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ミシェル・ルグラン来日公演

就業後、渋谷へ。と言っても行き先はシネマヴェーラではありません。
オーチャード・ホールでの「ミシェル・ルグラン&グランド・オーケストラ 生誕75周年記念ジャパン・ツアー2007」に行くためです。
チケット買ってから7ヶ月。やっとこの日が来たぁ。
場内のお客さんの年齢層は結構高いです。ワタシの親世代が多いなぁ。
いつもシネマヴェーラなどで見かける男性映画ファンの方を一人発見いたしました。
開演前にプログラム(1000円)を購入。

時間になりオーケストラの団員が舞台に上がり、そしてムッシュ・ミシェル・ルグラン登場。流暢な英語でご挨拶。
ルグランの姿は「題名のない音楽会」で見たとおりです。
それほど大きくはありません。
1曲目はルグランが指揮をしてオーケストラで「三銃士」。
ワタシ、コンサートで映画音楽のオーケストラ演奏を聴くのは初めてでして(普段は純粋なクラシック)、どんなもんだろうと思いつつ聴いておりました。
1曲目が終わり客席に開演に間に合わなかったお客さんが入ってくるのを見て、ルグラン、「sit down,sit down」と言って笑いを誘っておりました。
そしてルグラン、ピアノの前に座り「ブライアン・ソング」「サマー・ミー、ウィンター・ミー」をオーケストラと演奏。もう、ルグラン、めちゃくちゃピアノうまいの。クラシックのピアニストでも70歳を過ぎるとテクニック的にはヨロヨロしてくる人が多いけれども、ルグランの超絶技巧のピアノにはまったく衰えてなく輝いていて感嘆いたしました。そんなルグランのピアノに集中して聴きたかったのですが、ドラムの音が大きくてピアノの音が聞こえづらかったのが少し残念。
ヴォーカルのクミコさんが登場。
クミコさんとオーケストラで、舞台『壁抜け男』からの「オーディナリー・マン」を演奏。これは初めて聴く曲。日本語歌詞の歌でした。
クミコさん、お話するときの声はえらくハスキーなのですが、歌いだすと声量ある美声でそのギャップにびっくり。
次にルグランのピアノ伴奏でクミコさんが「リラのワルツ」を歌いました。
とてもムーディな曲で、途中からルグランがピアノを弾きながらスキャットでクミコさんとデュエットし出した時には、あまりの素晴しさに鳥肌が立ちました。ルグランのスキャットする声は晩年のチェット・ベイカーのスキャットと重なるところがあって、歌手ではないから凄い美声というわけではないのだけれども、何とも枯れたような味があって素晴しいのです。
クミコさんは2曲歌って袖に入り、今度はルグランがフランス語で「マイ・ラスト・コンサート」を熱唱。ルグランの声、味があって素晴しいです。
次に「おもいでの夏」(「おもいでの夏」のDVD買ったけどまだ見てないわ)。前半オーケストラ無しでピアノを弾きながらルグランがロマンチックに歌い、後半、ハープ奏者のカトリーヌ・ミシェルさんが登場し、ルグランは指揮をしてオーケストラとソロ・ハープで演奏。
カトリーヌさんのハープが見事で、プログラムによるとカトリーヌさんはパリ・オペラ座の第1ハープ奏者だった方で現在はチューリッヒ音楽院の教授なんだそうです。
次にカトリーヌさんのハープとオーケストラとルグランのピアノで「愛のイエントル」。
この曲はハープ協奏曲といった趣で演奏時間も長いし、曲の楽章のように何パターンかに分かれていて、途中ジャズになってカトリーヌさんがジャズのリズムでハープを奏でたり(カトリーヌさん、かなりスイングしてました。ハープでジャズを演奏するのを聴いたのは初めて)、リズム・セクションがボレロになったりとお腹いっぱいになる曲です。
ここまでで前半終了。

後半はルグランのピアノと歌で「これからの人生」からスタート。
この曲大好きなんです。英語の歌詞のルグランもいい。
次にオーケストラで「ジャン=ポール=ラブノー組曲」。
これはルグランとラブノーが組んだ映画3作品「城の生活」「コニャックの男」「うず潮」からなる組曲。
ルグランが「美しき愛のかけら」が歌い、そしてクリスチャンヌ・ルグラン登場。
クリスチャンヌさんはルグランのお姉さんで、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」でカトリーヌ・ドヌーブの吹き替えを歌った人ですね。
小柄な方で、髪の毛があるせいかルグランよりかなり若く見えます。
ルグラン姉弟で「世紀末の香り」(『愛と哀しみのボレロ』の挿入歌)「君に捧げるメロディー」をデュエット。
次にお待ちかね、ルグランのピアノ、クリスチャンヌさんの歌で「ロシュフォール・メドレー」。
ああ、ドヌーブの歌のまんまだぁと(吹き替えで歌ったのだから当たり前ですが)。
来年『ロシュフォールの恋人たち』はリバイバル上映をひかえておりますので、楽しみです。
そして一番のクライマックス。
オーケストラをバックにルグラン姉弟が「シェルブールの雨傘」を熱唱。ワタクシ、オーケストラ演奏が始まった瞬間不覚にも泣いてしまいました。ウウッ。
もうドヌーヴの声がそこにあって歌っているのですよ。二人の歌の掛け合に心を動かされずにはいられません。
ラストはルグランの弾き語りで「風のささやき」(『華麗なる賭け』より)。
ルグランの超絶技巧のピアノとジャズのセンスに圧倒される曲した。
ルグラン、声は少し枯れ気味で味わい深く、ピアノのテクニックは衰えることなく完璧で少しもあやしいところはありません。パーフェクトです。
ワタシはプロのピアニストを目指していたので、人様のピアノ演奏についてはとても辛く、CDでは素晴しいと思ってもコンサートに聞きに行くとガッカリしてしまうことが多いのですが、ルグランの生の演奏は録音物より更にすばらしく冴え渡っておりました。
そのピアノに枯れ気味のヴォーカルが重なり、弾き語りをするんだから堪りません。
演奏が終わり場内観客拍手喝さい。立って拍手している人たちも。
ルグランにプレゼントの紙袋を渡した観客がいたのですが、ルグランさん、ステージ上からその紙袋の中身が見えるよう観客に開いて見せ、頭を紙袋に突っ込む仕草までしてみせ笑いをとっておりました。
彼のおどけるように演奏する姿や、華麗なピアノのテクニックや、滑稽な仕草は、歳をとってオジイサンになったものの『5時から7時までのクレオ』でのルグランとまったく同じなのでした。
映画の中のルグランと同様、ステージ上でもよく喋り、とっても愛想がいいのです(フランス人なのに)。

アンコールはルグラン姉妹とハープのカトリーヌ・ミシェルさんで演奏(曲名がわかりませんでした)。
アンコールの曲も終わっても全然拍手が鳴り止まず、何度もルグランがステージに出ておじぎをしてやっと終了。

それにしてもルグラン、ピアノうまかったなぁ。75歳なのに。
ルグランは「ルグラン・ジャズ」などのアルバムで聴いた印象よりずっと本物のジャズ・ピアニストであり、超絶技巧の持ち主でした。
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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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