ジャック・リヴェット『美しき諍い女』
2008 / 03 / 21 ( Fri )
ユーロスペースのフランス映画祭、ジャック・リヴェット監督の『美しき諍い女』を鑑賞。
観終わった瞬間、「ヒドい!騙された!」と思いましたよ。
約4時間の尺の大半をミシェル・ピコリがエマニュエル・ベアールをモデルに描き続けるところを延々と映し、その単調な描写も最後に観られるであろう「美しき諍い女」という絵の全貌を目にするまでの長い長い段取りだと思い、頑張って観ていたのに(ピコリがスケッチブックの画用紙に描くときの引っ掻くような音も苦痛でそれにもずっと耐えて観ていたというのに)、完成した「美しき諍い女」を観客に見せることなく、絵を壁の中に塗り込めてしまい終わり。
もしワタシが編集したなら40分の作品にしますよ。
ストラヴィンスキーの曲で始まり、何か良さそうな作品のような気がしたのですが裏切られた気分。
そもそも、最初いやがっていたモデルがどんどんやる気になり、画家を鼓舞し、画家の妻が嫉妬するなんて話じたい安直すぎる。
ジェーン・バーキンも嫌い。顔が大きくて、歯並びが悪くて、手が男みたいで、ギスギスしていて、ときどき屠殺されるときの牛みたいな目をするから。
この作品、ヘア解禁ということで話題になりましたが、実際には大部分ボカシが入っていてたまにチラリと見える程度。
エマニュエル・ベアール、脱ぐと意外に胴が長くて、お尻がかなり大きく太股は太く、ドッシリとした母性的な体型。ウェスト周りは細いけれど。
途中の休憩時間に入る前に、「次のポーズまで、しばしのポーズ(小休止)」と出たのは洒落ておりました。
休憩時間の直前にまたも映写事故が起こり中断しましたが、フィルム状態がかなり悪かったので、今回は仕方がない。
今回のフランス映画祭でリヴェットの作品を5本観て、尺の長さに必然性があるのか考えみましたが、『狂気の愛』は果てしなく長いなと思いつつも、こういうのもありかなと考えたりしたのですが、最後の『美しき諍い女』を観て、長い尺は必要ない、延々撮ったものを切らずに延々観客に見せるのは、潔さがないだけじゃないかとの結論が出ました。
せめて2時間程度にして欲しいものです。
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テーマ:フランス映画 - ジャンル:映画