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『エグザイル/絆』試写会

お昼過ぎ神保町へ。
ちょうど神田古本まつりの最中で、かなりの賑わい。
ランチをしに新世界菜館へ。五目焼そば(1000円)をオーダー。
具沢山でウマー。大満足。

映画本を求めて散策するも、古本まつりの開催中ですでに荒らされた後のようで収穫なし。
タイレストラン・メナムのほとりの前で出店がでていて、トムヤンクンのいい匂いに食欲が激しくそそられたけど、あいにく胃袋に隙がないので我慢。
紅茶専門店タカノで休憩。大好きなナッツミルクティーで癒されました。
隣の席に座った中年男性二人組、ジョン・ウーの話をしてました。
ジョン・ウーは『ミッション:インポッシブル2』で終ったなと思った、という会話。
ジョン・ウーが終ったという意見には残念ながら同意です(ワタシは『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』までと思ってる)。

今日のメインイベントはジョニー・トー監督の『エグザイル/絆』(放・逐)の試写会です。
「まぜるなきけん」のせんきちさんのご好意で行くことができました。
6時開場、6時半開演。今日は主演のアンソニー・ウォン(黄秋生 )とフランシス・ン(ン・ジャンユー、呉鎮宇)の舞台挨拶があるので早めに5時に会場に行ったところ、すでに物凄い行列。香港映画ファンを甘くみてました。
1時間以上並んで席を取って、それからまた30分待って、スタート。

舞台にアンソニー・ウォン、そしてフランシス・ンーが登場。
二人とも長身でカッコいい。スターのオーラが舞台が舞台からも漂ってきました。
アンソニー・ウォンはサングラスをかけ黒いジャケットとズボンに白のインナー。
ジャンユーは茶色のジェケットにネクタイ。長髪で、ジョニー・トー作品でのイメージと全然違って、キュートで若々しい感じ。素敵だ。
二人とも、終始おどけっぱなしの舞台挨拶で、ジョニー・トー監督のどこがすごいですか?との質問に対し、アンソニー・ウォンは、監督は声が大きいところが凄いと回答。
脚本がない状態で撮影するのはどうでしたか?との質問には、アンソニーが脚本だけでなく俳優がいない状態で撮影が入ることもあると答え、さらにジャンユーが、自分は脚本がなくても俳優がいなくても、ギャラがもらえればいいです、と回答し、大爆笑。
(広東語で通訳を介してのやりとりでしたが、二人が言葉を発すると同時に爆笑が起きていて、広東語を解するお客さんの割合が多いのに驚いた。香港映画ファン、勉強熱心ですね。かくいうワタシも以前広東語を少し勉強していたので、同時に笑ってしまいました)
アンソニーに対する「役のためなら10キロ20キロ太れますか?」という質問に、すかさずジャンユーがもうアンソニーは太っているから太る必要がないよ、と答えたりで、ふざけあったり、抱き合ったり、キスするマネをしたりで、二人とも絶好調。とても仲良さそう。
二人ともサービス精神旺盛で場内爆笑の連続でありました。


そして『エグザイル/絆』本編上映開始。
噂に違わぬ傑作。
ワタシが追い求める香港映画はここにあると思いました。
ジョン・ウーの『レッドクリフ』にガックリきた直後でしたが、『エグザイル/絆』観てすっかり御機嫌になりました。ジョン・ウーはダメでもジョニー・トーがいるじゃないの!
冒頭、マカオの風情ある坂道が映った瞬間、この作品の勝利を感じました(『レッドクリフ』では冒頭のCGで負けを感じたのと対照的に)。
最初のウーの自宅での三つ巴のシーンでは、石井輝男の『ならず者』での高倉健&杉浦直樹のガチンコを思い出し感涙。
物語の舞台であるマカオが実際のマカオ以上に美しく西欧的に撮られていて、この作品を観たらマカオに行きたくなること請け合い。後半はマカオというより西部劇っぽい光景になり、全体的に無国籍な仕上がり。
銃撃戦は華麗で美しくダンスのよう。カーテンが揺れながらの銃撃戦の素晴しさったら。
これまでのジョニー・トー作品に比べても、ユーモアと悲劇的な側面の両方が強調されておりました。
(今日は熱心なファンが多いので、ユーモアある会話での場内の反応が凄かった)
この作品でも緊張のシーンの後に、男たちが食事をともにするシーンがあり、観ていて嬉しかった。
そして脚本がない状態で撮影しているとは思えない、巧みで洒落たシナリオ。痺れました。
リッチー・レンが登場する辺りの場面も超カッコよかった(香港映画とは思えない)。ハリウッド的でありながらそれ以上にセンスいい。
全編超スタイリッシュ。
もう、映し出されるカットすべてが完璧で、あまりに美しく、感激しながらも、ここまで素晴しい作品をつくってしまって、ジョニー・トー、今後どんな映画をつくっていくつもりなのだろう?と心配してしまいました。
ジョニー・トー、『ザ・ミッション 非情の掟』が一つのピークで、『エグザイル/絆』でさらに大きなピークがきたな、と。

華麗な銃撃戦を再確認したいので、一般公開されたらまた観に行きます。
ちなみにフィルメックスで最新作『文雀』が上映されますが、プレリザーブでチケット押えております。
『エグザイル/絆』後のジョニー・トーが果たしてどうなっているのか、とても楽しみです。
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テーマ:香港映画 - ジャンル:映画

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フォーシンズホテルにてアフタヌーンティー

久しぶりに映画以外の話題。

お友達Yちゃんと、フォーシズンズ・ホテルでアフタヌーンティーをしてきました。
アフタヌーンティーは14時から開始なので5分前に行ったところ、すでに10組以上待っている状態で、何と2時間弱待つことに。
私たちの順番がきたら携帯電話に連絡してくれるとのことで、庭園を散歩したりお喋りしたりして、ひたすら待ちました。

そしてやっとありついたアフタヌーン・ティー。
紅茶はダージリンをチョイス。
フォーシーズンズホテル
どれも美味しかったですけれど、特にスコーンが最高。栗の入ったスコーンもプレーンも程好い甘さで、フワフワで本当に美味しかった。
スコーンに付けるクロステッドクリームがまた美味!全部付けて食べてしまいました。

お茶は指し湯を持ってきてくれるのはもちろん、茶葉も何度も取り替えてくれました。
美味しくて、サービスが良くて、ゆったりできて、一人3000円(プラスサービス料300円)はリーズナブルで大満足。
オススメです。ただし人気でとにかく待つので、平日に予約をして行くのがよいと思います(土日祝日は予約不可)。
フォーシズンズ・ホテル

テーマ:美味しかった♪ - ジャンル:グルメ

23 : 59 : 59 | グルメ | トラックバック(0) | コメント(1) pagetop

『レッドクリフ』

ジョン・ウー、最も好きな監督の一人です。
トニー・レオン、最も好きな男優です。

で、『レッド・クリフ』観てきました。
ワタクシ、三国志がどういう話なのかまったく知りませんので、映画のストーリーを理解できないかもしれないなと思い、家を出る前にウィキペディアの赤壁の戦いのページを軽く読んでおきました。

公開初日で、映画の日で、新宿ピカデリーなんで、当然満席。
劇場は松竹ですが、『レッドクリフ』は東宝東和配給で、本編上映前の予告編も東宝東和の作品のものばかり。松竹が心配になりました。

いやー、凄かったです。
映画ではなく新宿ピカデリーのスクリーンと音響が。

本編が始まる前に、三国志を知らない(ワタシのような)バカな客のために日本語で(!)おおまかな時代背景・登場人物の説明があり、これはどうみても日本公開版用に付けた説明でしょう。
ジョニー・トーの『ザ・ミッション 非情の掟 』でも本編が始まる前に説明が入っていて、興がそがれるなと思ったのですが、正直なところ、三国志をまったく知らないワタシとしてはこの説明は有難い(けど、三国志を知っている人には、ウザいでしょう)。

タイトルバックが終って一番最初に映し出されるのは、ドドーンとCG画面。
次のカットで映し出されるのも、宮殿のCG画面。
もう、この時点でダメだーと思いました。
結局、最後まで、CGのオンパレード。CGを使うことが全部悪いとは言いませんけど、この作品は映画というよりCGの見本市。映画じゃない。
CGの中で、俳優が動いたりしているだけ。
ジョン・ウー的な優美な俳優の身体の動きを期待していたのですが、それも殆ど見せてくれず。
戦闘シーンの人がぶつかりあう音の付け方とかも凄く下品。とにかくデカい音を付けてやれ、という感じ。
カメラで撮ったショットをつなぐ映画ではなく、CGなのでどこまでも長い、カメラでは撮影できないカットが出てくる。
最悪と思ったのは、最後のトニー・レオンと並んで立っている金城武がハトを飛ばすシーン。立派なCGを延々と見せてくれます。こんなの映画じゃない!

登場人物が出てくる度に、何度も「曹操」とか「孫権」とかキャプション付けるのも止めてもらいたい。
最初に1回付けるのは親切だけど、すでに登場済みの人物なのに、再登場するたびにまた「曹操」と出すのは、客をバカ扱いしてんのか、と。
「曹操」って、何回キャプション付けたんだよ。5回は出てきたよ。

あとですね、金城武が始めて口を開いたとき驚きました。金城武本人の声じゃない。
北京語のネイティブじゃないトニー・レオンや中村獅童はわかりますが、ネイティブの金城武が吹き替えなのはなぜ??
ひょっとして、中国人俳優も含めて、すべて吹き替えですか?
アフレコだから、俳優本人の声ではなくてもいいってことなのでしょうか?謎です。

この作品、今回はパート1で、それでも145分もありますけど、別に2本に分けずに、160分ぐらいでいいんじゃないかと思いましたね。
ホント、どうでもいいシーンが多すぎ。
最初にイライラが爆発したのは、トニー・レオン登場シーン。
トニー演じる周瑜が軍隊の演習をしているところに金城演じる諸葛孔明がたずねていく場面、トニーの後姿だけ映して、不必要にもったいぶって延々顔を映さない、顔が映ってからも、どうでもいいやり取りが続く。
そこに、部下が現れトニーに、「御宅にお帰り下さい。難産です」と言う。
で、家の場面に映り、難産で苦しんでいる馬が現れる。
難産で苦しんでいるのは奥さんではなく馬でした。
で、お馬さんの難産の話で、しばらく映画が続く。
この馬の難産の話って、原作にある有名なエピソードでお客さんが期待している部分なのでしょうか?
しかもですね、スター金城武が馬の出産を助けるべく、馬の○○に○○するという衝撃的なシーンがあります。
こんなシーン、観たくない。中国人にとっては平気な描写なのでしょうか?
子馬が無事生まれ、立ち上がりやれやれ、この長い場面が終ったと胸をなでおろしたら、今度はトニーと金城の琴のシーン。
ああ、ここも長いよ。
琴の合奏で二人の気が合ったということを描きたいのだろうけど、長すぎる。
この琴の合奏も有名なエピソードなのですか?
ここは名場面なので外せないという程の長さなんですけど。

ワタシは三国志を知らないので、的外れな意見かもしれませんけど、配役も違うのではと思いましたね。
35歳、男盛りの金城武は水もしたたるいい男だと思いましたが、どうみても賢そうに見えない。
金城武が諸葛孔明というのは無理があるのでは?
それより恵まれた身体を動かす武将役の方が合っていると思うのですけど。
逆に、トニー・レオンは小柄で線が細く、表情も神経質っぽくて武将には見ません。
トニーが諸葛孔明役で、金城武を周瑜役をすれば良かったのではないかな。
あと、トニー・レオンの顔の衰えも気になりました。
彼は立派な身体があるわけでもなく、不細工ながら強烈な存在感があるというわけでもなく、二枚目と繊細な表情の演技が魅力なわけですから、あんなにお肌が荒れて衰えていると、結構キビシイ。
『レッドクリフ』ではトニー・レオンがアタマの1番手なのに。
一方、趙雲を演じた胡軍が素晴しかった!
顔も身体も役にピッタリで、表情も身体の動きも素晴しかった。
中村獅童も好演してました。無骨な役に見た目が合っておりました。

本編が終って、エンドロールに入る直前に、「終了後、パート2の予告編が上映されますので、そのままお待ち下さい」とキャプションが出たときは、笑ってしまいました。
ああ、そうですか。
予告編を観た限りでは、パート2では俳優がジョン・ウー的な舞踏のような身体の動きをしていたので(『マトリックス』みたいなの)、パート2の方が満足できるかもしれません。

ともあれ、『レッドクリフ パート1』は鳩が出てくること以外、ジョン・ウー的なところがみられない作品でした。
ジョン・ウーが中国に(香港に)帰ってきたと喜んで期待していたのに。
ジョン・ウーは軍隊が集団で戦う映画よりも、俳優一人一人が身体を動かす映画を撮るべき。
この欲求不満を解消するために、家で過去の香港で撮影した呉宇森作品のDVDを見たくなりました(『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』の素晴しさったら!トニー・レオンもこの作品では輝いていた)。
かつてのジョン・ウー作品のファンとしては、ジョニー・トーの『エグザイル/絆』が楽しみです。
今後はジョン・ウーは諦めて、ジョニー・トーにすがることとします。
もっとも、金返せーという出来ではないことを最後に付け加えておきます。
お金かけて頑張って撮ったということはよくわかりましたし、立派な劇場でスターがいっぱい出る映画を1000円で観られたんですからね。
パート2も1000円なら観に行きたいです。
帰りにパンフレット(600円)もちゃんと買って帰りました。

テーマ:レッドクリフ - ジャンル:映画

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プロフィール

 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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