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絵沢萠子さんトークショー『濡れた唇』、『実録不良少女 姦』『戦国ロック 疾風の女たち』

萌え~!皆さん、お元気ですか?
ラピュタのロマンポルノ特集で、ワタシの女神・絵沢萠子さんがトークショーをされると知り、それが平日の木曜日だと知ったワタシは、迷いなく会社に有給休暇を申請いたしました。
ああ、絵沢さんが大阪からやって来られるなんて!ワタクシ、狂喜乱舞いたしました。

トークショーは神代辰巳監督の『濡れた唇』上映後です。
絵沢さんが入場される前、外から絵沢さんのあの張りのある声が聞こえてきて、ああ、絵沢さんだ!と感動し、中に入ってこられた絵沢萠子さん、入るなり場内端の席に座っていたワタシの顔を見て、「ココ?」と聞かれたので(ワタシの隣の席が空いていたので、ここに座るのか?という意味)、わぁ、目が合った!と興奮してしまいました。
一緒に白鳥あかねさんも来場されてました。
絵沢さんがご覧になる中、パチパチと拍手が鳴り『濡れた唇』スタート。
絵沢さん、『愛欲の罠』と同じような茶色のボブ・ヘアです。
登場人物が歌を口ずさんだり、ひょんなことから出会った男女複数名が放浪するところなど、後の『宵待草』に似ておりました。
同じ神代辰巳監督と姫田真佐久カメラマンの組み合わせの『黒薔薇昇天』を観たときも『宵待草』に似ていると思ったのですが。
製作年の順番は『濡れた唇』→『宵待草』→『黒薔薇昇天』。
この『濡れた唇』は、この後の神代作品のベースとなっているということでしょうか。

映画上映後、トークショーがスタート。
絵沢さん、とても鮮やかな青いお召し物を着られておりました。
最初に関西弁でゴメンなさいね、とおっしゃられてお話になる絵沢さん。聞き手は今回の特集の企画をされた高崎俊夫さん。
絵沢萌子さん

まず神代辰巳監督について。
神代監督は、俳優が演技について何も考えずに撮影にくると、怒る監督だったと。
『恋人たちは濡れた』の劇場の奥さん役について、猫を抱いている設定だったけれども、絵沢さんのアイディアで「猫売ります」の張り紙を張ることになったのだとか。
また、『恋人たち~』の撮影に入る前に、「風の音」だったか「雨の音」とかいう本を読んでおくように言われたのだが、『恋人たち~』の脚本は読んだら、読むように云われた本と全然違う内容で、要はその「風の音」(だか「雨の音」)という本に流れているフィーリングを感じ取ってほしい、ということだった、と。

絵沢さんが映画に出るきっかけは、姫田真佐久カメラマンが絵沢さんが出演していた舞台を観に来て、知り合いになり声がかかったのだと。
当時所属していた劇団の製作部に、絵沢さんが『濡れた唇』への出演を受けたことを伝えたところ、そんな作品に出たら、今後松竹や東宝などの作品に出られなくなると言われ出演を反対された、と。
で、製作部が劇団(俳優小劇場)のお偉の小沢昭一に確認したところ、逆に小沢昭一は製作部に「君たちは古いよ」と答えたのだそう。
絵沢さんは『濡れた唇』のホンを読んで、とても面白いと思い、是非とも出演したいと思われたのだそう。
『濡れた唇』の絵沢さんが演じた役は23・24歳の設定で、実際の絵沢さんはそれより歳がいっていたので、若く見えるようにカツラを被ったのだそう。
粟津號は、お寺の息子でお経が読めたのだそう。絵沢さんとは仲が良かったと。残念ながら亡くなってしまった…、と。
絵沢萌子さん

そして田中登監督について。
考えるタイプの神代辰巳に対し、田中登は若く役者より早く走るような監督だった。
田中登が東映京都に呼ばれて撮ったとき、東映は伝統あるところで、田中登に冷たく気の毒であったと。
ちょっとでも田中登が遅れて行くと、東映はみながシラーとして、田中登はショボンとしていた、と。
高倉健(『神戸国際ギャング』撮影時のこと)に挨拶したら、濡れ場は新聞を読みながらでいいか?と云われたと(ワタクシ、この作品を未見なのでどういう場面なのかわかりません)。
高倉健は大変優しい人で、いつも他の人の撮影も見ていた。
絵沢さんが撮影中、俳優に殴られるシーンで、殴られたのがまともに当たってしまい、耳が聞こえなくなってしまった。
それでも誰も気付かずそのまま撮影していたのだが、高倉健だけはちゃんと見ていてその状況に気付き、絵沢さんに、耳鼻科に行くように言ってくれた。
耳鼻科で診てもらったら、鼓膜にヒビが入っていたのだと。
健さんは、本当に撮影全体の様子をよく見ている人だった、と。
絵沢萌子さん

神代監督についての思い出について、『赤線玉の井 ぬけられます』の撮影時、この作品ではただのおかみさん役だったので、どういう演技をしようと考え、チリカミを揃えたりしたらいいのではと思い、神代監督に伝えたところ、いいねぇと取り入れられた。
神代監督は、俳優の考えを積極的に取り入れてくれる監督で、逆に何も考えずにいくと、とても怒ったと。
また神代監督は演技以外では怒らない人で、お酒は強くなかった。
役柄について、こういう人物だ、という説明をされることはなかった、と。
作品中に、セックス・シーンを定期的に入れなければいけないのに頭を悩ませていたと。
神代監督が警察に呼ばれた際(当時、日活ロマンポルノ裁判があった時期だった)、担当刑事が映画好きで、部屋の中で神代監督と刑事は(取り調べもせず)ずっと何も話さず座っていたことがあったのだ、と。

そして質疑応答。
ワタクシ、神代監督と田中登監督の違いについて伺いたいと思っていたのですが、既にお話になられたので、絵沢さんに印象に残っている作品、特にお好きな作品は何か質問いたしました。
絵沢さん、最初に出演した『濡れた唇』が印象に残っているけれども、特に好きな作品というのはないです、自分は助演が多いから、と。
もともと、映画がとても好きで、でも映画界への入り方がわからなかったの、と。
大阪に帰ったとき、やっていたお店に「ポルノに出て」と電話がかかってきたり、ロマンポルノに出てギャラが上がったか?ときかれたことがあったとお話されてました。
絵沢萌子さん

次に、浜野蟹さんが、『濡れた唇』撮影時に足を怪我をされたそうですね、と質問されたところ、絵沢さん、思い出したという感じで、「そうなの!よく知ってらっしゃるわね」と。
撮影時、床に四角い穴が開いていて、そこにはまり足を怪我をしたのだけれども、それを皆に言うと周りに気を遣わせることになるし、撮影が遅れてしまうので、黙っていたのだ、と。
自分がケガしたことを知られるのは恥ずかしかったから、と。
外国人とのセックスシーンは足を怪我した状態だったそうです。

それから『濡れた唇』の劇中で唄われていたのは、有名な春歌なのだそう。
絵沢萌子さん

ここで、トークショー終了。場内拍手。

終了後、ワタクシ、ただの観客にもかかわらず、絵沢さん、白鳥さん、高崎さん、劇場スタッフの皆さんと一緒に記念写真に納まってしまいました(あの、名物オジイサンも一緒に!)。ホント、恐縮です。
そして、『愛欲の罠』のDVDジャケットにサインをお願いしたところ、絵沢さん、ジャケットをご覧になると驚いたように「あら、この作品、見られるの?このDVD買えるの?」
写真を指差し「あら、これワタシ~?」と。
『愛欲の罠』のフィルムが発見され、昨年東京では劇場公開されたこと、DVDも発売され簡単に手に入ることを申し上げました。
大和屋竺監督は大きな人で、監督のご夫人(スクリプターだったのだそう)と何度か仕事をされたとおっしゃられてました。
「あなた、この映画観たの?」と訊かれたので、劇場で観て、絵沢さんがとてもキュートだったと申し上げました。『愛欲の罠』のボブ・ヘアもカツラだったのか伺うと、カツラだったとのこと。
すると、絵沢さん、『濡れた唇』は色気がなくて男みたいだったわねぇー、と。

「絵沢萠子」という素敵な芸名の由来について伺ったところ、ロマンポルノに出演する際、姫田真佐久カメラマンと一緒に考えたのだと教えてくださりました。
姫田さんは「絵」という字が好きで娘さんみんなの名前に「絵」の字を付けた、「沢」は絵沢さんが使いたかった字、「萠子」は絵沢さんのお知り合いの方のお名前で、それで「絵沢萠子」になったのだそうです!

憧れの絵沢さんにお会い出来て、本当に感激です。
役柄のイメージから、豪快な方かなと想像していたのですが、実際の絵沢さんは全然違って、とても上品で繊細な感じで、かわいらしい話し方をされる方でした。

絵沢さんにお会いできた感激が冷めやらぬ中、『実録不良少女 姦』を観ました。
この作品、カナザワ映画祭で観て面白いと思いましたが、やっぱり面白いなぁ。
これ、藤田敏八の作品の中で最も好きかも。
冒頭、主人公のお世辞にも美しいとは言えない野生的なフェイスのアップが映し出されて、ああ、凄いな、と。
ホント、実録っぽい。
この主演の日夏たより(「新人」とクレジットされてる)が、荒削りながら結構演技力があって、すごい迫力。彼女のワイルドなルックスも相まって、ドキュメンタリーや再現ビデオを観ている気分になります。
クリエイションなど、音楽が凄くカッコイイ。岸部一徳とのベッドシーンのブルースが特に最高。
内田裕也、赤いボーダーのシャツ着ていて、なんか楳図かずおみたい。
内田裕也のヒモっぷり、凄まじいキャット・ファイトもやっぱり最高。
ああ、面白かった。

最後に長谷部安春監督の『戦国ロック 疾風の女たち』。
うーん、よくわからなかった。映画に入りきれませんでした。
不覚にも次郎が荒戸源次郎だったとは気付きませんでした。
山科ゆりが白くて手足が長くてきれいだな、と。
尼さん役の花柳幻舟も意外にきれいだったな、と。

いやぁ、絵沢萌子さんとお話できて大感激です。
『愛欲の罠』DVDのサイン(黒地に銀色サインペンで書いていただきました♪)、家宝にいたします。
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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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