今日は有給休暇を取って新宿のJR東京総合病院(新しくて清潔で、お医者さんは丁寧でいい病院です)に行きました。昨年末患った肺炎の療後が思わしくないので診てもらったのですが、色々な薬をいっぱい処方され、突発性難聴の治療薬も服用しているのでかなりの薬漬け状態。
無事身体が回復したら、マクロビオティックでも始めようかな…、ホント。
ワタシのいとこ(年下・男)がJ○東日本の新宿南口の本社に勤務しているので、ランチを奢らせようと思いついたのですが、病院が予想よりかなり時間がかかったので諦め、甲州街道をテクテク進み、マルイの中の青葉でラーメン食べましたよ。青葉、やっぱりウマイ!
せっかく有休取ったのだから映画観なきゃということで渋谷に移動し、シネマヴェーラへ。
前から観たかった『Hole』を観るためです。
平日の昼間だというのに、シネマヴェーラ、お客さんでいっぱいです。 『ニューヨーク・ニューヨーク』 を観に来た人たちでしょうか?いつも名画座にいる観客の顔ぶれとかなり違っておりました(そして、普段シネマヴェーラではあまり見かけない上映中携帯電話の液晶画面を光らすバカが数名)。
1本目、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の『Hole』。
『西瓜』にそっくりですね。というか『西瓜』の合わせ鏡のような作品(『西瓜』は日照りで雨不足で、一方『Hole』は土砂降りの雨が続いている設定だけれども)。
カメラの動き、見ていて本当に心地良かったぁ。
かなり気に入りましたよ。
ヤン・クイメイの部屋がティッシュ・ペーパーのストックだらけなのには笑った。ウチの母親みたい。
次、マーティン・スコセッシ監督の『ニューヨーク・ニューヨーク』 。
物語は1945年、日本が降伏し戦争が終った瞬間のNYはタイムズ・スクエア(のセット)から始まります。
これ、アメリカ版『鶴八鶴次郎』なんですねー(もっとも成瀬巳喜男の『鶴八鶴次郎』は34年のアメリカ映画『ボレロ』のリメイクなのですが)。
77年の作品でロバート・デニーロのルックスが男盛りなのですが、いやぁもう、正直最初からロバート・デ・ニーロの大袈裟な演技の連続を観るのが辛かったです(事前にTさんの日記からこの作品が「デ・ニーロのメソッド演技大会」であることは知っていて覚悟していたのですが)。
163分もある作品なのですが、デ・ニーロがいちいち台詞や台詞の中の言葉を2度3度と連続して言うので(脚本上は1度しかない台詞をデ・ニーロの判断で何度も繰り返していると推測。『タクシードライバー』の「You talking to me?」じゃないんだから、そんなに何度も繰り返さないでくれ…)、デ・ニーロの一人鸚鵡返しが無ければもっとテンポ良く映画が進むのにと何度思ったことか。
あ、デ・ニーロが劇中着ていたダブルのソフトスーツなど衣装の生地が最上級な感じで、髪型も含めステキでした。
もう一人の主演、ライザ・ミネリが素晴しく、ファニー・フェイスが何ともチャーミングで、オーケストラと唄っているときの衣装やメーキャップも彼女の魅力を最大限引き出していて、もちろん歌も踊りも最高で、彼女の魅力にすっかりやられましたよ。
音楽に関してはとても興味深く、映画の最初の方はスウィング・ジャズ最盛期で、ビッグ・バンドの中でデ・ニーロのテナー・サックスは明らかに音が多すぎで周りから浮き出ていて、そのうち時代がビバップになりデ・ニーロの演奏が生き生きとしてきて、最後、彼の旧友の黒人トランペッター(セシル・パウエルという役名だった)が演奏する音楽はまるでドン・チェリーでした。
(ドン・チェリーがオーネット・コールマンに出会うのは1957年。まさにこの映画にドンピシャです。)
この作品、ライザ・ミネリがレコード会社と契約しスターになりニューヨークからハリウッドに行き、『ハッピー・エンディング』という題名のハリウッド映画に出演するというストーリーになっていて、その『ハッピー・エンディング』はスターを夢見る女の子がスターになり映画に出演する物語という設定なものだから、作品中にかなりの長い時間の劇中劇中劇(!)が挿入されていて、入れ子を長い間見せるという点でユニークでありました。
ワタクシ、「ニューヨーク・ニューヨーク」という曲はフランク・シナトラの歌でもちろん知っておりましたが、今日までこの映画のために書き下ろされた新しい曲で、オリジナルはライザ・ミネリだということを知りませんでした。古いスタンダードだと思っておりました。
そう思い込んでいる人、ワタシのほかにもいるのではないでしょうか?
ライザ・ミネリの「ニューヨーク・ニューヨーク」 、素晴しかったです。彼女の代表作『キャバレー』はビデオでしか見たことがないので、ぜひともスクリーンで観たいと熱望いたします。
スポンサーサイト