川島雄三の『東京マダムと大阪夫人』とベランダ焙煎
2007 / 03 / 04 ( Sun )
ラピュタのモーニングで、川島雄三監督作品『東京マダムと大阪夫人』を観る。
社宅に住む人達の人間模様をユーモラスに描いたコメディ。
微笑ましくて、面白い。
1953年の作品で、妻達が隣家と争うように洗濯機を買うエピソードがあるのですが、この頃って、家電製品にまつわるストーリーの映画多いですね。
小津安二郎の『お早う』とか成瀬巳喜男の『娘・妻・母』等々。
『驟雨』でも原節子が家電を物欲しそうに眺めるシーンがあったような。
先日観た『四十八歳の抵抗』にも月賦で電気洗濯機を買うエピソードがありました。
(「月賦」って死語だ。今だと「分割払い」と言いますよね)
三橋達也、月丘夢路、芦川いづみ、北原三枝が出ているので、日活の作品だと思い込んで観ていましたが、これは松竹大船の作品でした。
彼らは川島雄三と同時期に日活に移籍した俳優さん達であります。
急に坦々麺が食べたくなり、「希須林 小澤」に向かう。
ラピュタのモーニングの後、ここでランチ、というパターンもあり。
12時をまわっていたけど、今日は待たずに入れました。
坦々麺美味しーい!すごいボリューム。
絶妙な辛さと濃厚さ。
お得なランチセットもあるけど、ワタシはここにきたら坦々麺(1260円)を頼むことが多いです。

自宅に帰り、ベランダで、煎り上手を使って自家焙煎にチャレンジ。
まずはブラジル50gからハンドピック。
ペランダに柳宗理のバタフライ・スツールとカセットコンロと網を出して、シャカシャカし始める。
(バタフライ・スツールは座るためではなく、作業台に最適な高さだから。バチが当たるわ)
今日は、中火でじっくり焙煎。
程よいフレンチ・ローストに仕上がりました。
豆が冷めたところで、ドリップし試飲。
驚くほど豆が膨らむ。
フレッシュだけど、絶妙な深みがあり、雑味はゼロ。
生涯一番美味しいコーヒーだ!
うーん。2回目の焙煎にして、最高の出来となってしまった。
今後が心配だ。
「この味がいいね」と私が言ったから三月四日は焙煎記念日
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日活の作品だと……
はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいています。
去年だったか、下北沢でこの作品を再見したとき、まったく同じ思い込み(日活だと思っていた)をしていたことに気付きました。考えてみたら、この年、まだ日活は復活前でしたよね。
鈴木並木さん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
『東京マダムと大阪夫人』の出演俳優は、
日活時代の川島雄三の核となる俳優達ですよね。
この辺のいきさつを語られている三橋達也のインターピューのサイトを発見いたしました。
http://www1.raidway.ne.jp/~k-tessen/KAWASHIMA/04_club/06_interview/interview00.html鈴木並木さんのブログ、拝見させていただきました。
勉強になります。
池袋コミュニティ・カレッジでの講座の『日本映画は「ダサイ」か?~映画音楽東西対決』『ほんとに右派? 黛敏郎のモダニズム』は、非常に興味のある分野です。
受講できず残念!
それから、TOEIC960点は尊敬します。
ワタシなんぞ、ラピュタの田中登特集に行くために、
次回のTOECテストを放棄することを考えている不届きものです。
またブログ拝見しに行きます。
宜しくお願いします♪
三橋達也のインタヴュー、ざっと見ましたが面白いですね。
「洲崎パラダイス 赤信号」の音楽は氏の推薦だったなんて!
井上梅次の「勝利者」も、裕次郎映画にしては監督が三橋のほうに思い入れすぎている、という印象でしたが、いきさつを知ると、なるほどです。
あとでじっくり読んでみますね。
黛敏郎は過小評価されていると思います。
なにしろ音源としてまともに聴けるのが少なすぎます。
なんとかしたいです。
黛敏郎の出演作…
いま、黛敏郎の映画作品をググっていたら、なんと出演作もあると判明。
『プーサン』は観たことありますが、いったい何処のシーンに出ていたんだろう?と。
黛敏郎の映画音楽で個人的に印象深いのは『野獣死すべし』(仲代版)、『偽大学生』『赤線地帯』『豚と軍艦』等々書いていったらキリがないです。
ブログ拝見しましたが、英語をマスターされつつ、映画、音楽、読書とスゴイですね。
ワタシはTOEIC受験よりラピュタに激しく傾いています。
追記
以前ブログで日本映画の黄金時代の映画音楽について少々ふれたことがあります。
↓をご覧いただければ幸いです。
http://ssbs.blog36.fc2.com/blog-entry-54.html
「プーサン」の黛敏郎……たしかに覚えていません。
「憎いあンちくしょう」でもご尊顔を拝することができますね。
「赤線地帯」の電子音楽はいま聴いてもインパクトありすぎです。
映画音楽について、現代音楽としても一流の作曲家が(いわゆる芸術映画でない)映画音楽も手がけていることを書かれていましたが、わたしもやはり同じことを考えていました。もしかするとこれは日本だけの現象かもしれません。よく調べてませんが。
このページをご存知でしょうか。
http://www.tcat.ne.jp/~eden/MM/gershon_fr.htmガーシュウィンとシェーンベルクが友達だった、というものです。シェーンベルクの教え子たちはけっこうハリウッドに入り込んでいるようですが、たぶんアメリカではシリアス・ミュージックと映画音楽は日本ほど混在せず、棲み分けられているのかな、と思います。
英語はマスターしてなぞおりませんので、誤解なさらず。TOEICはまぐれで高得点をマークしましたので、ハッタリ用に記載していましたが、実際にそれほどものになっているわけでもなく、お恥ずかしい。
それよりも、成瀬を56本も劇場で見ていることや、おいしいコーヒーをいれられることのほうがよっぽどすばらしいことです。
ガーシュウィンとシェーンベルクのページ見ました。
うーむ。意外です。
シェーンベルク、とても気難しそうなイメージなのですが。
「調性を超えた友情」という言葉、気に入りました。
日本のクラシック音楽界と映画界にあてはめると、
武満徹一人で(黛敏郎、もしくは林光でも)ガーシュインとシェーンベルクの役割をこなしているなと。
TOEIC、仮に鈴木並木さんの言うところのまぐれだとしても、まぐれで高得点をとるには、ただならぬ努力が必要かと思います。
武満にしても黛、林にしても、そのクラシック系統の作品には接したことがないのですが、彼らが映画の仕事をしていなかったら、そもそもその音楽自体、聴く機会がなかっただろうことを思うと、日本の音楽業界が狭くて(?)よかったなあと感じます。
ひとりでガーシュウィンとシェーンベルクって、すごいですよね。実状としてはそんな感じですけど。もっと歌謡曲みたいのもガンガン書いてくれてたらおもしろかったのに。
武満徹の歌謡曲
武満徹作曲の歌謡曲でしたら、存在します。
荒木一郎が作詞し、歌った『めぐり逢い』です。
(映画『めぐり逢い』の主題歌)
私、この曲が大好きで、かつてブログに「涙腺をブルブル振るわせるメロディ・ラインを持つ曲」と書いております。
ああ!
たしかその曲なら石川セリの武満徹曲集に入っていました。
肝心のCDがいま、発掘できません。見つけたら聴きなおしてみます。
石川セリの『武満徹ポップ・ソングス』、無事発掘されたので「めぐり逢い」を聴きなおしました。うーん、これ、完全に歌謡曲ですね。言われなかったら、武満だと分かるひと、いないんじゃないでしょうか。
さっき、NHK教育で武満の紹介番組やってましたね。なんてタイムリーな。
そうなんです。
「めぐり逢い」まさに歌謡曲です。
私は荒木一郎版しか聞いておりませんが、いかにも昭和歌謡です。
こういった武満のクラシックと映画音楽との間の振れ幅は面白いと思います。
NHK見逃しました。
リネンさんが川島雄三の『東京マダムと大阪夫人』に関連して「家電製品にまつわるストーリーの映画」という表現を出されて、さらにxiaogangさんの実録 亞細亞とキネマと旅鴉へのコメントで『欲望の翼』の冷蔵庫が印象的という鋭い指 Lazy Lounge Log【2007/03/05 08:10】