本日も堂々スッピンで劇場に行き、4本観ました。
まずシネマーアトンにて中島貞夫監督の『ジーンズブルース 明日なき無頼派』。
何といっても音楽(井上忠夫)が最高な作品。
一部の音源がCD化されているけど、流れる音楽すべてイイいので、
BGVにしたいぐらい。
冒頭、梶芽衣子と渡瀬恒彦が出会うまで、梶・渡瀬それぞれの状況を交互に、殺しのシーンなどをスローモーションでみせるのが面白いのですが、そしてついに二人が交通事故で運命的に出会った瞬間、東京地方に地震発生!
シネマアートンがグラグラと揺れました。
揺れながら梶・渡瀬を観ながら、下北沢からウチまで歩いて何分だろ?とか考えてしまいましたが、大事にならなくて何より。
主人公二人は男と女の関係になることもなく、破滅への逃避行をするんかいな?そんなバカな?と思って観ておりましたが、
ラスト直前、ちゃんと結ばれておりました。よかった。
それから、作品には罪のないことですが、
警察官が任務中に殺されるシーンが何度かあり、
実際に警官が殉職する事件が起こったばかりなので、そういうシーンは観ていて辛かった。
フィルムは、かなり危険な状態でした。
個人的なことですが、梶芽衣子がママをしている売春バーにぶら下がっていたオレンジのランプシェードが昔の我が家の食卓にあったものと同じだった。
次に深作欣二監督の『資金源強奪』。
傑作。素晴しい。しかも爽やか!
ワタシ、北大路欣也に惚れました。
渡辺やよいとか、梅宮辰夫とか俳優も魅力的なんだけど、何といっても脚本の妙。
ラストの素晴しさといったら!観ていて、爽やかな風が吹いてきました。
深作作品の中で『県警対組織暴力』の次ぐらいに好きになりそう。
とてもコミカルかつ前向きな娯楽作なので、カップル、ご家族での鑑賞にもオススメです。
なぜに深作欣二のクレジットが「ふかさくきんじ」と平仮名になっているのか謎に思っていたのですが、それについてはウィキペディアに記載がありました。
フィルム状態とても良し。
次に中島貞夫監督作品『狂った野獣』。
あああ、これも傑作。
バスの乗客一人一人の描写の素晴しさ。
『新幹線大爆発』では犯人達のバックグランドを回想シーンの挿入で説明してましたが、この作品では乗客である学校教師と保護者の母親の不倫カップルの説明シーンが挿入されていて、乗客側に描写の比重を置いているのがミソ。
渡瀬恒彦が、路上駐車している自動車がたくさんあるのに、ビール・ケースを積んでいる自転車を奪い、フラフラになりながら漕ぎだすのを観て、「エー、自転車?」と驚くんだけど、その直後に彼のバックグランドの説明に切り替わり、そうだったんかーと思ってみる自転車を漕ぐ姿、よいです。
そして渡瀬恒彦がバスのハンドルを握り、パトカーとのカーチェイスが延々続き、八方塞に状態になったあたりで、「『暴走パニック 大激突』と同じくカーチェイス長いな、もう飽きちゃうよー。どうせ渡瀬恒彦殺されちゃうんでしょ」と思った瞬間、話はもうひとひねりあり、思わぬ展開へ!
これまた素晴しいラスト。
いやぁ、参りました。
フィルム状態はかなりヤバかったです。
シネマアートンで東映作品3本観た後、大急ぎでシネマヴェーラへ移動。
シネマヴェーラのような新しい、明るい劇場でロマンポルノを観るのは不思議な感じ。
(ワタシがこれまでロマンポルノを観た劇場は、新文芸坐、ラピュタ、シネパトスぐらい)
ロマンポルノ特集のラスト1本『わたしのSEX白書 絶頂度』を鑑賞。
とても不思議な作品。
不思議な描写も散見されるし、登場人物の人間関係も不思議だし、心の動きも不思議。
終わり方も謎。
不思議な何かを観ている、という感じでした。
大学生の頃は1日6本とか、2日で8本とか観たこともありましたが、
今のワタシには1日4本で限界を感じました。
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