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蔵原惟繕『愛と死の記録』

先日シネマアートンで『黒い太陽』を観て、蔵原惟繕監督の作品を出来るだけ観ていきたくなりました。
今日は終戦記念日。NHK BSで『愛と死の記録』(1966年)が放送されました。
二十歳のレコード店の店員・和江(吉永小百合。当時としては情熱的で積極的な性格の女の子の役柄)が被爆者である印刷工・幸雄(渡哲也。この頃の渡哲也、渡瀬恒彦によく似ている)と恋に落ち、周りの反対を押し切って余命僅かな幸雄を見取り、後を追い自死する物語。
この哀しいお話を、終始カメラ(撮影・姫田真佐久)は退いた状態で人物を映します。
吉永小百合と渡哲也がロングで映し出されるとき、常に街や風景がいっしょに映っています。
二人が出会い愛を確かめ合う時は蒸気を吐いてやってくる汽車が映り、渡哲也が吉永小百合に被爆者であることを告白するシーンでは、有名な峠三吉の原爆詩集「ちちをかえせ ははをかえせ~」が刻まれた石碑が横に映っています。
普段はそういうものをいっしょに映すのは作為的で野暮に感じるのですが、全然そう感じさせません。原爆病院の屋上で風にはためく洗濯物の奥に吉永小百合が渡哲也に愛を語るが見えるというところも美しかった。
白黒の画面に映る若い悲恋の二人といっしょに映る自然や広島の街などの背景の組み合わせが限りなく美しく感動的で、こういうストーリーの映画が陥りがちな涙を無理強いすることなく、心を揺さぶるのです。
最初から最後まで画面に映るすべてが完璧で美しかった。それも嫌味な感じではなく。

音楽は黛敏郎で、レコード店でふざけるシーンで『月曜日のユカ』のテーマ曲が流れます。
それとチャイコフスキーの「悲愴」が印象的に使われていて、二人が始めてデートする時から悲劇的な運命を暗示させ、映画は「悲愴」で終ります。

『愛と死の記録』の後に、吉永小百合が長年続けている原爆詩の朗読の運動を追ったドキュメンタリー番組が放映され、改めて現在の吉永小百合の美しさに驚きました。
彼女が原爆について向き合うきっかけになったのが『愛と死の記録』だそうで、実際の原爆病院の医師や看護婦が映画にそのまま出演したそうで撮影時ドキュメンタリーのように感じたと話していました。

難病ものとか悲恋ものの作品だとつい先入観から避けてしまうことがあるのですが、『愛と死の記録』、純粋に美しい作品として見てもらいたいと思いました。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

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Author: リネン
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東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
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