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傑作『二匹の牝犬』とアホクサ 『俺の血は他人の血』

本日、シネマヴェーラの11時の回から『二匹の牝犬』と『俺の血は他人の血』を鑑賞。

まず『二匹の牝犬』(1964年、東映、渡辺祐介監督)。
大傑作!必見です。
小川真由美演じる千葉の漁村出身のトルコ嬢はカラダをはって貯めた金を株に投資。200万円貯めたらキッパリ足を洗ってまともな商売をして、大卒ホワイトカラーの証券会社の営業担当・杉浦直樹を結婚するという夢を持っていて、その夢の実現ももう目前。ところが千葉から腹違いの妹・緑魔子が彼女の部屋の転がり込んできてから、彼女の人生の歯車が大きく狂い始める・・・というお話。
映画は、売春防止法施行の日の赤線地帯から始まります。溝口健二の『赤線地帯』は完全にセットでの撮影でしたが、この作品はロケのようです。ここでのショットがまた冴えていて感心していると、遊郭「夢の里」(『赤線地帯』の店の名前も「夢の里」だった!)の中で沢村貞子と(彼女もまた『赤線地帯』で「夢の里」のおかみさんだった)、身体を売る前に法律が施行されまだ田舎娘のままの小川真由美のやりとりになり、カメラは小川真由美のお尻を強調して撮ります。
次に東京証券取引所の光景に移ります。
ワタシ、ここまででこの作品は傑作に違いないと確信いたしました。
最初から最後まで的確なショットとカット割の連続に観ていて快感を覚えました。
この作品のカットつなぎが絶妙にブラックユーモアが効いていて、例えば、杉浦直樹が小川真由美に「あなたの職業は何なんですか?」と尋ねると(小川真由美はトルコ嬢であることを秘密にしている)次に彼女がトルコで働いているシーンにつながるとか、小川真由美とトルコ嬢達が「男は女の尻を追いかけるのよ」「いやぁねぇ、女の尻を追いかけるなんて」とか話していると、次に結婚相手であるはずの杉浦直樹が妹の緑魔子とセックスしているシーンに変わるとか、ホント意地悪で打てば響く感じ。
この作品、杉村春子以外の文学座の俳優達が総出演していて、トルコ風呂の主人が北村和夫だったり(これはやっぱり殿山泰司か進藤英太郎の役でしょう)、トルコの客として加藤武が出ていたりいたします(加藤武が出たとき場内に笑い)。
先日のトークショーで、文学座の財政建て直しのために俳優達が出稼ぎで出演していたと説明がありました。その文学座の俳優達を始めとして俳優が皆オーバー・アクトで、特に沢村貞子(元遊郭の女将さん、今は売春のあっせんをしている悪徳ババア役)のオーバー・アクトぶりにたまげました。
こういう俳優達のオーバー・アクトのぶつかり合いはともすれば観ていてゲンナリするのですが、この作品はそのギリギリの一線を踏みとどまっていて、かつ話自体が相当劇的でオーバーなものなだけに、楽しく観られるのです。
後半、裏切られていく小川真由美なんて演技、照明ともにまるでホラー映画ですよ。
緑魔子は本作がデビュー作ですが、物凄い貫禄。小川真由美とがっぷり四つです。劇場の作品解説に書いてある杉浦直樹をめぐってのキャット・ファイトはスロー・モーションで美しい仕上がりでした。
(ワタクシ、先日『実録不良少女 姦』の壮絶キャット・ファイトを観たばかりなので、ちょっとやそっとのキャット・ファイトでは興奮いたしません。)
緑魔子が杉浦直樹に飽き足らず、同じ団地に住む若い男性を誘惑するのですが、これが若き岸田森。豪華ですなー。
映画は最後トルコのシーンで、カメラが引くとネオンが映り、吉原、浅草のネオン街の遠景で終わります。ここも見事でした。
この作品、俳優達の熱演、怪演のぶつかり合いも魅力ですし、計算しつくされた隙のないカメラとカット割りも見事ですが、何といっても脚本が素晴しい。
トルコ嬢達の生き生きとした(というか生々しい)やりとりの素晴しさったら。
それから小川真由美や緑魔子や沢村貞子も熱演もいいのですが、個人的な趣味として究極のダメ男を演じた杉浦直樹がツボだったこともあげておきます。このダメダメっぷりったら強烈です。若い頃の杉浦直樹は見逃せないなーと再認識いたしました。
あと沢村貞子が、新札のことをシネマスコープという言うセリフがあって、こういう言い方は面白いなと思いました。

次に『俺の血は他人の血』。
これは74年の松竹映画。
アホクサ、です。酷い作品でした。
役者にあんなに台詞で説明させちゃイカンでしょう。
ダラダラしてるし。
ヒロインは先日観た『ウルフガイ 燃えろ狼男』に続き奈美悦子です。
この映画での奈美悦子、雛形あきこ似の美人です。かわいかったんですねー。
火野正平のデビュー作なんだそうですが(しかも主演)、フランキー堺が火野正平のことを「君は母性本能をくすぐるところがある」と言うセリフに笑っちゃいました。
やっぱり、そうでしたか。火野正平。
後の女性関係での大活躍ぶりが既にデビュー作で予言されておりました。

皆さん、『二匹の牝犬』を観にシネマヴェーラに行って下さいね。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

21 : 24 : 43 | 映画 | トラックバック(2) | コメント(2) pagetop
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コメント
「二匹の牝犬」最高!
こんばんはー。
「二匹の牝犬」観てきました。スリリングな展開がめちゃくちゃ面白かったです。
小川真由美のマイワールド作っちゃったようなひんやりとした演技が好きですが、緑魔子はそれさえのしちゃうような勢いでした!最後は彼女の一人勝ちでしたね。
杉浦直樹は向田邦子作品のドラマの人、というイメージが強かったのでびっくりしましたが、なかなか食わせ者でナイスでした。
by: なべら * 2007/10/02 21:40 * URL [ 編集] pagetop
なべらさん、こんにちは。
「二匹の牝犬」、傑作だと自信を持って言える作品です。
最近、杉浦直樹に痺れていて、ますます惚れてしまいました。
緑魔子、「二匹の牝犬」のときとその後の作品では全然鼻の高さが違うのに驚いてしまいました。大きなお世話かもしれませんが。
by: リネン * 2007/10/03 10:39 * URL [ 編集] pagetop

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北村和夫に関する最新ブログ、ユーチューブ、ネットショッピングからマッシュアップした口コミ情報を提供しています。 プレサーチ【2007/10/01 10:20】
シネマヴェーラにまたもや行ってまいりました。 まずは、「二匹の牝犬」(1964・ ブログションガネー【2007/10/02 21:33】
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 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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