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『想い出のマルセイユ』と『パーキング』

昨晩は8時半からユーロスペースで『ローラ』を観た後、帰宅し、
豚バラ肉の煮込みと、ポタージュと(粉にお湯をかけるだけでなく、ちゃんとネギを炒めてじゃが芋を茹でてつくったやつ)、筑前煮をつくり、
ブログを更新し就寝。
今朝は6時に起き、豚バラ肉を再び煮込み、身支度をし9時5分に自宅を出て10分発の電車に乗る。
9時半頃渋谷駅に到着し、ユーロスペースに行き、今日の上映の整理番号を受け取る。
VIRONに行き、リエットを挟んだバゲットのサンドを頼み、上のブラッスリーに上がると、朝の9時台だというのに、ここのえらく高い朝食を食べる人で満席。皆ペチャクチャ話しながらパンを食べてる。
カウンターでエスプレッソ(よろしくない味)を飲みながら、
サンドイッチを食べる。
ユーロスペースに戻り、座って雑誌を読みながら上映を待つ。
ワタシの疲れは、すでに臨界点。
昨日買った『クウネル』最新号は、台所特集。
人様の台所の写真を見るのは大好きなのだが、
この雑誌、ほめ殺しみたいな文体がとにかくキモチワルイ。
ku:nel (クウネル) 2007年 05月号 [雑誌] ku:nel (クウネル) 2007年 05月号 [雑誌]
(2007/03/20)
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今日もジャック・ドゥミ特集。
まず1988年のイブ・モンタン主演『想い出のマルセイユ』。
80年代の安っぽいサウンドとファッションが満載なのには嫌悪感を感じる。
オエーッ。
今となっては、80年代のピコパコ・サウンドは無残としか言いようがないね。
主演女優のマチルダ・メイはワンピースに丈の短いジージャン着ていてさ。
冒頭のマルセイユ駅近くでの群舞などは竹の子族みたい(竹の子族は正確には1980年の現象だけど)。
一方往年のスタンダード・ナンバーやジャズを唄うところは、対照的に素晴しい。
まぁ、80年代というのはルグランもピコパコ・サウンドをやらざるを得なかった軽薄な時代だったんだねと再認識。
『ロパと王女』と同じ近親相姦がテーマの映画でした。
今回の上映に利用したフィルムはフィルムセンター所蔵のものだったのに、映画中盤に映写事故発生。
ミュージカル・シーンで突然途切れ、5分以上(10分ぐらいだったかも)待ちの状態に。

上映後、DEAN&DELUCAで食パンを買い、いったん帰宅。
19時半からの『パーキング』を観にいくためにまた渋谷のユーロスペースへ向かう。

『パーキング』は、1985年の作品。もちろんこれもジャック・ドゥミ&ミシェル・ルグラン作品。
ジャン・コクトーの『オルフェ』の大胆なリメイク。
古城に住む、日本人の愛妻を持つロック・スター「オルフェ」が、あの世とこの世を行ったり来たりするお話。
ジャン・マレーも顔を真っ白く塗った姿で出演。
これも80年代の作品なので、あの恐ろしいピコポコ・サウンドが流れるのかと恐れていたが、この作品はほぼ無傷だった。
オルフェがコンサートの時にしているヘアバンドに動く電飾が付いているのには笑ったけど。
主人公オルフェの妻役という重要な役を演じたケイコ・イトウという女優さん、目のクマの感じなどちょっと寺島しのぶ似。
とてもフランス語が流暢(にワタシには聞こえる)。
検索しても情報が出てこないのだが、どういうプロフィールの方なのだろうか?
題名がなぜ『パーキング』なのかは、冒頭すぐ判明。
こういうおとぎ話があってもいいのでは。

ジャック・ドゥミ&ミシェル・ルグランの最後の2本を鑑賞した一日。
疲れた。
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テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

23 : 05 : 53 | 映画 | トラックバック(1) | コメント(6) pagetop
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コメント
素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます (๑→‿ฺ←๑) 思い出のマルセイユのピコパコサウンド…やらざるを得なかったんでしょうね。あの時代にミュージカルを撮るとしたら、そこを時代に合わせるしかなかったんだろうな…とドゥミのがんばりを感じました!パーキング、素晴らしかったですよね(。>艸<)ユリディ~スのあのしびれる歌、何度も流れるから大好きになりました!ケイコイトウさん、謎ですよね。私も調べたんですけど何も分からなくて気になってます。ジャン・マレー白塗りで出ていたんだ!!知らなかったです。25年目のロシュでジャンマレーがたとえ自分が仕事をしなくて済むくらい豊かになっても、ドゥミの作品、ロバと王女には必ず出たであろうってコメントに感動しました(。>艸<)パーキング、DVDになってほしいです(>Д<)なんだか言葉でうまく言えないけど、あのメロディが頭に残って心を揺さぶられた映画でした(>Д<)あと思い出のマルセイユ、近親相姦をサラッと描いていましたね。ドゥミってなんでこのテーマに力を入れたのでしょう。すごく気になります。なにかご存知でしたら教えてください(。>艸<)
by: まゆ * 2007/07/09 12:12 * URL [ 編集] pagetop
まゆさん、始めまして。
コメントありがとうございます。

まゆさんは、かなり熱心なドゥミ・ファンでらっしゃると拝察いたしました。

『思い出のマルセイユ』に限らず、現時点で80年代の作品を観ると、音楽も含めてかなり気恥ずかしいものがあります。
まゆさんがおっしゃるとおり、こんな時代でも何とかミュージカルを撮ろうとしたドゥミの執念が感じられる作品だとも言えると思います。
ドゥミはこうまでしてまで、ミュージカルを撮りたかったんだなぁと。

『パーキング』、ドゥミの希望通り、デヴィッド・ボウイが出演していたら、どんなに魅力的だったろうと思います。
ボウイが冥土とこの世をさまよったら、さぞかし絵になったろうなぁと思いますし、劇中の歌をボウイが歌っていたらなぁとも思います。

ドゥミの近親相姦好き(?)、私もどういう背景があるのか存じ上げないのですが、それにしても『思い出のマルセイユ』のラスト、普通だったら大変な悲劇で登場人物は苦悩するところですが、円満にサラっとハッピーエンドとして終るところが薄気味悪かったです。
誰か、ドゥミと近親相姦について、分析してくれたらと思います。
by: リネン * 2007/07/09 22:21 * URL [ 編集] pagetop
突然お邪魔して語りまくってしまい失礼しましたぁ(>Д<)そんなそんなめっそうもないですけど、ドゥミへの気持ちは熱狂的です(*ノω`*) 授業でシェルブールを習ったのが2年なんで、ファン暦はまだまだ浅くて、ヒートアップしたのはロバのときです。ギンレイホールの会員になって5回観に行っていろんな友達連れて行ったりしました(。>艸<)残念なことに、可愛かったね、とか可笑しかったとか、薄っぺら~な感想しか聞けず悲しんでました|(゚Д゚〓゚Д゚)キョロキョロ私はもう何度観ても、なんて可愛いんだろうとトキメいてしまったんで。ってまた長くなってしまったんですが、お返事ありがとうございます(。>艸<)嬉しいです☆なんかパーキングやマルセイユを見て、80年代って世界中があんな時代だったんですね!そこが学べました!光ゲンジとかは日本だけだと思ってたんです。そしたらフランスにもいたなんて!言葉は違うけど、かぶりまくりですよね。ステージやファンのノリも全て!今見るとあきらかにファッションは痛々しくて、ダサイと言っちゃいそうです。以前の方が洗練されていて素敵だったのに…どうしちゃったんだろうと思いますよね。配色や服の形。モンパリのドヌーブのカッコは最高に可愛くてイケてます!マルセイユのマチルダのカッコ観てたら、雨に歌えばの女の子の真緑の服とか思い出しました。友達のワンピもみんな原色で。ハリウッドのミュージカルをかなり意識してますよね。なんかシェルブールとかロシュフォールってホントにハリウッドと重ならないんですけど、ドゥミがミュージカルに影響を受けたのは踊る大ニューヨークの水平さんっぽい?し、時代的にはドゥミのが後なんですよね。オリジナルすぎてそう感じさせません。
デイヴィッドボウイ、ジョンレノンとかでやってほしかったんですもんね~。こんな偉大な巨匠の作品を断らないでほしかったです(>Д<)私ボウイの歌う姿、歌など知らないのですが、さぞかしハマり役で素敵なんでしょうね。もし実現していたら結局ダサいなんてことはなくて、ドゥミの計算は狂いがなかったってことですよね☆あぁ~もう監督としてもっといい環境があったら…今も生きていたら…と悔やむばかりです。ドゥミの近親相姦とかすれ違いのテーマ…分析してもらって読みたいです(>Д<)トリュフォーはあんなに本が出ているのに…ドゥミだって取り上げてほしいですよね!(*ノω`*)
by: まゆ * 2007/07/09 23:48 * URL [ 編集] pagetop
授業で「シェルブール」って素敵ですね。
「シェルブール」は今年ニュープリントでの上映があるらしいので、大画面で観るのを楽しみにしております。

80年代、私は小学生でしたのでハッキリ当時のことを覚えているのですが、その当時は逆に60年代や70年代の映画やファッションがとても恥ずかしかったのです。
あんなラッポズボンや、ミニスカート履いてる!とか、
眉毛細ーいとか、付けマツゲなんて付けて変、とか思ったものです。
だから、これまでの法則でいくと、あと数年も経つと80年代のファッションがカッコよく見えてくるはずなのです。
たぶん。

デヴィッド・ボウイがミステリアスで幻想的な存在だったのは私が生まれる前ですので、リアルタイムでの経験はないのですが、
初期のボウイは人間ではない、まるで宇宙人な感じの存在でした。
You Tubeなどでも当時のボウイの映像、見られますので、ご興味がおありでしたらご覧になられてください。

フランス映画祭で立派な冊子が販売されていましたが、ドゥミに関する本は出版されていないですね。
DVDで手に入る作品も少ないですし。
でも、あれだけフランス映画祭は観客が入ったのだから、需要は確実にあると思うのですがね。
「シェルブール」の上映に合わせて本が出版されるといいですね。
by: リネン * 2007/07/10 00:12 * URL [ 編集] pagetop
お返事ありがとうございます(*ノω`*) マストロヤンニ、文化村でやってますね☆ドヌーヴの娘のキアラってどれだけ美しいんでしょう (๑→‿ฺ←๑) あとあと!最近ドゥミの85年作の都会のひと部屋を観たんです・・・もう最高でした、まさに甘い甘いシェルブール!それから娼婦も出てきて!母と娘のやりとりがシェルブールと重なります!ドゥミの大好きな甘いメロディー☆ミュージカル☆思い出のマルセイユより後ですよね☆晩年にあれを撮れたってのは幸せだったと思います (๑→‿ฺ←๑) 服もすっかりダサダサから戻って、ピンクのカーデに紫のワンピ☆原色のポロシャツ、真っ赤なドレス・・・85年だったけど、やっぱりあのファッションに戻ったんですね。素敵でした。設定は50年でした。音楽はルグランではなかったのですが、ミシェルってついてたんです。誰でしょう。だいぶ昔にNHKのBSでやってたみたいで、学校の図書館に秘蔵されてました。感激でした (๑→‿ฺ←๑) あのフィルムはないのかなぁ。。。ドゥミファンには絶対観てほしいです!思い出のマルセイユでがんばったドゥミ・・・からあ!やっぱりここに戻ってきたんだ!って嬉しくて嬉しくて。どう観てもシェルブールなんですもん☆全く取り上げられなかったのが悲しいです。シェルブールのあの監督が再び!!ってもっと騒いでほしかったです (๑→‿ฺ←๑)
by: まゆ * 2007/07/21 14:14 * URL [ 編集] pagetop
まゆさん

「都会のひと部屋」は版権の問題で非常に上映やDVD化が難しい作品であるとフランス映画祭のティーチインで話されておりました。
今回のフランス映画祭でも上映したかったけれども版権の問題で上映できなかった、最初はドヌーヴが出演する予定だったが、ドヌーブが役を降りたとききました。
私は残念ながら「都会のひと部屋」を見た事がありません。
なかなか素晴しい作品のようで、学校の図書館でみられるなんて羨ましい限りです。
by: リネン * 2007/07/22 13:02 * URL [ 編集] pagetop

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1945年 凡人社創立、11月に雑誌「平凡」を創刊1954年 平凡出版株式会社に組織変更1955年「平凡」発行部数140万部を突破1959年「週刊平凡」創刊。1960年 「週刊平凡」100万部突破1964年「平凡パンチ」創刊。若者向けの雑誌として一世を風靡する。1965年「平凡パンチデラック ファッションについて【2007/04/08 12:48】
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Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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