新宿武蔵野館のレイトショーで『ドッグ・バイト・ドッグ』を鑑賞。
(上映前の予告編でマイケル・ムーアの『シッコ』の後に『大統領暗殺』が流れたのには笑ったよ)
原題名『狗咬狗』。映画の内容は題名そのまんま。
これは相当な、かなりの問題作だと思いました。
こういうタイプの香港映画、初めて観ました。
香港が舞台でロケ撮影なんだけれども、一部のシーンをのぞいて、どこで撮影しているのかさっぱりわからない。香港映画の特徴とも言える街が持つ生活感に満ちた猥雑さ、混沌した感じが漂うことはなく、ゴミ埋立地とか建築の取り壊し現場などでのシーンが多いので無国籍感が強い。SF作品によくある未来都市のイメージ。
殺人マシーンのエディソン・チャンと狂犬刑事サム・リーがガチンコで戦う時に二人の身体の動きがまるで格闘ゲームなのには笑いました。
意外にも脚本が上手いと思わせる部分が結構あって、例えばサム・リーの父親の話を絡めるところとか、上司の警部の心の動きとか。
そして舞台がカンボジアに移ってから驚くような展開をするのです。
こんなドライな香港映画観たのは『省港旗兵・九龍の獅子 クーロンズ・ソルジャー』以来。何しろ冒頭、レストランで女性(おばさん)を暗殺するところから始まるんですからね。容赦ないです。
でもこの映画の中でワタシが一番ドキドキしたのは、カンボジア人で中国語がわからない設定のエディソン・チャンが暗殺のために入った中華レストランで、食べたい料理に自分でペンで印を付けるタイプのメニューを渡され、書き込んだ後、そのメニューが映るところ。
いったいどの料理にマルを付けたんだろう?!と手に汗にぎってしまいました。
メニューが映った瞬間、噴出しつつ、やっぱそうだよなーと納得。
この映画、今週金曜日までの上映ですが、その後語り草になるタイプの作品だと思いました。
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