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『ブレードランナー』『傷だらけの山河』『江分利満氏の優雅な生活』

今日はまず『ブレードランナー ファイナル・カット』を観るために新宿バルト9へ。
10時10分からの回で観ようと9時40分に劇場ロビーに着いた途端驚愕。
あまりに長い行列が出来ていてロビーは人であふれ、エレベーターから降りるのもままなりません。
結局チケットを買うのに30分強かかりました。休日にバルト9に行く場合は要注意です。
『ブレードランナー』をやっているシアターに入ると、既に本編が始まっていてスクリーンにはルドガー・ハウアーのクレジットが。
何とかタイレル社がウンヌンという説明が入る前に席に着くことができました。やれやれ。
そして、クレジットが終って映像が出てきてすぐにワタシは感動のあまり心臓が痛くなり、涙が出てきて、号泣しちゃいました。
(実は『ブレードランナー』、テレビでしかみたことがないのです。)
この作品の素晴しさについてワタシがあえて言うまでもありませんが、この劇場の施設が素晴しいこと、この素晴しい劇場で『ブレードランナー』を観ないなんて、一生の損だということを声を大にして言いたいです!
映像、音楽ともにあまりに凄いクォリティでせまってくるのです!
クヮー。
この作品、SF技術が優れていることは勿論でしょうが、カメラの動き、脚本の素晴しさ(痛いほど愛について描いている。最後のルドガー・ハウアーの神々しさよ!)、俳優たちの魅力とどれをとってもパーフェクト。
何より心を動かされたのが音楽の素晴しさです。
82年という安っぽい電子音楽が横行していた音楽不毛の時代に、これだけ壮大な音楽がつくられていたのかということを、バルト9の素晴しい音響設備によって改めて堪能しつくすことができました。
ラストはワタシが以前観たバージョンのもの(ハッピーエンド)と違いました。これはこれでいいのかなと。

とにかく感動しました。観終わった直後は、あまりに感動したので、もう『ブレードランナー』があれば他の映画なんていらないとまで一瞬思ってしまいましたよ。
皆さん、バルト9に『ブレードランナー』を観に行ってください!
11月30日までの限定公開です。

映画の後は、エスカレーターでレストラン・フロアに降りて、中野に本店があるラーメンの「青葉」に並びました。
並んでいたら、英語を話すアジア人のオジサンに話しかけられ、ヒマだったので、どこから来たのか訊いたらシンガポールとのことで、広東語を話せるか訊いたら、話せるというので、ワタシも広東語を話そうかと思ったけれどこっちは広東語すっかり忘れちゃっていて会話がなりたたないだろうと諦めて英語でずっとおしゃべり。
で新宿の青葉は、中野の青葉と同じ味でした。
一口、口に入れた途端「好食!」とオジサンと声に出してしまいました。
美味しかったー。
『ブレードランナー』と一緒に是非「青葉」のラーメンをご賞味ください!
どちらも超オススメです。

フィルムセンターに移動して、東京フィルメックスの山本薩夫特集へ。
『傷だらけの山河』を観ました。
堤康次郎がモデルである主人公を演じる山村聡が妾家に訪れる場面、この妾が笑っちゃうほど次から次と山村聡にサービス(奉仕)するのを丁寧に撮っていたり、また山村聡が出社する場面では社員が皆最敬礼で次々と出迎えたりするの撮っていたりと、山村聡の独裁者ぶりを細かく描写しております。
妾家でも料亭でも山村聡は服を脱ぐ時、脱いだ服をまるで投げるように脱ぎ捨てます。そこまでしなくてもいいだろうというぐらいオーバーに。
そんな暴君を新しい妾・若尾文子は何とアゴで使います。さすが文子タン。
この映画での若尾文子、もっとも美しく映っている作品の一つじゃなないかと思いました。
この映画、いかにも山本薩夫的な手堅い作品でした(必ずしもいい意味で言っているのではありません)。
モデルがモデルなだけにストーリーが面白いのは当然で、ストーリーの面白さを裏切らないという意味で手堅い作品でありました。カメラがどうとか、カットがどうとかそういうこととは別の次元で。
ワタシは面白く観ましたよ。特に映画ではなく小説でもいいような気がしますが。
あ、でも、若尾文子が美しかったので、やっぱりいい作品でした。

さらに新文芸坐に移動し、岡本喜八監督の『江分利満氏の優雅な生活』を鑑賞。
主人公が直木賞をとってからが観ていて結構辛かった。
まるで江分利氏と一緒に飲みに行って家にまで連れて行かれ始発まで付き合わされた若手社員の気分。
たぶん江分利氏に新珠三千代という美人妻がいるのがストーリーやプロットと矛盾していると感じてしまい最初から作品に入り込むことができず、小林桂樹が戦中派のボヤキを怪演するところでついに辛くなってしまったのだと思います。
いや、全体的には楽しめたのですけどね。
積極的に肯定できず、この映画のファンの方々、ゴメンなさい(と何故か謝っておく)。

明日は映画じゃなくてジャズを聴きに行きます。
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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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