ルイス・ブニュエルの『昼顔』を観に、銀座テアトルシネマへ。
9時50分からのモーニング上映だと言うのに、お客さんで大行列。チケット販売に時間がかかり10分遅れての上映となりました。場内満員の中で鑑賞。
スクリーンで観たのは初めてです。
とにかくサンローランの衣装が素晴しいです。
澁澤龍彦も「スクリーンの悪魔」の中で触れていた、ドヌーヴの肩章が付いた黒のコートと、その下に着ていたベージュのまたも肩章が付いたワンピースがため息が出るほどステキ。
この作品、ドヌーブの衣装が色々暗喩していていいのです。
続いて、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『夜顔』を鑑賞。
『昼顔』の純粋な続編として観ると(特に連続で観ると)、肩透かしを食らうなと思いました。
セヴリーヌを演じたのはカトリーヌ・ドヌーヴではなく、小柄なおどおどした所帯染みた感じのなビュル・オジエ。
見た目がドヌーブと違うだけでなく、そもそもキャラクター設定が『昼顔』のセヴリーヌと変わってしまっていて、続編という位置づけで『夜顔』を観ると違和感を感じずにはいられません。
独立した作品として『夜顔』を観れば、雨に濡れた夜のパリや老いた男女のやり取りなど楽しめるなと思いました。
ミシェル・ピコリとビュル・オジエのディナーのシーンでの長ーいワンショットや(映画のポスター写真の場面)、レストランのボーイたちが片付ける動作をまたロングで撮り続けるのが憎い。
前作『永遠の語らい』を観に行ったときは、最後正直なんじゃこれーと思ったのですが、今回の映画はそのようなトラップはありませんでした。良かった。
ロビーに貼ってあった日経の中条省平氏による批評(5つ星)が作品以上に素敵でありました。
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渡辺やよいさんのお店「蔵間」にて、東映映画ファン40名と新年会。
今日は内藤誠監督、吉田達プロデューサーも来て下さり大盛り上がり。
店内『不良番長 やらずぶったくり』が流れる中、吉田達さんには当時の東映の素敵なエピソードをうかがい、内藤誠監督には『番格ロック』について質問させていただきました。
『番格ロック』の舞台が新宿ではなく池袋であることについては、新宿の映画は他にも色々あるからだそうで、当時池袋で撮影することは諸々な事情で(察してね)新宿より難しかったのだそうですが、『番格ロック』は女の子たちのお話だからOKだったとのことです。
撮影時から、この作品を認め合う女の子同士の高尚な友情というテーマをはっきり意識した上で撮っておられたのかおききしたところ、内藤監督、「うん、それは思っていた」と即答されてました。
2次会も含め、やよいさんが切り盛りされる中、吉田達さん、内藤監督、そして強烈な東映ファンの皆さんとちゃんこが食べられ楽しい夜でありました。
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