて腹が立つということはありませんでした。

今回のダイニチ特集、ここまでのまとめ。
『盛り場流し唄 新宿の女』  ◎
『反逆のメロディー』       △+
『スパルタ教育 くたばれ親父』××
『おんな牢秘図』          ○
『いちどは行きたい女風呂』  △

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『ろくでなし』『喜劇 女は度胸』『白い指の戯れ』 『はみ出しスクール水着』

家でテレビを付けっぱなしにしていたらビートたけし主演の『張込み』が始まって、見てみると野村芳太郎監督の映画とは相当違う作品になってました。
ビートたけしと緒方直人が刑事役で、鶴田真由が張込まれる主婦の役。
映画版と違って、目的のための手段を選ばない刑事・ビートたけしと堅物の緒方直人のやりとりに重点が置かれ、ビートたけしの演技が面白いので興味深く見ていたら劇場に向かわなきゃいけない時間になり、後ろ髪ひかれながら外出。
ドラマ版『張込み』、途中まで見た感想としては、鶴田真由がミスキャストだったのと(全然所帯やつれしてない)、鶴田真由の夫が帰宅して浴衣に着替えるのがヘンとか。

そしてシネマアートンへ。
まず吉田喜重監督の『ろくでなし』。
冒頭、なんか入り込めないなぁと考えつつ観ていたら、いつのまにか寝てしまっていて目が覚めたら終盤でした。
ワタシ、映画を観ていて寝てしまうことは滅多にないですし、ちゃんと十分な睡眠をとっていたのですが。
お気に入りの川津祐介が出ているのに。

次、森崎東監督の『喜劇 女は度胸』。
チャーミングな作品でした。
ロケ地設定が素晴しいですねぇ。羽田、蒲田近辺で、大田区の下町感がなんとも。
主人公・河原崎健三の自宅の前には空港の利用客向けらしき巨大電飾広告があって、窓からは旅客機が急上昇するのが見えるんです。
街に遊びに行く時は京急に乗ってね。
この作品、音楽の付け方がよくって、たとえば家庭の話をしている時には「家路」(正確にはドボルザークの「新世界」)が流れるのですが、この「家路」が重要な意味を持つんですね。
それから、渥美清が最高で、その後渥美清が『男はつらいよ』にしか出演できなくなったのは悲劇だなと思いつつ観ました。

次に大好きな村川透監督の『白い指の戯れ』。
もう何度も劇場で観ましたけど、やっぱりいいのです。
姫田真佐久カメラマンの「パン棒人生」という本に、荒木一郎と伊佐山ひろ子、二人とも前張りをしていなくて、二人のベッドシーン(カメラが俯瞰で撮ってるシーン)を撮影していてこれは本番をしていると思ったと書いてありました。
なもので、そのシーンに注目してしまいました。

シネマヴェーラに移動して、滝田洋二郎監督の『はみ出しスクール水着』。
こりゃ、AVじゃないかぁとウンザリしつつ鑑賞。
この作品のセックスシーンはもはや映画じゃないよ。
大スクリーンで長々AV見せられたので疲れてしまいましたよ。
84年の『美少女プロレス 失神10秒前』もAVっぽいところが気になりましたが、86年の『はみ出しスクール水着』となるともうセックシーンはAVそのもの。
ほとんどカット割りせず、長廻しで行為を撮ってるだけ。しかも長い。
これじゃ人様のプライベート映像だ。
これが繰り返し繰り返されるのでホント疲れちゃいましたよ。
主人公の女子高生・素良(清里めぐみ)の家は銭湯をやっているのですが、素良の部屋の入り口ドアが女風呂の壁にあるという設定には受けました。
あと高校の廊下にブレイクダンスの練習をしている男子高校生が映ったときは噴出しちゃいました。そういう時代だったんですねぇ。

連続で映画を観て疲れているところに、最後にAVを見せられたのでボロボロになってまいました。

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『番格ロック』再び

昨日に続き、今日もまた『番格ロック』観てまいりました。
今日はせんきちさんと一緒です。

映画の前に二人でピッキーヌというタイ料理店でカレーやらトムヤンクンやらを揚げ物を食べ、よるのひるねに行き軽くアルコールを飲みながら、せんきちさん所有の貴重な古本を見せていただき、気分良くなった状態でラピュタへ移動。
上映直前には今日もまたキャロル・ファンがいっぱい来場し満席になり座布団まで出ておりました。

2回目の『番格ロック』鑑賞、今回は住所表記を読み取ることが出来ましたよ。
赤羽百人会が警察にパクられるところを陰から山内えみこが見て逃げるシーンは東池袋2-26。
アラブの鷹がシャブ付けになって、ラブホテル街を脂汗たらして歩いている場面は池袋1-116。
(池袋1-116という番地は現在なし。地図を見ると池袋1丁目ゾーンは今も風俗・ラブホテル街)
昨日、劇中出てくる映画館がロマンス通りにあるように見えると書いたのですが、それは間違いでした。西口ではなく東口にあるもよう。
劇場に向かう途中、三菱銀行池袋東口支店の裏口に面した道に山内えみこと仲間が歩いていると(向うにお城みたいな建物が見える)、子供が伝言が書かれている紙を持ってくる。だから映画館は東口と思われます。
その劇場のチケット売り場左側に貼ってあったのは『網走番外地 望郷篇』(内藤誠が助監督を務めた作品)のポスター。

ところでキャロルの出演シーンの際、劇場右側ブロック前から2列目のキャロル・ファンの方々がデジカメや携帯のカメラでスクリーンを写真撮影されていたようです。
さすがキャロル・ファンです!すごいですねぇ。

映画が終って、
ワタシ「この映画の別タイトル『女たちの挽歌』がいいと思います。」
せんきちさん「ジョン・ウーでしたね。二人でカミソリをこうやって」
と意見が一致。
まるで『狼 男たちの挽歌・最終章』なのでした。

『番格ロック』について書かれた素晴しい文章がありますので、勝手にリンクさせていただきます。
どちらも、「なるほど、おっしゃる通りです」と言いたくなる感想です。
真魚八重子さんの「アヌトパンナ・アニルッダ」
http://d.hatena.ne.jp/anutpanna/20071106
中野貴雄さんの「王子様に乗った白馬」
http://blog.livedoor.jp/n_tko/archives/50829156.html

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『スパルタ教育 くたばれ親父』『番格ロック』

今日はラピュタにて2本鑑賞。

まずダイニチ映配特集から『スパルタ教育 くたばれ親父』(1970年・日活)。
先日観た『俺の血は他人の血』があまりに救いようのない駄作だった舛田利雄監督の作品なだけに不安を感じつつも、石原裕次郎・若尾文子主演という異色の組み合わせ2大スターの共演ということで、不安80%期待20%を抱きつつ鑑賞。
ドカベンみたいな曲が流れる中、映画はスタート。
「スパルタ教育 くたばれ親父」とタイトルが出た後、スクリーンに
 パパ 石原裕次郎
 ママ 若尾文子

と出たのには驚いた。パパ、ママという役名なんだぁ。
石原裕次郎は、以前は6大学野球のエースだったものの、肩を壊して今は審判員。妻は若尾文子で二人の間に子供が5人もいて団地に住んでいる、という役柄。
裕次郎、審判員ながらも白いスーツで出勤するところが裕次郎。
若尾文子も5人の子供がいる団地妻にもかかわらず、そこにいるのはまぎれもなく若尾文子で、やつれた風に見えるけれども(年齢のせい?)、相当不自然。
この二人の子供達がとんでもないガキで、団地の中で癇癪を起こしていたずらをするのだけれど、それが度を越していて、よそ様の車の上でおしっこしたり、窓ガラスを割ったり、牛乳瓶を割ったりで、補導した方がいいぐらいなのに、裕次郎・文子夫婦はこのガキたちを放置していて、どこが「スパルタ教育」なんだ??と疑問に思いつつ観ていたら、映画がずいぶん進んでから一瞬だけスパルタとまではいかないまでも人並みに厳しく接しているシーンがあって、でもそれだけ。看板に偽りあり。
映画の冒頭、二軍の野球選手役で渡哲也が出てきて石原裕次郎に食って掛かるのですが、その姿が『仁義の墓場』なみの狂犬っぷりで観ていてオオっと喜んだのも束の間、次の場面ではいきなり改心していいアンちゃんに変わっていて、わけわからん。
渡哲也、審判に猛抗議したことで1ヶ月間出場停止を食らうのですが、同時に何故か住む場所もなくなっていて審判の裕次郎宅に居候しにくるのですが、そんなことあるわけないだろう。
そもそも審判と選手があんないベッタリ仲良くするわけないだろう。
などなど思ったり、どう見てもパパ・ママが裕次郎・文子というのは違和感あり過ぎで、しっくりしないまま観ておりましたが、それでも途中までは普通のホームドラマでした。
ところが!
夏休み、若尾文子と子供達が裕次郎の実家に遊びに行く場面から、映画は突然目を覆いたくなるような崩壊を見せ始めます。
ホームドラマだったはずなのに、いきなり暴走族のようなのが出てきて、実家をバイクで破壊し(族が家の中をバイクで走り回る!)、族は若尾さんといっしょに子供の面倒を見ていた女子高生を拉致。
しかーし、誰も警察に通報せず、暴れ狂う暴走族を一晩中静観するのみ・・・。
そしてそこに裕次郎登場。
裕次郎は棒を持って族をバッタバッタを倒します。実は、裕次郎は野球の前は剣道をやっていたのです(と、剣道の心得があることはこの場面でいきなり取って付けたように裕次郎父のセリフで説明される)。
裕次郎が族と戦う際、それを見ている若尾さん、何を言うのか思ったら、子供達に向かって「パパが勇敢に戦う姿を見ておきなさい」だって。アホか。
そしてあっさりと族に勝利した裕次郎を見て感激して涙ぐむ若尾さんのアップが映った瞬間、思わずワタクシ、スクリーンに向かって
「ふざけるな!」と汚い言葉を吐いてしまいました。

あとですね、観ていて許せないと怒りを覚えたシーンがありまして、大人(渡哲也)が子供達(小学生、もしくはそれ以下の幼児)をけしかけて、いじめっ子に復讐をさせるシーン。
子供達はグーの手で馬乗りになりつつ相手の子供を思いっきり容赦なく殴っていて、それを後ろにいる渡哲也がやれー、やれーとけしかけてるですよ。
ありえん。
いちいちゼネコンのCMが流れるのもわけわからん。

この作品のいいところも(なんとか)あげておくと、王・長島がちょっとだけ出てます。
あと、金田正一が野球解説者役で出ているのですが、「ヘボピッチャー」とか「長島は盗塁がヘタ」とか口が悪くて笑えました。
そうそう、川地民夫が端役で出ているんですよ。もったいない。

ということで、まったくもってヒドい作品でした。
映画が終った瞬間、隣で観ていた知人とワタクシ、同時に「酷い!」と声に出してしまいました。
石原裕次郎、若尾文子の2大スター、しかも川地民夫までつかってこんなヘボ映画をつくるとは、繰り返しますが「舛田利雄よ、ふざけるな!」

とあまりにヒドい作品を見せられて憤っている中、内藤誠監督の『番格ロック』を鑑賞。
場内、キャロル・ファンがたくさん来ているのか満席で補助椅子に座布団まで出ておりました。
キャロルの歌が流れる中、映画スタート。
始まってすぐ、ワタシの機嫌はすっかり良くなりました。
最初から最後まで常に一定の緊張感が走っていて、それがブレることはありません。
その緊張感は画からきていることは勿論ですが、音楽(八木正生とキャロル)と女優達のドライな演技によるところも大きいです。
特に山内えみこの眼力とクールさ。
『ネオンくらげ』『性獣学園』でも思いましたが、やっぱりこの女優さん、スゴいです。根性すわってます。
(眼飛ばしのスゴさという点では沢尻エリカ主演でリメイクしてみるといのはいかがでしょう?)
その山内えみこ、基本的に超クールなのですが彼氏(ヤクザ)の前でだけはデレデレで、彼氏に「カッチン!」とか言って甘えていて、いわゆるツンデレ・キャラです。
赤羽のスケバン対池袋のスケバンの話なので、赤羽・池袋ロケ多数で映画からもの凄いすさんだ場末感が漂っております。これがまたこの作品の魅力。
新宿が舞台だとここまでの場末感は出ませんね。
劇中、池袋・ロマンス通りにあるように映っていた映画館(東映の2番館、3番館らしき劇場)に『東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯』と『(秘)女子短大生集団妊娠』のポスターと『さそり』の写真が貼ってありました。細かい話ですが。
ワタクシ、数年前、池袋全域でドブ板営業をしてたので池袋には詳しいのですが、今日の映画に映っている場所、わからない所が多かったなぁ。すっかり変わってしまったということでしょうか。
あと、ジョニー大倉が細くてカッコよくてビックリ。
キャロルのこの映画の主題歌、とてもいいです。

『番格ロック』何度でも観たいです。
場末感、クール感が最高で、少しの隙もない一定のテンションで突き進むところが見事でした。

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『反逆のメロディー』『盛り場流し唄 新宿の女』

今日はラピュタのダイニチ映配特集で2本鑑賞。

『反逆のメロディー』(1970年・日活)。
主役の原田芳雄はジーンズ着てジープに乗っているけれど、映画の内容は高倉健や鶴田浩二の仁侠映画と同じ。
シナリオが弱い。原田芳雄の行動に一貫性が無く、自由人だったり昔気質のヤクザだったりを映画の中でコロコロ変わるので、彼のキャラクターがよくわからない。
冒頭、所属していた淡野組が解散し、夜、暗い中で組の看板を焼く場面から始まり、次にジーンズ姿で(しかも裸にジーンズ)ジープを飛ばすショットに変わり、チョッパーバイクに乗る佐藤蛾次郎やチンピラの地井武男と梶芽衣子のカップルなど出てきて藤田敏八みたいなカラっとしたドライな映画なのかと観ていたら、途中、原田芳雄と地井武男が時計を交換をする場面からものすごくウェットでベチョベチョした映画になってガッカリ。
フーテン・ルックスなのに「オレはオマエが好きだ」なんて大の男二人(しかもヤクザ)が会話しているのを見せられるなんて失笑。
最後一緒に殴り込みに行く藤竜也もよくわからない役。
地井武男は狂犬の役なのに、全然迫力ないし。
とはいえ、映像は力強く素晴しく、サックスを擁した音楽(玉木宏樹)もとてもカッコよくて、最後まで魅せてくれます。
総合してみると、なかなかのクォリティの作品なのです。

次に『盛り場流し唄 新宿の女』(1970年・日活)。
これは素晴しかった。新宿映画の傑作を見つけたと思いました。
川内康範が原作ということで、ズブズブのド演歌な物語が新宿ネオン街を舞台に藤圭子のド演歌が流れるなか繰広げられます。
おとなしい女子大生・沙知子(北林早苗)は父親が飲酒運転で人を死なせことにより背負った多額の賠償金のために新宿でホステスとして働き始めるものの、彼女を手篭めにしようとする男に狙われたり、先輩ホステスにイジメられたり苦難の日々。
そんな中、同じ夜の街で働く紳士的な男・藤竜也が登場し、彼女の相談相手となり、二人は互いに好意を持ちます。
しかし、多額の賠償金を抱える沙知子にはさらなる苦難に襲われるのです・・・。
とまぁ、一人の純情な女性が辛酸を舐め、男と出会い別れ、一人前のホステスになるまでを描いたお話です。
北林早苗は、彼女の人気をねたんだ先輩ホステスによって衣装に赤いマニュキアをかけられるのですが、マニュキアをかけられて呆然とした瞬間、藤圭子の「ここは新宿なみだ街~♪ ここは新宿うその街~♪」という熱唱が流れます。
映画のいい場面で藤圭子の怨念に満ちたド迫力の歌が繰り返し流れるのですが、藤圭子自身も歌流しの歌手の役で何度も出てきます。歌う姿だけでなく、セリフもちょっとありました。
この作品、これまで観たどの映画にも増して新宿の昼夜の景色満載で、新宿駅西口、廃線になった都電跡、歌舞伎町、建設中の高層ビルが後ろに見える西新宿、大ガード、ハルク裏の現在エルタワーがある辺りの歩道橋、小田急百貨店と京王百貨店の間の通路(現在はモザイク通り)などなど映っていて、新宿の街並みを見るためだけでもこの映画を見る価値があります。
中でも、新宿の街を一望できる回転するスカイ・ラウンジのシーンがあって、スクリーンに映る窓の外の景色に目をこらすと八千代銀行(新宿5丁目近辺)の看板が見えたりするのですが、70年当時新宿に回転スカイ・ラウンジがあったとは。
いったいどこにあったのでしょう?ご存知の方がいらしたら、教えてくださいませ。
藤竜也が勤めるクラブの内装が原色を多用したつくりで、ぶら下がっているランプシェードなども含めて強烈に70年代を匂わせておりました。
それから、北林早苗と藤竜也はビルの中らしき喫茶店の窓際のカウンターに座って話しているシーン、二人の目の前の窓ガラス越しに大降りの雨模様が見えて、ここが何とも雰囲気がありました。
ラピュタの作品解説では山本陽子の名前が一番最初にきているのですが、主演は北林早苗で、山本陽子は北林早苗の友人ホステス役。
山本陽子はとことん男運のない不幸な女性で、彼女にまつわるお話は映画の中ではエピソード的な扱いです。
大信田礼子は北林早苗の妹役で、家の不幸を背負った暗い北林早苗とは対照的に明るくてドライな性格。『スベ公』シリーズの時とセリフ回しは大して変わりませんが、『スベ公』より顔がパンパンに見えます。
藤竜也はいつものヒゲがなく、終盤あっと驚く姿になります(この時笑い出しそうになってしまった)。
あとホステスのスカウト役で小松政夫が出ているのですが、とても若くてびっくり。
とにかくこの作品、時代を閉じ込めたような作品で、70年代初めの新宿の街を見ているだけでも、お腹いっぱいになります。
日活作品というより東映東京っぽいなとも思いました(『ネオンくらげ』とかのね)。
辛酸を舐めた女が強くなり覚悟を決め新宿の雑踏を歩いていく姿は感動的でもありました。
プリント状態はとても良好(劇場でかかる機会があまり無かった?)。

ということで、今日観たダイニチ映配作品2本は両方とも日活作品。
どちらも水準の高い作品で、翌年ロマンポルノとして姿を変えながらも作家性の高い作品をつくり続けた日活という会社の力を感じさせる作品でありました。

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『銀嶺の果て』『盗まれた欲情』『一刀斎は背番号6』『おれについてこい!』

本日はまずシネマアートンで谷口千吉監督の『銀嶺の果て』を鑑賞。
谷口千吉監督は10月29日に亡くなったばかりですが、訃報を聞いて観に行ったのではなく、雑誌「ユリイカ」の川島雄三特集に川島雄三が谷口千吉に直接『銀嶺の果て』を褒めている座談会が掲載されていて、前から川島が評価した作品を観てみたいと思っていて観に行ったわけです。
(参照http://ssbs.blog36.fc2.com/blog-entry-275.html
谷口千吉は川島雄三より6つ年長なのです。
場内ご老人で8割の入り。最前列のおじいちゃん達が、上映中も終始結構大きな声でしゃべるのには参った。うるさ過ぎる。近くの人、なぜ注意しない?しかもこのおじいちゃん、上映中2度もスクリーンの前で立ち上がってトイレに行ったりして。
音楽が伊福部昭なのですが『ゴジラ』や『蜘蛛の街』とほぼ同じ、独特の変拍子で打楽器をガンガンドンドン鳴らし、それに合わせて弦楽器をドシラ、ドシラと弾かせる音楽。
代わり映えしないうるさい音楽には正直ウンザリ。
この作品は谷口監督の初監督作品であるだけでなく、伊福部昭にとっては初映画音楽であり、三船敏郎の映画初出演作なのでそう。
三船敏郎、とてもこれが初出演には見えません。すごい迫力。
前半はサスペンス、中盤は雪山を舞台にアクション、終盤は志村喬の人情劇といった作品でありました。
ちなみに『銀嶺の果て』がワタシが今年劇場で観た200本目の映画です。

次に今村昌平監督の『盗まれた欲情』。
セリフの7割ぐらいしかヒアリングすることができませんでした。

シネマヴェーラに移動して場内に入ると、パレーボールの三屋裕子氏と館主の内藤篤氏がトークショーをしておりました。
三屋さん、座っているときは普通なのですが、立つととても背が高くてスラっとした方でした。

まず『一刀斎は背番号6』。
プリントがピカピカな状態なのは、これまで劇場で全然かかっていないからでしょう。
あちゃちゃちゃ。コメントのしようもない作品だなぁ、これは。
春川ますみが出ているのが意外でした。
この映画の上映中も、お年を召した観客2名がずーっとしゃべっていて、うるさくて困った。
どうでもいい映画だったから我慢できたけど、いい映画だったら怒りますよ。
年寄りにはマナーがないのか?上映中しゃべくるのが普通なのか?
周り人、注意してくれればいいのに。
さすがに次の『おれについてこい!』の上映前に、劇場が私語を慎むようアナウンスしておりました。

『おれについてこい!』。
東京オリンピックの女子バレーボール・チームが金メダルを獲得するまでを描いたスポ根映画で、オリンピック翌年の1965年に製作されております。
堀川弘通は出来るだけ観ていこうと思っている監督です。
コミカルな映画だと思い込んでいたのですが、大真面目なスポ根ものでした。
大松監督(ハナ肇)の奥さん(草笛光子)の友達役で淡島千景が出演してました。
最後の、オリンピック決勝・ソ連戦に向かう前にハナ肇がげん担ぎにタバコを吸うシーンは、映画史に残る喫煙シーンといえましょう。
実はワタシの父は大学生の時、選手として東京オリンピックに出場しておりまして、ワタシの家には例の開会式の日本選手団の赤いジャケットに白いスラックスのユニフォームとか、今日の映画にも出てきた胸にNipponと書かれた赤いジャージなどがあるのですが、ワタシの家では東京オリンピックに出場したということは父親本人以外の人は誰も評価する雰囲気がなくて、逆にオリンピックの話は過去の栄光として軽んじられる傾向にあったものですから、ワタシはこれまで東京オリンピックに対しまったく興味が無かったのですが、今日『おれについてこい!』を観て俄然興味がわいてきました。
映画に映っている風景は父のアルバム写真に写っているものと重なっていましたし、当時のモダニズム建築を知るという観点でも見逃せないイベントだと思います。
(同じく65年公開の石井輝男監督の『顔役』もオリンピック・モダニズム建築を楽しめる作品です。)

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『東京の瞳』『小さなスナック』『落葉とくちづけ』

午後、有給休暇をとって神保町シアターで若尾文子目当てで『東京の瞳』を鑑賞。
1958年、田中重雄監督作品です。
若尾文子はまだ前歯がすきっ歯な頃です。
ホンダの工場に勤める川口浩とホンダの社長令嬢の若尾文子のカップルを中心に山本富士子、船越英二も絡めつつお話が繰広げられるのですが、なんと若尾さん、社長令嬢にもかかわらず工場の社員食堂の賄い婦として働いているのです。
ホンダが自動車部門に進出するのは63年だそうで、映画がつくられた当時はまだバイクの会社なのですが、社長令嬢が賄いをつくるとは流石ホンダです。
田宮二郎(当時は柴田吾郎を名乗っていた)が若尾文子のハワイ帰りの気取ったフィアンセ役で登場してました。
矛盾点があったり(特に驚いたのが船越英二が鍋の用意をして山本富士子を自宅で待っているくだり)、ご都合主義的だったり、相当いい加減な脚本で、1時間28分の作品なのですが更に長く感じました。
銀座の街並みが映っているのですが、これまで見たどの作品よりも森永キャラメルの地球型広告塔を長いショットで撮っていて、カラーであの地球が回転するのをずーっと見られるのは貴重かと思います。
有楽町そごうなども映っておりました。

池袋に移動し、新文芸坐の「GS〈グループサウンズ〉映画40周年記念特集」へ。
GSにはまったく興味ありませんが、今日は藤岡弘主演作の2本立て。
藤岡弘のとりこのワタシは嬉々として参上。

『小さなスナック』(1968年・松竹。斎藤耕一監督)
パープル・シャドウズのヒット曲「小さなスナック」に合わせて、スナックで出会った藤岡弘と尾崎奈々の悲恋話。
この曲、ワタシも知っている曲でした。
当時22歳の藤岡弘のモミアゲはまだ短く、身体も細くてヒョロヒョロしていて、『野獣狩り』で男臭さを撒き散らしたセクシー・ダイナマイトぶりはまだまだ開花しておりません。
とは言え、あの低音ボイスは十分セクシーで、映画が始まってしばらくの間カメラは仲間のみを映し、藤岡弘は後姿しか見えないのですが、声で藤岡弘の存在に気付きます。
相手役の尾崎奈々がとてもキュート。
二人が海辺で抱きあったりキスしたりするシーンが妙にイヤラしかったです。
この作品、時制が混乱していて、二人の回想のようなモノローグが終始流れるのですが、このモノローグがいつの時点で話されているものなのか不明で、観客を混乱させるもととなってました。
ジュディ・オングが出演していて、「全学連」という言葉を発したのにはちょっとビックリ。

次に『落葉とくちづけ』(1969年・松竹、同じく斎藤耕一監督)。
かなりレベルの高い魅力的な作品でした。
藤岡弘は田舎から東京に出てきた漫画家を目指す純朴を通り越して愚かな青年。
藤岡弘が描いた漫画という設定のイラストが劇中多用されていて、この昔懐かしいメルヘンなイラストが何とも愛らしくて魅力的で、幻想的でかわいらしい映像と(特に落葉の場面)、随所に流れるヴィレッジ・シンガーズによる音楽とが見事にマッチしてました。
生計のため藤岡弘はペンキ職人をしているのですが、藤岡弘と尾崎奈々が街中に白ペンキを塗る場面、最初ポップな感じでしたが、郵便ポストや電話ボックスまでどんどん白ペンキを塗って、最後見渡す限り真っ白になってしまい、ちょっとシュールな感じでした。
ヴィレッジ・シンガーズのロマンチックな歌もいいし(「亜麻色の髪の乙女」も流れましたよ)、ユーモアもあるし、ポップでかわいらしい作品なのですが、不思議な余韻というか謎を残す作品でした。
藤岡弘は『小さなスナック』同様まだセクシーになる前の姿。女性の母性本能をくすぐるために生まれてきたような青年を好演しておりました。
尾崎奈々はスタイルもいいしカワイイのだけれど、あの頭はカツラなんじゃないかと。
ヴィレッジ・シンガーズ時代の林ゆたかを初めて見ました。ドラム担当だったのですね。
山本リンダも一瞬出てました。
メルヘン男がストーカーする話なのに、こんなにかわいらしく愛らしい作品に仕上がっているのは、童貞キャラを好演した藤岡弘の魅力の賜物だと思いました。

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ミシェル・ルグラン来日公演

就業後、渋谷へ。と言っても行き先はシネマヴェーラではありません。
オーチャード・ホールでの「ミシェル・ルグラン&グランド・オーケストラ 生誕75周年記念ジャパン・ツアー2007」に行くためです。
チケット買ってから7ヶ月。やっとこの日が来たぁ。
場内のお客さんの年齢層は結構高いです。ワタシの親世代が多いなぁ。
いつもシネマヴェーラなどで見かける男性映画ファンの方を一人発見いたしました。
開演前にプログラム(1000円)を購入。

時間になりオーケストラの団員が舞台に上がり、そしてムッシュ・ミシェル・ルグラン登場。流暢な英語でご挨拶。
ルグランの姿は「題名のない音楽会」で見たとおりです。
それほど大きくはありません。
1曲目はルグランが指揮をしてオーケストラで「三銃士」。
ワタシ、コンサートで映画音楽のオーケストラ演奏を聴くのは初めてでして(普段は純粋なクラシック)、どんなもんだろうと思いつつ聴いておりました。
1曲目が終わり客席に開演に間に合わなかったお客さんが入ってくるのを見て、ルグラン、「sit down,sit down」と言って笑いを誘っておりました。
そしてルグラン、ピアノの前に座り「ブライアン・ソング」「サマー・ミー、ウィンター・ミー」をオーケストラと演奏。もう、ルグラン、めちゃくちゃピアノうまいの。クラシックのピアニストでも70歳を過ぎるとテクニック的にはヨロヨロしてくる人が多いけれども、ルグランの超絶技巧のピアノにはまったく衰えてなく輝いていて感嘆いたしました。そんなルグランのピアノに集中して聴きたかったのですが、ドラムの音が大きくてピアノの音が聞こえづらかったのが少し残念。
ヴォーカルのクミコさんが登場。
クミコさんとオーケストラで、舞台『壁抜け男』からの「オーディナリー・マン」を演奏。これは初めて聴く曲。日本語歌詞の歌でした。
クミコさん、お話するときの声はえらくハスキーなのですが、歌いだすと声量ある美声でそのギャップにびっくり。
次にルグランのピアノ伴奏でクミコさんが「リラのワルツ」を歌いました。
とてもムーディな曲で、途中からルグランがピアノを弾きながらスキャットでクミコさんとデュエットし出した時には、あまりの素晴しさに鳥肌が立ちました。ルグランのスキャットする声は晩年のチェット・ベイカーのスキャットと重なるところがあって、歌手ではないから凄い美声というわけではないのだけれども、何とも枯れたような味があって素晴しいのです。
クミコさんは2曲歌って袖に入り、今度はルグランがフランス語で「マイ・ラスト・コンサート」を熱唱。ルグランの声、味があって素晴しいです。
次に「おもいでの夏」(「おもいでの夏」のDVD買ったけどまだ見てないわ)。前半オーケストラ無しでピアノを弾きながらルグランがロマンチックに歌い、後半、ハープ奏者のカトリーヌ・ミシェルさんが登場し、ルグランは指揮をしてオーケストラとソロ・ハープで演奏。
カトリーヌさんのハープが見事で、プログラムによるとカトリーヌさんはパリ・オペラ座の第1ハープ奏者だった方で現在はチューリッヒ音楽院の教授なんだそうです。
次にカトリーヌさんのハープとオーケストラとルグランのピアノで「愛のイエントル」。
この曲はハープ協奏曲といった趣で演奏時間も長いし、曲の楽章のように何パターンかに分かれていて、途中ジャズになってカトリーヌさんがジャズのリズムでハープを奏でたり(カトリーヌさん、かなりスイングしてました。ハープでジャズを演奏するのを聴いたのは初めて)、リズム・セクションがボレロになったりとお腹いっぱいになる曲です。
ここまでで前半終了。

後半はルグランのピアノと歌で「これからの人生」からスタート。
この曲大好きなんです。英語の歌詞のルグランもいい。
次にオーケストラで「ジャン=ポール=ラブノー組曲」。
これはルグランとラブノーが組んだ映画3作品「城の生活」「コニャックの男」「うず潮」からなる組曲。
ルグランが「美しき愛のかけら」が歌い、そしてクリスチャンヌ・ルグラン登場。
クリスチャンヌさんはルグランのお姉さんで、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」でカトリーヌ・ドヌーブの吹き替えを歌った人ですね。
小柄な方で、髪の毛があるせいかルグランよりかなり若く見えます。
ルグラン姉弟で「世紀末の香り」(『愛と哀しみのボレロ』の挿入歌)「君に捧げるメロディー」をデュエット。
次にお待ちかね、ルグランのピアノ、クリスチャンヌさんの歌で「ロシュフォール・メドレー」。
ああ、ドヌーブの歌のまんまだぁと(吹き替えで歌ったのだから当たり前ですが)。
来年『ロシュフォールの恋人たち』はリバイバル上映をひかえておりますので、楽しみです。
そして一番のクライマックス。
オーケストラをバックにルグラン姉弟が「シェルブールの雨傘」を熱唱。ワタクシ、オーケストラ演奏が始まった瞬間不覚にも泣いてしまいました。ウウッ。
もうドヌーヴの声がそこにあって歌っているのですよ。二人の歌の掛け合に心を動かされずにはいられません。
ラストはルグランの弾き語りで「風のささやき」(『華麗なる賭け』より)。
ルグランの超絶技巧のピアノとジャズのセンスに圧倒される曲した。
ルグラン、声は少し枯れ気味で味わい深く、ピアノのテクニックは衰えることなく完璧で少しもあやしいところはありません。パーフェクトです。
ワタシはプロのピアニストを目指していたので、人様のピアノ演奏についてはとても辛く、CDでは素晴しいと思ってもコンサートに聞きに行くとガッカリしてしまうことが多いのですが、ルグランの生の演奏は録音物より更にすばらしく冴え渡っておりました。
そのピアノに枯れ気味のヴォーカルが重なり、弾き語りをするんだから堪りません。
演奏が終わり場内観客拍手喝さい。立って拍手している人たちも。
ルグランにプレゼントの紙袋を渡した観客がいたのですが、ルグランさん、ステージ上からその紙袋の中身が見えるよう観客に開いて見せ、頭を紙袋に突っ込む仕草までしてみせ笑いをとっておりました。
彼のおどけるように演奏する姿や、華麗なピアノのテクニックや、滑稽な仕草は、歳をとってオジイサンになったものの『5時から7時までのクレオ』でのルグランとまったく同じなのでした。
映画の中のルグランと同様、ステージ上でもよく喋り、とっても愛想がいいのです(フランス人なのに)。

アンコールはルグラン姉妹とハープのカトリーヌ・ミシェルさんで演奏(曲名がわかりませんでした)。
アンコールの曲も終わっても全然拍手が鳴り止まず、何度もルグランがステージに出ておじぎをしてやっと終了。

それにしてもルグラン、ピアノうまかったなぁ。75歳なのに。
ルグランは「ルグラン・ジャズ」などのアルバムで聴いた印象よりずっと本物のジャズ・ピアニストであり、超絶技巧の持ち主でした。

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プロフィール

 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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