日曜日、シネマヴェーラの若松孝ニ特集、3本立てへ。
『犯された白衣』(67年)。
これは相当以前に観たことがあります。
冒頭、唐十郎がレズ行為を見て、「離れろ!」と叫び、次に「なぜそんなに見るんだ?」と言葉を発するまで相当時間があるな、と。
少女役で出ていたのは坂本道子当時の夏純子です。まだヤボったい。
この作品の脚本を書いたのは唐十郎と『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』で神がかり的演技を見せた山下治です。
『犯された白衣』は『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』と同時に撮られた作品とのことですが、『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』 の方が断然面白いな、と。
『裸の銃弾』(69年)。
ニュープリント状態。タイトルは『柔肌無宿 男殺し女殺し』と出ておりました。
エンターテイメント作品として、すごく面白かった!
大和屋竺の脚本。
ワタシは『荒野のダッチワイフ』、『毛の生えた拳銃』、鈴木清順監督の『殺しの烙印』よりも断然この『裸の銃弾』の方が好き。
スタイリッシュなフィルム・ノワールで、キレがよくて、ユーモアもあって、お色気もあって最高。
舞台も団地そばの貧民窟、夜の新宿、原宿のセントラル・アパート(若松孝ニの事務所。『ゆけゆけニ度目の処女』 にも出てきた)、温泉などなど転々としてまったく飽きさせない。
温泉宿で吉沢健は林美樹にブツの隠し場所を聞き出そうとして、身体をつかうのですが、二人が風呂に入るところだけカラーで生々しかった。
吉沢健が手袋の詰めた小指部分に弾丸を入れておくのもカッコよかったし、一番最後、アタッシュケースが階段を落ちていくカットに完全にやられました。カッコイイー!
吉沢健は、回想部分の甘ちゃんの情けない姿も可愛くていいし、殺し屋になってからのナス型サングラスをかけた姿もカッコよくワタクシ萌えました。長身や顔の良さもステキですが、この人の一番の魅力は声とイントネーションだと思います。
『裸の銃弾』、最高でした。
『性賊 セックスジャック』(70年)。
これは高校生の頃から観たいなと思っていた作品。やっと劇場で観ることができました。
空虚な議論と、「薔薇色の連帯!」「勝つのよ!勝つのよ!」と言いながらセックスするしか能のない学生に対し、次々と実力行使を実行する川向こうの労働者少年の対比。
今のところ全作品通っている若松特集もあと2作を残すのみです。
シネマヴェーラのロビーにラピュタのロマンポルノ特集のチラシが置いてありました。
チラシに目を通すだけで興奮いたします。あああ、楽しみだぁ。
今回の特集で上映される藤田敏八監督作品『実録不良少女 姦』は、昨年のカナザワ映画祭で観たのですが(その時の
ブログ)、すごく面白かったです。この作品の少女同士のキャットファイト、ワタクシがこれまで観たキャット・ファイトの中でももっとも凄まじいものでありました。内田裕也の情けなさぶりもイイし、主人公の女優がお世辞にも美しい方ではないので、いかにも実録っぽくてパンチがある作品でありました。男性が観ていて興奮できる作品ではありませんが、オススメです。
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