『黒い画集 寒流』『黒い画集 ある遭難』
2008 / 05 / 02 ( Fri )
就業後、新文芸坐にて『黒い画集』2作を鑑賞。
まず鈴木英夫監督の『黒い画集 寒流』。
昨年の池部良特集で観て、傑作だと思った作品。
やはり素晴しい。観ていてため息が出るような、鳥肌が立つようなショットの連続(カメラは逢沢譲)。
中でも新珠三千代のマンションで別れ話をする場面が特に凄い。池部良と新珠三千代が一つのシネスコ画面に収まっているときの画面構成、ピントの合い具合、光の加減、カット割り、とすべてが素晴しすぎる。
池部良が湯河原の旅館の廊下に立っているショットも見事だったし、もうどれもこれも凄すぎる。
再見できて良かった。
それから、池部良のコート、生地も仕立てもいいものを着ているなぁと思いました。
次に『黒い画集 ある遭難』。
石井輝男が脚本を書いているので長い間観たかった作品。
山で撮影している場面はカメラが素晴しく感心して観ていたのですが、山から下りて銀行や室内やレストランなどで撮った場面は終始ピントがズレっぱなしで、観ていてとにかくストレスフル。
こんなにピンボケの映画観たのは小林悟監督の『黒幕』以来。いや『黒幕』よりずっとひどい。
山のシーンでのカメラがいいだけに落差が気になりました。
この作品、時系列がかわっていて、現在→過去→大過去→過去→大過去→過去→現在(本題)と進んでおりました。
香川京子&児玉清の姉弟の従兄弟・土屋嘉男は顔も身体も声も竹中直人にソックリ。
児玉清だけオーバーアクションで異質な演技を繰広げるのには苦笑い。結構ヒドイね。
そして衝撃(?)のラスト。エー?!こんなんでいいのですか?
それにしても黒い画集シリーズ、後味悪すぎ。それが黒い画集なんでしょうけど。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画