ラピュタにて「恋の片道切符」「不敵な男」「女は二度生まれる」の3本を観る。
篠田正浩監督の処女作「恋の片道切符」。
当時のアイドルがでる青春映画とのことで、期待をしてなかったのだが、
かなりいい作品で収穫だった。
冒頭、東京駅を俯瞰でとらえたショットの直後に改札前で主人公を思いっきり下からあおって撮るショットにはじまって、
凝りに凝ったカメラワークが続く。
小坂一也と牧紀子が陸橋で出会い、次のシーンに変わる直前
カメラのフォーカスが遠くの二人から近くの雨だれに移るところがまたいい。
歌舞伎町を中心とした新宿を非常にドライに撮影している。
ヒロインの牧紀子の顔立ちや意思の強そうな強いまなざしが、アリダ・ヴァリやモニカ・ヴィッティといったイタリア女優を彷彿させる。
彼女が道を歩くシーンはとてもハードボイルドでスクリーンに
緊張感があって美しい。
トレンチコートを着て道を歩く彼女は、「第三の男」のアリダ・ヴァリのよう。
彼女をひきで撮る最後のシーンまで、素晴らしい。
この作品の牧紀子はまさにフォトジェニックだ。
増村保造の「不敵な男」。
増村作品に繰り返しあらわれる「女が犯されて強くなる」というテーマにそった作品。
ヒロインの野添ひとみは、川口浩に犯され、強くなり、最後に優しくなる。
優しくなる、というところは、「犯されて強くなる」テーマの中でも、これは「赤い天使」と同じパターン。
川島雄三の「女は二度生まれる」。
この作品をスクリーンで観るのは久しぶり。
川島雄三は劇的なシーンで顔をアップにすることが多いなぁと再確認。
何度観てもラストは謎。
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