朝、駅のプラットホームで電車を待っていたら、外国人男性が英語で「新宿までどのぐらいかかりますか?」と訊いてきたので、親切心から10分ぐらいと答えたところ、その男性(インドからきたばかりと言ってた)、新宿に着くまでずーっと口説いてきて、「外国人と日本人の男性、付き合ってみて、どちらが良かった?」とまで訊いてきた。
外国人男性と付き合ったことないから、わかんないよ!と答えました。
「これからどこに行くの?」と訊いてきたので、「今日は彼氏と映画を観に行きます」と答えましたよ(当然ウソ)。
で、たどり着いたのは早稲田松竹。ゴダール2本立て。
まず『彼女について私が知っている二、三の事柄』。
最近、団地映画が続いております。これはジャン=リュック・ゴダール版『団地妻 昼下りの情事』。
結構面白かった。
売春宿など団地の壁に航空会社のポスターがいっぱい貼ってあって、JALの異国情緒ただようデザインのポスター(上村松園の絵だったり)が印象的でありました。あと、パンナムとTWAのバッグを頭に被ったり。
主人公の主婦の息子が読む作文が最高。フランス人は子供でも大人だ。
次に『はなればなれに』。
ミシェル・ルグランの曲が流れると激しく胸騒ぎしてしまいます。
下北沢に移動。
自然食レストランでカレーを食べ、気流舎でコーヒーを飲み、シネマアートンへ。
まず、野村芳太郎監督の『左ききの狙撃者 東京湾』を鑑賞。
昔の東京がいっぱい映っているということで、ずっと観たかった作品。
タイトルは「東京湾」とだけ出てました。
冒頭の空撮で日比谷、銀座、築地が映り、高島屋近辺、浅草松屋の屋上、立石の下町の飲み屋街などで色々な場所でロケしておりました。
62年の作品ですから、立派でキレイになる前の東京です。
最後、お化け煙突をバックに荒川のボート小屋が映したショットがいいなと思いました。
突っ込みどころもありましたが、「その男の職業、刑事」という特集にふさわしいストーリーでありました。
全体的に『砂の器』を彷彿させらる作品でした。
そして須川栄三監督の『野獣狩り』。
去年東京映画祭で観て、大感動し、その日から藤岡弘の虜になりました。
あまりに傑作だったので再見。
場内満員。すごい熱気の中、セクシー・ダイナマイト藤岡弘を堪能いたしました。
藤岡弘、無意識になのかフサフサしたモミアゲ(右側)を始終触っていて、イヤ~ン、セクシー。
この作品、去年劇場で観た後も、録画物でも見ましたので、今日が3度目の鑑賞で次にどういうシーンがくるのかわかっているにもかかわらず、観ていて血圧が上がりました。
特に、警備員の原口が藤岡弘にバリケードを蹴って、日比谷でタクシーに乗り、藤岡弘から逃げようとする驚異のロング・ショット!奇跡!
俳優もスタッフもとにかく凄い。
以前の日記に作品の感想を書きましたので、今回は割愛いたしますが、再度、藤岡弘によるこの作品についての解説を載せておきます。
http://forest.kinokuniya.co.jp/CngSpe/269東宝の最高のスタッフが結集し、伴淳三郎さんと共演させていただき、一番熱くて一番燃えた、思い出の主演作です。木村大作さんという名キャメラマンのデビュー作でもあります。私が演じているのは型破りな若い熱血刑事。タクシーで逃亡する犯人の追跡場面が圧巻です。日比谷の東宝の映画館のあたりから日比谷警察まで。タクシーに乗り込んだ逃走犯と並走する形で、手持ちキャメラでバイクの後ろに乗り、私の全力疾走をワンカットで撮り続けています。40階建てビルの屋上を飛び移るカット、実弾の散弾銃が打ち込まれるエレベーターに紙一重で飛び降りるカット、全部スタントなしです! ビルから人質を逆さ吊りにする場面をゲリラ的に撮ったら、本物のパトカーや消防車が駆け付けてきて、それをそのまま撮影してさあ(笑)。映画作りに対する真剣さが、今とは全然違うんだよねえ…。事件現場は東宝ツインタワー・ビル(今は亡き三信ビル隣)。
http://www.toho-re.co.jp/project/twin_tower.html現在はツイン部分に富士電機の広告塔が付いたので、ちょっと印象が変わっております。
69年竣工のビルなんですね。検索すると『野獣狩り』以外も東宝作品に登場しているようです。
劇中、ツインタワービルからはす向かいの日劇が何度も映っておりました。
映画が終って、八重子さんと藤岡弘の魅力についてヒーヒー言いながら帰りました。
ワタクシ、藤岡弘を観ただけで妊娠しそうです。
オトコもオンナもシネマアートンへ!
『野獣狩り』、大傑作です!
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