桜を見に行った後、本日もラピュタの田中登特集へ。
土曜ワイド劇場『横溝正史の鬼火 仮面の男と湖底の女』(1983年)。
昭和18年、信州の湖のほとりの旧家・漆山家の当主掬太郎(伊丹十三)は、水商売上がりの浦江(宇津宮雅代)を後妻に迎えた。家には先妻の子で11歳の満寿夫と1つちがいの弟代助がいた。兄弟は美しい義母にあこがれを抱くが、浦江は想像を絶する陰険な女で、あらゆる機会をつかまえては兄弟にけんかをさせた。仲のよかった兄弟は、この残酷な“教育”によって、骨肉相食む仇敵となってしまった。ある日、浦江と通じていた山番の死体が湖から上がり、同時に浦江もこつ然と姿を消してしまった。15年後、成人として画家となった満寿夫(中山仁)と代助(高橋長英)は相変わらずおたがいに憎しみを燃やしていた。満寿夫が代助の婚約者京子(風吹ジュン)を奪ってしまったのである…。(テレ朝チャンネルホームページより
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昨日観た『白い悪魔が忍びよる』同様メチャクチャ面白い。
この当時の2時間ドラマの作品に質の高さを改めて認識いたしました。
美しい自然、謎めいた悪女、呪われた運命の兄弟、と道具は揃っております。
主人公兄弟のファム・ファタールを演じた宇津宮雅代が魅力的かつ恐ろしい。
警察官役で植木等も出演していました(とてもいい味出してた)。
プロデューサー・岡田裕、企画・角川春樹事務所、とエンドロールに出ておりました。
この作品はCSなどで放送されることがあるようなので、機会があれば是非ご覧になられたらよいかと思います。
次に『女教師 私生活』。
ワタシ、この作品気に入りました。
当時24歳の風間杜夫が高校3年生の役をやっていますが、あどけない顔にニキビなんかあって、ちゃんと高校生に見えます。
幻想的でシンボリックな作品。
公園の芝生で、花びらが舞う中のセックスシーン、とてもファンタジックでした。
女教師演じる市川亜矢子が風間杜夫と同棲する(実質ペットとして風間杜夫を飼っている状態なのですが)部屋も、天井が高く梁なんかも凝ったつくりの古い洋館の一室で、現実感がありません。
音楽の選曲が良くて、『女教師』と同じくショパンが多用されておりました。
風間杜夫が同級生の女子生徒に夢について訊かれたとき、風間杜夫がアグネス・チャンの「ひなげしの花」のレコードをかけ、「おっかのうえ~」と流れる中、風船を膨らまして部屋の天井に風船が上がっていくのも印象的でした。
この作品は渋谷映画でした(道玄坂、渋谷地下街、公園通り、原宿駅駅前などでロケ)。
そして『安藤昇のわが逃亡とSEXの記録』(1976年・東映)。
昨年、横井英樹襲撃事件で犯人隠匿の罪で起訴された新聞記者を描いた鈴木英夫監督作品の『非情都市』を観てから(感想コチラ
↓)、『わが逃亡と~』を観たくてたまらなかったので、とても楽しみにしておりました。
まず笑ってしまうほど、劇中安藤昇が格好いい人物となっております。
安藤昇の自伝を元につくられているし、何しろ安藤昇自身が演じるので、こうなるのは当然です。
気恥ずかしいぐらいに都合よくカッコよい「安藤昇」の自慢話を安藤昇自身が堂々と演じ続けるのは観ていて面白かった。
最後に逮捕される時のあのシーンと、パトカーの中でのあのシーンは、まさか本当ではないでしょう?脚色でしょう?
全編、脚本書いた人(高田純)が安藤昇にすごく気をつかっている感じがしました。
そもそも安藤昇の自伝自体が、いかに女性を喜ばした偉大な人物であるかという内容だとどこかで読んだことがありますが。
この作品、いかにも東映「実録ヤクザ映画」で、田中登色はあまり感じられませんでした。
でも、ああいう役を堂々と演じる安藤昇を観てるだけで面白かった。
当時安藤昇は50歳でしたが、とてもそうは見えません。40歳前ぐらいに見えました。
最後に横井英樹襲撃事件の本物の映像が流れるのですが、逮捕された時の安藤昇のモノクロ映像を見ると、さすがに若かったなとは思いましたが(事件当時32歳)。
田中登のロマンポルノ、東映作品、テレビドラマと見て、ロマンポルノが真骨頂であるのは言うまでもないですが、テレビドラマが見逃せないな、と。
テレビドラマ作品のDVD化を切に願います。
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私も「女教師私生活」と「わが逃亡と~」を一昨日観てきました。リネンさんのコメント、楽しいですね。確かに、格好良過ぎですね(笑)ところで、私は逮捕時の和服女性とのアレや車中の出来事は、てっきり実話かと思って観ておりました。どうなんでしょうね。伝記とかあれば、書いてあるかもしれないですね。鈴木英夫の「非情都市」はこの事件が題材なんですかー。見逃していた作品でしたが、今一気に「観たい」ボルテージが上がってきました(笑)