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またまた鈴木則文監督来場。『トラック野郎 度胸一番星』 『聖獣学園』

本日のシネマヴェーラでの鈴木則文監督特集は、トークショーがある日。
これは大変な混雑になると警戒してかなり早めに劇場に行くも、すでに長い行列ができていて、14:30の回が始まる前には、会場はものすごい混雑状態に。

『トラック野郎 度胸一番星』。
脚本は野上龍雄(『女の小箱」より夫が見た』大好き)と澤井信一郎。
素晴しい躍動感をもつ作品。
菅原文太と千葉真一が取っ組み合いをするシーンのダイナミックさにただただ感心。
河出書房の「サド侯爵夫人」が映しだされて場内爆笑。
この作品にも反体制批判的なものが色濃くでておりました。これが鈴木則文の作風なのだなと。

『聖獣学園』(ニュー・プリント)。
キャストにまず「新人・多岐川裕美」と出る。
そう、これがデビュー作。
(元キティ・フィルムの宣伝部長がデビュー前の多岐川裕美について書かいたページあり
山内えみこ、渡辺やよいとお気に入りの女優の名前が出てきて喜ぶワタシ。
冒頭の新宿などの街で撮ったシーンにまず唸る。
うーん、これはいい。
最初から最後まで、丁寧なつくりに感心しっぱなし。
意外にも修道院についてちゃんと取材をして脚本を書いたなという印象。
イエス・キリストを「イエズス様」と呼ぶところとかね。
もちろん、こんな恐ろしいストーリーの映画を撮れた当時の寛大さに驚きと感心を感じずにはいられません。
そして何より、多岐川裕美の魅力につきます。
裸体を茨で縛られるリンチを受ける多岐川裕美の、その目に愁いと憎しみをたたえた美しさといったら。
パーフェクトです。
これまで観た鈴木監督のどの作品にも言えることですが、遠景のショットが素晴しい。
カメラがひいた状態で、空が高く目の前に湖があってその向こうに藪をバックにしたシスター二人のやりとりが見える。
その美しさに、凄いとまた唸るワタシ。
こういう一瞬の素晴しいショットを観るだけでも、作品を観に来る価値があると言ってもいいぐらい。
前回のトークショーで監督は、くだらない内容に映画をつくっていてもつい真面目ところが出てきてしまうという趣旨の話をされていましたが、この作品でも最後の方でそんな感じになってました。

そして鈴木則文監督、中原昌也氏、青山真治監督のトークショー。
あまりの観客の多さ。立ち見客もすでにいっぱいいっぱいで、多くのお客さんがトークショーの間、中に入れない状態だったようです。
鈴木則文監督×中原昌也氏×青山真治監督

『聖獣学園』は、劇画が原作で、スケバンものを撮ったから次はシスターものだと監督が考えたのだとか。
渡辺やよいの例の刑罰シーンについて、中原・青山両氏から凄いショットと音楽だとのコメント。
観客席にいた『トラック野郎 度胸一番星』の脚本を手掛けた澤井信一郎監督(当時、助監督)も壇上に登場。
鈴木則文監督×中原昌也氏×青山真治監督×澤井信一郎監督

さらに、『ドカベン』でサチ子役を演じた(当時7歳)渡辺麻由美さんも壇上に登場。
鈴木則文監督×中原昌也氏×青山真治監督×澤井信一郎監督×渡辺麻由美氏

鈴木則文監督について、渡辺さんは優しかったコメント。
優しい顔して「電話ボックスの上にのぼって」などと言うのだ、と。
澤井信一郎監督も鈴木監督は俳優・スタッフに優しく、寛大でスタッフにまかせる人だと。
『トラック野郎』だと22日で撮りきらないといけないので、カーチェイスのシーンなどは監督が撮影する時間がなく、助監督が撮っていたのだそう。
『トラック野郎 度胸一番星』で最初に幽霊が出てくる意味についてきかれると、監督は「なんでだろうねー。その辺はそのうち解明されると思います」と答えるいい加減さ。いいですねー。
すると澤井監督がこれこれこういう意味で、とマトモな説明をしてくれるのでした。
笑ってしまったのは、青山真治に対し鈴木監督が「青山君は風刺でいった方がいいよ」とのアドバイス。場内爆笑。
多岐川裕美と池玲子は鈴木監督がスカウトした女優であることに話が及び、
青山真治 「ナンパみたいにスカウトしたんですか?」
鈴木監督 「そうねー。」
青山真治 「池玲子、ものすごい運動神経なんですが、その辺はわかったんですか?」
鈴木監督 「いや、わからなかったねー。彼女は酒とタバコをガバガバやっていただけだったからねー。本当はうんと若かったんだけど、18歳ということにして出演したんだよね。(アイドル映画を撮った)澤井監督と違って夜の街からスカウトしてきたんだよ。」
こんな感じ。ふふ。
鈴木監督は新人を起用するのが好き、とおっしゃってた。
普通の人がある日突然スターとして輝くのを見るのが好き、「純子」と呼んでいたのが、「藤さん」と呼ばなきゃいけなくなるのが、ボクは好きなんだよ、と(ここで場内爆笑)。
中原昌也が『聖獣学園』の山内えみ子が途中いなくなってしまって残念だったと言うと、鈴木監督が話が広がりすぎてしまったので、まとめるためにああしたのだと。
どうも自分は話を色々盛り込み過ぎてしまうとおっしゃっていた。
『華麗なる追跡』の志穂美悦子のスタント無しのロープウェイのアクションが凄いという話になると、
「いやー、死んでしまっても何とか映画が完成するように、あの場面は最後に撮ったんだよね。」
あははは。参りました。
『華麗なる追跡』については、眠たかった鈴木監督の代わりに澤井監督(当時・助監督)が行った編集が素晴しかったと褒めておりました。
青山真治が『ドカベン』の泣けたというシーンの話をしたとき、
鈴木監督が当時まだ残っていた撮影所システムの力とエネルギーを惜しむ話をされていたのが印象的でした。
本の中でも『ドカベン』を褒めていた中原昌也、今日も『民族の祭典』に並ぶスポーツ映画の傑作だ、と言っておりました。
話は幻の『トラック野郎』の11作目のことに及び、突然製作中止になったことについて。
澤井監督によると諸々の会社の事情があったと。
幻の11作目の脚本について、記憶喪失と『恐怖の報酬』が盛り込まれた内容であったと。
と突然、鈴木監督が思いついたように記憶喪失は映画の永遠のテーマだねぇと、それをネタに何か思いついた模様。
澤井監督の説明によるとマドンナが記憶喪失で、菅原文太と結ばれそうになるも、最後記憶が戻り元の恋人のもとにいってしまい結局文太は失恋するという内容だったそう。
この時、一列目の客席から脚本の詳細について口出ししてくる人がいて、なんだなんだと思ってみていたら、
何とそれはその幻の11作目を共同執筆していた荒井晴彦氏でした。
そして荒井晴彦氏も壇上へ。
鈴木則文監督×中原昌也氏×青山真治監督×澤井信一郎監督×渡辺麻由美氏×荒井晴彦氏

(左から中原昌也氏、澤井信一郎監督、渡辺麻由美氏、鈴木則文監督、荒井晴彦氏、青山真治監督)
シナリオ・ハンティングのための長崎旅行に、「荒井君はこなくていいよ」といって連れて行かずその浮いたお金で豪華な思いをした、とかそんな話をしていました。
荒井晴彦氏が『トラック野郎』の脚本を手掛けていたなんて全く知らなかったです。
そして、鈴木監督、観客に「『ドカベン』観てくださいー!」と言って今日も何度も手を振りトークショー終了。

おおよそこんな内容(かなり抜粋)。
荒井晴彦さんに挨拶して帰ろうと思ったのですが(以前ブログにも書きましたが、かつてオールナイトで酒席を共にしたことがあるので)、
劇場のあまりの混雑ぶりにそれどころではなく、
本当にシネマヴェーラがはじまって以来の、とんでもない混雑ぶりで、そのまま劇場を出ました。
中に入れないほどの観客の数に、「自分は娯楽映画の監督だから、お客さんが入ってもらわないと」と何度も言われてた鈴木監督、感無量だっただろうなー。
今回の特集でワタシは、エロ・笑い・アクションといった内容の娯楽作が極めて緻密に真面目に撮られているのを観て感嘆し、また監督の「観客を楽しませてなんぼ」の徹底した精神をその人となりからも十二分に感じることができ、幸せな映画体験をしたなと(まだ特集は続きますが)。
自分の作品は後世に残らなくいい、映画とは夜空の打ち上げ花火のようなものだ、という監督の言葉に乾杯。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

23 : 59 : 33 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) pagetop
<<『多羅尾伴内』 と『ドカベン』 | ホーム | 『祭りの準備』>>
コメント
すごい混雑でした!!
私はトークショーの40分程前に劇場に着いたのですが、既に場内は立ち見でいっぱいで、ロビーで聴いて下さいと言われましたよ(涙)想像以上の混雑で、ほんっとすごかったです!結局立ち見の更に後ろのドアの辺りにへばりついて、お話を聴くことができました!緊張状態の中耳を澄ましていたので、いつもより話をよく聴けたかもしれません(笑)その代わりお姿は殆ど拝見できませんでしたが。リネンさんのところでお写真を拝見できたので嬉しいです。これで私の中でのトークショーは完璧です(笑)
それにしても荒井晴彦さんとオールナイトで酒席を共にしたなんて凄いですね!貴重な体験ですねー♪
by: kobutatoahiru * 2007/05/06 08:59 * URL [ 編集] pagetop
いやぁ、トークショー、ホントとんでもない混雑でした。
最後、荒井晴彦と青山真治が一つの椅子を半ケツで座り合うという貴重なキモチ悪いシチュエーションになっておりました。
今日も朝からの回も大入りで、監督嬉しいだろうなと思います。

荒井晴彦さんとの酒席では、夜の7時ごろから朝の5時まで少人数で飲みっぱなしという、とんでもない幸せな状況だったのですが、その時はまだ日本映画のことを全然知らなくて、新宿ツタヤにコーナーがある人だ、ぐらいの認識で、今考えると、色々訊きたいことがあり、返す返すも悔やまれます。
by: リネン * 2007/05/06 16:00 * URL [ 編集] pagetop

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Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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