『現代インチキ物語 騙し屋』『鉛の墓標』『胎児が密猟する時』
2008 / 03 / 22 ( Sat )
まずシネマートンで増村保造監督の『現代インチキ物語 騙し屋』(64年)を鑑賞。
増村作品は全部潰すように観に行っているのですが、これは初見。
伊藤雄之助、船越英二、曽我廼家明蝶 、丸井太郎の4人組が「一日一善」をモットーに小芝居をうち、相手に騙されたと思われることなく金を巻き上げていく「騙し屋」稼業をしていく様が次々と繰広げられる映画。
と書くと、いかにも小気味いい作品になっていそうですが、これがそうでもないのです。
『青空娘』とか『最高殊勲夫人』のようなテンポのよさがなく、最高に面白くなりそうな題材にもかかわらずちょっと退屈しちゃいましたよ。
何でだろ。
あ、悪い作品ということではありません。いつもの増村のテンポの良さが感じられなかったというだけで。
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連日の映画鑑賞に疲れからか体調は絶不調。
『鉛の墓標』(65年)。
廉価版日活アクションという印象。
あまり乗れなかったのは体調のせいかもしれません。
主人公が日劇文化劇場で男をライフルで撃つ場面があり、劇場入り口に『去年マリエンバートで』のポスターが貼ってありました(日本公開は64年。先日アラン・ロブ=グリエが亡くなったばかり)。
車の中から狙撃する背後には今は亡き平和生命館(菊正ビル)の御姿が(涙)。
『胎児が密猟する時』 (66年)。
監禁ものにはいい作品が多いですねぇ。
見事なショット多数。
ベルリオーズ「幻想交響曲」、バッハ「半音階的幻想曲とフーガ」の使い方なんて実にうまい。
もっとも回想シーンで山谷初男が妻を強姦する場面で場違いなアフリカン・ダンスな音楽が流れたのには笑ったけど(軽快なリズムにピッピッピーなんて笛まで聞こえてくる)。
と感心しつつも、実はこの作品にもあまり乗れなかった。
調教する映画だからではありません(同じ山谷初男が女性を苛める『発禁本「美人乱舞」より 責める!』には激しく感動したのです)。 体調のせいかも。
あと、山谷初男が「ハンサムな独身の専務さん」と呼ばれる設定には無理があるんじゃないかと思いました。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画