スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-- : -- : -- | スポンサー広告 pagetop

『ごろつき』『性の放浪』『噴出祈願 15歳の売春婦』

今日は浅草めぐりの前後に3本鑑賞いたしました。

まずフィルムセンターにてマキノ雅広監督の『ごろつき』(68年)。
キックボクシングの映画ということで観に行きました。
これがまぁ、ある意味トンデモ映画で、あまりの破綻具合に観ていて頭がクラクラしてしまいました。
冒頭、九州の三池炭鉱から始って、高倉健(長髪。カツラ?)と菅原文太が登場するのですが、二人とも顔がスス汚れで真っ黒。母親(三益愛子)と幼い弟妹は居候している親戚の家を追い出され、高倉健は三益愛子をおぶり弟妹を連れ、土砂降りの中震えながら、貧しい長屋が並ぶ路地を歩き、菅原文太一家が暮らす長屋に連れて行きます。そして、高倉健と菅原文太は「ここを出て東京に行って一旗あげるんだ!」と宣言します。ここまでは濃厚な母ものでお涙頂戴調で長屋のセットをつかってジットリと描写しております。
で、高倉健と菅原文太は東京に出ます。突然東京のロケです。乗せてきてもらったダンプを降りると、車がビュンビュン来て、二人は道を渡ることもままなりません。二人のキャラクターも突然バカになっていて、まむしの兄弟といったところです(なぜか顔は真っ黒に汚れたまま)。直後に、新宿西口、現在のモザイク通りに立ち都会の風景に驚く二人、西口のタクシーが走るロータリー(カタツムリ型の地下に入っていくやつ)の真ん中を歩き、車に惹かれそうになる二人、と異空間やってきた高倉健と菅原文太をひたすらバカのように描きます。
新宿中央公園の噴水前、朦朧としたフウテンだらけの中、顔が真っ黒なまむしの兄弟・健さんと文太は、フウテン達にキックボクシングのジムはどこにあるのか尋ねるも、みんなラリっていて誰も答えません。この場面、先日観た『新宿マッド』のようでした。マキノを観て若松孝ニを感じられるとは驚き(『にっぽん'69 セックス猟奇地帯』ともいえる)。
で、途中親切な人に助けられ、大木実のキックボクシング・ジムにたどりつき、高倉健はジムに住み込みで働きながらボクシングのトレーニングを始めることができました。
これで努力してトレーニングしてチャンピオンになる物語なのかと思ったのですが、早々に裏切られました。
菅原文太は豪邸の犬の世話係として高給で雇われます。この犬は人間以上の高級な食事を与えられているのですが、それを見てカッときた健さんは何と、エアー・サロンパスを手にオリの中に入っていきます。まさか!と思った瞬間、天下の大スター高倉健は犬のキ○○マにエアー・サロンパスをシューと吹きかけます。犬は当然キャイーンとなるわけですが、マキノはその一部始終を丁寧に撮っております。唖然呆然です。
健&文太は夜は流しの仕事をすることになり(!)、昼間のトレーニング風景の直後に突然、ギターを抱えてクラブで流しをする場面になり、場内爆笑です。
そして歌うのは、もちろん「網走番外地」。文太のギターで健さんが歌います。場内また爆笑。次に唄うのは「唐獅子牡丹」。もうどうなっちゃってるの?
流しの親玉の石山健二郎が振興ヤクザの渡辺文雄に嫌がらせを受けたり、近所の新聞配達少年が渡辺文雄の車にひかれたり(国立代々木競技場のドまん前で!)、色々あったけど健さん、キック・ボクシングの試合に出て勝ちます。試合の場面は迫力もなく結構ショボいです。どうもマキノはキック・ボクシングに興味なさそうです。
で喜びも束の間、渡辺文雄たちに石山健二郎は家を放火され、あげくに殺され、菅原文太も殺され、堪忍袋の緒が切れた健さんは刀を手に渡辺文雄一家へ殴り込みに行きます。もうここからは『日本侠客伝』や『昭和残客伝』と同じです。様式美です。見事です。憎き渡辺文雄を斬ります。
そして最後、九州・三池の三益愛子たちが手紙を読むところで「終」。
なんじゃ、こりゃー。キック・ボクシング、全然関係ないじゃん。結局、殴り込みがやりたいだけじゃないかー。
あまりに色々なものを詰め込み過ぎで空中分解しておりました。
健さんのトレーニング風景やら子供が車に轢かれる場面やら、何度も代々木体育館がドドーンと出てくる映画でありました。

『ごろつき』のあと、浅草に移動して、なべらさんと浅草探索(別途、アップいたします)。

浅草探索のあと、シネマヴェーラの若松孝ニ特集へ。

『性の放浪』(67年)。
奇妙なスキャットが入りの音楽が流れる中、『壁の中の秘事』と同じような団地風景の連続でスタート。
壁に囲まれた圧迫された日常から、突然のどかで開放的な町(茨城らしい)になぜかたどり着いた山谷初男の奇妙な数日間を、山谷初男のあの飄々としたモノローグをまじえながら描いた作品。
全編に流れる「ツィゴイネルワイゼン」が山谷初男のトホホ状態に絶妙にマッチしていて最高。山谷初男が皿洗いの仕事をしている映像に後半のアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ部分をかぶせるなんて、もう爆笑。「ツィゴイネルワイゼン」のほかショパンも流れてました。若松孝ニはやはりクラシックのつかい方が実にうまい。
小水一男演じる脱獄犯が警官を殺すところも、とにかくおかしい。
摩訶不思議な蒸発譚。とても楽しめました。サイコー。

『噴出祈願 15歳の売春婦』(66年)。
タイトルは『噴出祈願 15代の売春婦』(歳ではなく代)と出てましたね。
足立正生監督作品。
あまりのヒドさに閉口。担任教師の棒読み演技に場内爆笑が起きておりましたが、ワタシはこの作品にもうイライラしていたので笑う気にもなりませんでした。
『ごろつき』に続き、これまた代々木体育館が大ヒューチャーされてる作品。
この時代は代々木体育館がオサレ建物だったんでしょうねぇ。前年(65年)の石井輝男監督の『顔役』にもバーンと出てましたし。
新宿東口で少女がヌードになり売春をするロケをしているのには、ちょっと驚きました(コートを羽織って、柱のかげでだけど)。

代々木体育館映画祭希望です。
スポンサーサイト

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

23 : 59 : 57 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) pagetop
<<浅草めぐり | ホーム | マキノ雅広監督作品『男の顔は切り札』>>
コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://ssbs.blog36.fc2.com/tb.php/430-fe4ce43a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |

プロフィール

 リネン

Author: リネン
♀。会社員。独身。
東京23区在住。
深煎りコーヒーが好き。
成瀬巳喜男監督作品56本を
劇場で観たのが自慢。

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最近の記事

ブログ内検索

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

最近のトラックバック

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSフィード

Blogリンクリスト

BlogPeople

ブログペット

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。