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『炎上』『ぼんち』『処刑の部屋』

市川崑監督逝去後の休日、神保町シアターの市川崑特集は絶対混むと予想し、朝早く劇場に行き整理番号を取り、それから新宿伊勢丹に移動。
地下1階のジャン=ポール・エヴァンで早めの昼ごはん。
ジャン=ポール・エヴァン

化粧品売り場でホワイトニング用品を高額購入し、再度神保町へ。

1本目の『日本橋』は2006年3月に国際交流基金の「巨匠が描いた花街の女たち」という特集で観ているので(英語字幕が入っていた)今回は割愛。
2本目の『炎上』から鑑賞。
『炎上』、フィルム状態悪いですね。フィルム状態というかオリジナルのネガの状態が悪い感じ。
市川雷蔵のオーラのなさ(オーラの消し具合)に感心。
ソウルで起きたばかりの南大門放火事件のことなんか思い出しました。事件のバックグラウンドは全然違うのですが。

次に『ぼんち』。
この作品は数年前に新文芸坐で観ていて大好きな作品。
山田五十鈴、若尾文子、中村玉緒、京マチ子といった女優たちの共演を観るのは本当に楽しいです。
特にあのお風呂のシーン。
豪華な女優陣の中を泳ぐ市川雷蔵のキャラクターや生き方が某氏にそっくりで、観ていてほくそ笑んでしまいました。愛すべきキャラクターであります。

最後に『処刑の部屋』。
この作品になると満席だった劇場が急に半分の入りになりました。
川口浩演じる大学生が若尾文子演じる女子大生に睡眠薬を盛りレイプする、というストーリーで、出来があまりよろしくない作品だという前知識はあったのですが、いやぁ、覚悟していた以上に不快な作品でありました。
川口浩が宮口精二演じる銀行員の父親に尊大な態度をとる冒頭から不快さ満点で、さすがは石原慎太郎原作だと思い、挙句の果てに、若尾文子がレイプした川口浩にベタ惚れし川口浩を追いかけるのを観て、呆れるを通り越して石原慎太郎が何十年と首尾一貫してマッチョ主義を貫き通していることに感心さえいたしました。
と言ってもこの作品の原作を読んでおりませんので、石原慎太郎の原作についてあれこれ言う権利はないのですが。
劇場の作品解説には「原作には無い主人公の家庭のやりきれなさが秀逸」と書いてあります。
同じレイプ→女が強姦魔の惚れる、というストーリーでも『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』は愛らしい作品で、主人公に母性本能すら感じてしまうのに対し、『処刑の部屋』だと嫌悪感しか感じないのは(川口浩はルックスがいいにもかかわらず)、石原慎太郎的尊大さがにじみ出ているからでしょうか。
いくらルックスが良くても(石原慎太郎のルックスがよくても)、ああいう精神的マッチョ男は女にモテないですよ。女は優しさとか弱さを垣間見せる男に弱いものです。わかってないなぁ。
あ、話がズレました。
『処刑の部屋』、映画的にも特にどうこう云うべきところはなかったなぁ。
女学生役の若尾文子、化粧が薄くて(ノー・メイク風)、ポッチャリしていて、可愛かったですけれど。

学生主催のダンス・パーティやナンパしてレイプまがいで女性をモノにしようとするエピソードがあるストーリーだと映画『処刑の部屋』を観るより荒木一郎の小説「ありんこアフター・ダーク」を読んだ方がずーっと面白いです。時代的には『処刑の部屋』の方が10年ぐらい前なのですが。

調べてみると石原慎太郎原作の映画って、多いですね。
勿論、石原慎太郎が原作だから全部嫌いということはなくて、『接吻泥棒』は好きですね。これも慎太郎的なところもあるっちゃあるんだけど、全然イヤな感じはしないです。
そうそう、石原慎太郎原作・主演、鈴木英夫監督作品『危険な英雄』の上映を昨年見逃したのが心残り。脚本が須川栄三。どこかの劇場で鈴木英夫特集、またやってくれないかしら。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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