本日、アン・リー監督の『ラスト、コーション(色・戒)』の初日。
ワタクシ、トニー・レオンが大大大好きでして、彼の顔も演技もとにかく好きで、あの濡れた子犬の目で見つめられたら、お金もあげたくなるし、ト○○に行って働いてくれと言われれば行ってしまうな(もっとも店が雇ってくれんでしょうが)などと妄想するぐらい好きなわけで、『ラスト、コーション』の上映を首を長ーくして待っておりました。
何しろ既に香港や台湾で観た方々から、エロいとか、トニー・レオンの大切なものが見えるとか色々聞いていたものですから。
気合を入れて、バルト9の10時からの初回で観てきました。
うーむ…。
可もなく不可もなく、といった感じでしょうか(と思ってしまったということは不可か)。
決してどこが悪いというわけではないのですが、面白くないというか、魅力的でないというか、見終わった後何も残らないというか、説得力がないというか。
まず、トニー・レオンがオッサンなのにビックリ(見終わった後、『ラスト、コーション』特集の「キネマ旬報」を読んで、中年に見えるよう老けメイクをして撮影したと判明)。
いや、人間誰しもオッサン、オバサンになるわけでオッサンなのが悪いと言っているのではありません。色気があればいいのです。
が、話題になっているセックスシーンですが、ちっともエロくありません。色々映っていたはずの大事な部分はボカシが入っているのですが、ボカシの有無とは別問題で全然色っぽくもやらしくもない。ボカシもなくても同じ印象でしょう。
ロマンポルノなど局部を映さずともいやらしく色っぽく撮ったセックス・シーンを見てきた我々日本人にとっては、『ラスト、コーション』のセックス・シーンは味気なさ過ぎる。もっと湿っぽく撮った方が好みなんですけど。機械体操じゃないんだから。
まぁこのカラっとした感じは大陸的なのかも知れません。
セックスシーンが魅力的じゃないので、湯唯演じる女スパイが暗殺の標的のトニー・レオンに惚れてしまうことにいまひとつ説得力がありません。
もしかしたら、今のトニー・レオンではなく『花様年華』の頃のトニー・レオンのルックスなら説得力があったのかも…。
とにかく、まったくベッドシーンがなかった『花様年華』の方がよっぽどセクシーで情念に満ちておりました。
湯唯は目がとても良かった。切れ長で力強く鋭くて。身体は肉付きがなく好みじゃないけれど。
『ラストコーション』、情念不足で物足りない印象を受けたのは、ワタシが若尾文子の大映映画やロマンポルノをいっぱい観たためでしょうか。
何というか、あの上海の街ごと巨大セットでみんな撮影してるなー、という感じの映画でありました。
ラピュタに移動し、岡本喜八特集で3本鑑賞。
『独立愚連隊』、不覚にも途中かなりの部分寝てしまい、三船敏郎が出ていたのに気付きませんでした。
ワタシ、劇場で映画を観ながら寝ることは滅多にないのですが。あんまり面白く感じてなかったのでしょう。
続いて『独立愚連隊西へ』。
これは『独立愚連隊』よりは面白く感じました。無事寝ずに鑑賞。
どちらも長いよ。
と、『ラスト、コーション』からここまでの3本は日中戦争に絡むお話の映画でした。
次に『月給泥棒』。
宝田明と司葉子の組み合わせが好きなので観ました。
いかにも東宝的なサラリーマンもののコメディ。
4本連続で観て(しかも『ラスト、コーション』は2時間半あり、『独立愚連隊』『独立愚連隊西へ』も長い)、すごく疲れた。
頑張って観たわりに、その甲斐がなくさらに疲労感を感じてしまいました。
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