まず、フィルムセンターの川島雄三特集の最終日の最終上映である『イチかバチか』を鑑賞。
相当面白い。
フィルムセンターの解説に「大胆な俯瞰ショットが多く、新しい川島映画を予感させるものだった~」とありますが、まさにその通りで、最初から最後まで、俯瞰ショット、下からの極端なあおり(車の中のシーン)、椅子の背もたれや窓枠など格子越しに人を撮るショットなどなど斬新なショットの連続。
ダイナミックでスピード感があり、ユーモアも冴えていて、とても楽しめました。
それから伴淳三郎演じる鉄鋼会社の社長宅として映っていた洋館は、大正時代に鉄鋼業を興した実業家が建てた邸宅で現在は
ロアラブッシュという名前のフレンチ・レストランとして営業しております。特徴ある角錐ですぐ「ロアラブッシュだ」とわかりました。
あと、ハナ肇演じる地方都市の市長の市長室が映った途端、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルとまったく同じ内装なんで、噴出してしまいました。仕事が細かい。
この映画を観ていて思ったのは、鉄鋼・製鉄所という空間は映画的だな、と。
例えば『地獄に堕ちた勇者ども』のナチス時代の製鉄工場、『下町の太陽』の零細鉄工所、そしてこの『イチかバチか』の製鉄工場、いずれも工場そのものが生き物のように力を持っていて映像に映し出される。
ダム映画特集のチラシがおいてありましたが、鉄鋼・製鉄所映画特集もいけそうです。
次に、ユーロスペースのアルトマン特集『名誉ある撤退~ニクソンの夜~』。
世界史の授業を思い出しつつ鑑賞。
映画としては正直、理解不能。
ニクソン役のフィリップ・ベイカー・ホールが大統領執務室で酒を飲みながら悪態を吐き続ける一人芝居。
酔っ払っていながらも大統領役なだけあってとても聞き取りやすい英語でセリフを話しているので、ひたすら英語の聞き取りに集中して観ておりましたが、最後の方は苦痛で身悶えてしまいました。
キツかった・・・。
スポンサーサイト