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『暗黒街の対決』『顔役暁に死す』『野獣都市』

シネマアートンの大藪春彦特集で3本鑑賞。

岡本喜八監督の『暗黒街の対決』。
先日ラピュタで観た『暗黒街の顔役』がひどい駄作だったので、不安に思いつつ鑑賞しましたが、『暗黒街の対決』は大丈夫でした。
トレンチコートを着た三船敏郎の広い肩幅、厚い胸板に魅了されました(もちろん顔もイイ)。
鶴田浩二は三船敏郎と一緒に映るとキビシイですね。鶴田浩二は着物の人だ。
鶴田浩二のバーがモロ西部劇風。街角の撮影などもローアングル多用で西部劇そのもの。
西部劇好きの監督の趣向がにじみ出ておりました。
なのに、鶴田浩二は仁侠映画そのままの古臭い演技で、浮きまくっておりました。
最後の三船敏郎と鶴田浩二の対決のシーンは興奮いたしました。

次に岡本喜八監督の『顔役暁に死す』。
これはお坊ちゃま俳優加山雄三を大活躍させるための映画。
この作品もローアングルでの風景の撮影が多く、特に証拠の弾丸を追うヤクザを加山雄三が追いかけるシーンなんて、セットがどう見ても日本じゃなく西部劇。
観覧車は浮き上がるところが良かった。
これも『暗黒街の顔役』のようは駄作ではありませんでした。ヌルい方ではありますが。
ワタシにとって岡本喜八、あまり好きな方の監督ではないんだと思います。
これまで観た作品、どれも長く感じるんですよね(実際に尺が長い作品も多い)。
まだ一部の作品しか観ていないので、これから凄く気に入る作品に出会えるかもしれませんが。

3本目、福田純監督の『野獣都市』。
これはすごく面白かったです。
主演の黒沢年男が見た目・演技ともイモだということを置いておけるぐらい、興味深い作品でした。
シネマアートンの解説には
「工学部学生・有間は、銃砲店でアルバイト中に銃と運転の腕前を見込まれて、実業家・石浜の運転手兼用心棒となる。石浜は戦争中麻薬で荒稼ぎした過去があり、昔の仲間やヤクザに脅迫されていた……。石浜と有間の次第に父子のような情愛が生まれてくるシリアス・タッチなハードボイルド・アクション。」
とありますが、黒沢年男と三國連太郎の関係は、「父子のような情愛」というよりホモソーシャルな関係で、黒沢年男は三國連太郎の自分の会社のためなら私情を捨て手段を選ばない三國連太郎の非情さに惹かれ、三國連太郎は若い時分の自分を思い起こさせるハングリーな黒沢年男に惹かれます。
一方、三國連太郎は異性である娘・高橋紀子には冷たくよそよそしく、会社の利益のために娘を付き合っている男と別れさせ大会社の御曹司と政略結婚させることにし、娘とは金のやりとりでのみコミュニケーションしております(三國連太郎には死別したのは離婚したのか妻がいなく娘との二人暮らし)。
そんな父親に対するつらあてに高橋紀子は、住み込みの黒沢年男をモーテルに連れ込みセックスし、父親に反抗して見せるのですが、三國連太郎は娘・高橋紀子に対し黒沢年男と寝たことへの怒りをぶつけ(男二人の関係の中に異性である高橋紀子が入ってきたことへの怒り)、一方責任をとって家を出て行こうとする黒沢年男に対してはずっとこのまま家にいてくれと懇願とも取れる態度を見せます。
老獪な有力者たちによって会社の危機に陥った三國連太郎は黒沢年男と○○を別荘に監禁しますが、その別荘で二人が見つめあいコーヒーを飲むときの笑顔ときたら、すべてを信じ合っている恋人同士のようです。
(以下青文字部分ネタバレ注意)
が、相手側に娘を人質にとられ、会社のためならどんな私情も廃していた三國連太郎が会社よりも娘への愛情を選んだ瞬間(ごく普通の選択をした瞬間)、スキを突かれ三國連太郎は相手側から暴行を受け廃人にされてしまいます。
このとき、黒沢年男は命がけで三國連太郎を救出しようとするのですが、相手側に「俺の社長を返せ!」と言うセリフがあって、「俺の社長」という聞いたことのない言葉にワタクシ驚いてしまいました。「俺の女を返せ!」というトーンで「俺の社長を返せ!」と言うんですよ。
うーん、ホモソーシャル。
黒沢年男は救出した三國連太郎が考えることも話すこともできないヨダレを垂らすだけの廃人になってしまったのを見て、涙を流しながら三國連太郎を殺します。
愛する存在をそんな姿で生かしておくことはできない、と。

このようにホモソーシャルなストーリーの作品なのですが、画面構成も出色の出来で、見ていて唸らされました。
あと、冒頭三國連太郎が黒沢年男と猟に行く場面で、三國連太郎の帽子に猟友会のバッジ(毎年更新される年号が入ったやつ)が付けてあり、細かいところまでよく研究してあるなと思いました。
銃マニアの視点から観ても面白いのではないでしょうか。
(有名な話ですが大藪晴彦は銃刀法違反で逮捕歴あり)
この作品を実際観る前に、主演は黒沢年男ではなく藤岡弘だったらよかったのにと考えていたのですが、もし藤岡弘が主演だったら、三國連太郎は単純にたくましい肉体をもつ藤岡弘の外見に恋愛感情を持ったという違う話になってしまってましたね。
だから藤岡弘じゃダメ。黒沢年男ではなく誰だったらよかったか考えてみましたが、適任が思いつきません。やっぱり黒沢年男しかいなかったかな。
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

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Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

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