以前当ブログで、劇場用フィルムがジャンクされて上映されることがなかった田中登の監督第1作目作品『花弁のしずく』を田中登ファン、中川梨絵ファンの有志でカンパしてニュープリントを焼き、ワタクシも僅かながらその運動にカンパしたことを書きましたが、(「復活花弁のしずく」のサイト
http://www18.ocn.ne.jp/~kamiya/index.html)、本日川崎のグリソムギャングにて上映会が開催され、中川梨絵さんも来場されました。
中川梨絵さんと一緒に皆で『花弁のしずく』を鑑賞。
正直、せっかく皆でカンパしてフィルムを焼いたのにつまらない作品だったらどうしようと内心思っていたのですが、それは杞憂に終わりました。
映像は美しく重厚。
その後(細かく言うと2作目から)開花する田中登監督の才能がこの処女作に見てとれるなというのが感想です。
舞台の鎌倉をとても美しく撮っていて、中川梨絵さん演じる主人公が華道の先生ということもあり耽美的かつ硬めな典雅な世界が繰広げられていたのですが、あるシーンを境に次から次と突っ込みどころの連続になってしまい、梨絵さんもラグビーの場面から声を出して笑われ始め、高橋明登場シーンでは梨絵さんも含め場内大爆笑。
いやぁ、この高橋明にはワタシも腹をかかえて笑ってしまいました。
キャスト・ロールに高橋明の名前を確認したのに、なかなか登場しないので、どんな役でいつ出てくるんだろう?と思いつつ観ていたのですが、想像を超えた役で突然登場し、スクリーンに高橋明が登場した途端笑ってしまいました。
梨絵さんも観ながら「メイさんだー!」と後ろで声を出される始末。
そして高橋明は衝撃的なトンデモナイ行為におよび、これには更に爆笑するしかありませんでした。
その後も、トンデモナイ場面の連続に場内爆笑。
大盛り上がりで映画は終わりました。
田中登監督は恐らく観客を笑わせるつもりではなく大真面目に撮られたんだと思いますが、しかし、笑ってしまいました。
ですが、とてもいい作品でしたよ。
『花弁のしずく』、それはまぎれもなく田中登の世界そのものでした。
もう一度、いや二度三度と鑑賞したい作品だと思いました。
上映後、中川梨絵さんのトークショー。
映画で場内がとても盛り上がったこともあってか梨絵さんの舌はいつにもまして滑らかで、お話最高に面白かったです。
東宝ニューフェイス時代の話から、ロマンポルノ作品『OL日記 牝猫の匂い』に出演し、次に『花弁のしずく』に出演したというお話。
『花弁のしずく』の中で、着物が天井に向かって飛んでいく(というか落ちていく)カットがあるのですが、その着物は中川梨絵さんの私物なのだそうです(劇中梨絵さんが身に付けていた着物は衣装とのこと)。
鎌倉駅で○○○を○○されていることから、ウッとするように田中登に指示されたときはバカじゃないかと思ったと冗談めかして話されておりました。
一生忘れられないとワタシが思った犬のシーンについては、梨絵さん、覚えていないけれども、「犬は平気平気、○○○もOK!」と話されておりました。
(○○○は作品を観ればわかります)
ほか、田中登監督と神代辰巳監督の違いについても話がおよび、『恋人たちは濡れた』の撮影時のエピソードも紹介されておりました。
梨絵さんは今日初めて『花弁のしずく』ニュープリントをご覧になって(つまり35年ぶり)、今回ファンによりニュープリントが実現して本当に良かった、素晴しい作品だった、この作品には私の原点があると話され、ニュープリントにたずさわったファンの人たちに感謝の意を表されておられました。

トークショー終了後、梨絵さんを交えて懇談会というか飲み会。
梨絵さんに『OL日記 牝猫の情事』のDVDにサインしていただきました。
一緒に写真も撮っていただき、梨絵さんが女子高生だった頃俳優Oにストーカーされたエピソードや、今や俳優として活躍している歌手Iは梨絵さんが俳優をやるように勧めたという話をうかがいました。
『花弁のしずく』、作品はまだ蕾ながら田中登の魅力が詰まっていましたし、中川梨絵さんのお話は愉快でしたし、有志の方たちと楽しく交流することもでき、ニュープリント運動に参加して本当に良かったです。
今度どこかの劇場で『花弁のしずく』が上映されるときはまた観に行きます。
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