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渡辺邦男監督作品『忠臣蔵』

就業後、フィルムセンターの「スターと監督 長谷川一夫と衣笠貞之助」特集へ。
この特集に行くのは今回初めて。
観たのは渡辺邦男監督の『忠臣蔵』。1958年の大映オールスター映画です。

正直に申しますが、ワタクシ、「忠臣蔵」がどんなオハナシなのか全然知りません。
多くの日本人がこのオハナシが大好きで、何度もドラマや映画になるということは知っておりますけど。
ウチの両親は時代劇をまったく観なかったので、家のテレビで「忠臣蔵」が流れることも皆無でしたし、その影響でワタシも時代劇を観ないものですから(映画だとたまに観ますが)、「忠臣蔵」のストーリーを知ることなく今に至ったわけです。
今回フィルムセンターに『忠臣蔵』を観に行ったのは、ひいきの若尾文子が出ているというのもありますが、、「忠臣蔵」なるオハナシがどんなものなのか知っておきたかったからです。
ですから、他の「忠臣蔵」映画と比較してこの作品の出来がどうかということはワタシにはわからないので、あくまで一つの映画として観た感想です。

冒頭、一大事を知らせる書状を持った急使が江戸から赤穂に向かう場面、交代した飛脚がわざとらしくバタっと倒れる演出とか、画面にバーンと「赤穂へ」と文字を出したりするのは、稚拙で工夫がなく、ダサいなぁと。
で、市川雷蔵が出てくるのですが、この雷蔵が何者なのか、何をしゃべっているのか、「忠臣蔵」がわかってないワタシには殆ど理解できなかったのですが、雷蔵が滝沢修から陰湿なイジメを受けているということはわかりましたぞ。
で、雷蔵は滝沢修に斬りかかるのですが、しばらく観ていると、段々と筋がわかってきました。
仇討ちの話ですね。
聞いたことがない単語や人の名前がたまに出てくるので、時々わけがわからなくなりましたが(例えば、「浅野大学」。浅野大学って何?もの?場所?人の名前?てな具合に)、慣れると理解できてくるものですね。
最後まで観たら、「忠臣蔵」の大まかな筋がわかりましたよ。ヤッター。

で、この映画、長谷川一夫や市川雷蔵などの大芝居は見ものですし、浅野内匠頭の妻を演じた山本富士子の美しさや花魁役の木暮実千代のお色気も魅力的ですし、大石内蔵助良雄が近衛某と名前を偽って旅をしていたら近衛某本人と出くわす場面で(「大石東下り」と言うらしい)、長谷川一夫が中村鴈治郎に「近衛の通行手形」を見せるところで、観ていて思わずオオっと声をあげてしまったりしましたし、次から次とと魅力的なエピソードが繰広げられ、なるほど日本人が「忠臣蔵」に惹かれるのもわかるなと納得したりしたのですが、如何せんカメラが終始テキトーで、観ていてしんどかった
時代劇なので、見せ場でカメラが人物に向けてバーンとズーム・アップする手法をとるのは、まぁわかるのですが、特に盛り上がってないシーンでも、次から次とズームの応酬が続くので、ズームの多用が苦手なワタシは段々辛くなってきて、正直辟易いたしました。
それに、終始カメラがガタガタと落ち着きなく動き続け、観ていてかなりイライラ。
カットを割らずに、映したい目標物が変わる度にグラグラとカメラを動かしてるのですが、これも早撮りのためですか?
大掛かりな立派なセットで撮影してるんだから、もうちょっとデンと固定して撮影したらどうなんでしょ?

大好きな若尾文子は大工の娘・お鈴を演じておりました。鶴田浩二に惚れる役で、まだあどけなさが残っていて、可愛らしかったです。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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