カラダは一つしかないのに、同じ時間に行きたい劇場が二つある。
そんな時、どうすればいいのでしょうか?
フィルムセンターでの『拳銃(コルト)は俺のパスポート』を観に行くか、
シネマヴェーラでの中島貞夫監督作品『くの一忍法』に行くか、
ワタシは3日間悩みに悩みました。
そして行ったのは、『拳銃は俺のパスポート』。
蓮實重彦が日本ハードボイルド映画の傑作と称賛していたからです。
それに、近々某劇場で中島貞夫監督の特集を行うらしいし…。
ここまで悩んで、大好きな中島監督の『くの一忍法』を犠牲にして観に行った『拳銃は~』がつまらなかったら、怒るよ、と思いつつ鑑賞。
石原裕次郎や小林旭などの日活作品にほとんど興味が無いのですが、
『拳銃は俺のパスポート』、たしかにスタイリッシュな無国籍ハードボイルドでまぁまぁ楽しめました。
ここは本当に日本ですか?という画が続きます。
音楽も無国籍です。
宍戸錠とジェリー藤尾演じる殺し屋が仕事を終え、
屋根裏部屋で隠れているという緊張したシーンで、
宍戸錠がなぜか屋根裏部屋に置いてあるギターを手に取り、
ジェリー藤尾に「歌えば落ち着くだろう」と言いギターを渡します。
そしてジェリー藤尾はギターを弾きながら歌いだします。
あまりの不自然さに失笑。
そんなことしたら追っ手に隠れ家がバレるだろうに。
最後の埋立地でのシーンでも、散々ちゅうちょなく人を殺し続けてきた宍戸錠が、
虫を見て優しさを見せます。変。
まぁ、いいですけど。
埋立地の無国籍感はちょっと見ものです。テキサスかメキシコかと思いました。
宍戸錠もジェリー藤尾も無国籍なルックスです。
主人公は生への強い執着を持っていて、
最後、砂漠(埋立地)でも最後まで生きようと歩き続けるショットは、
新鮮でなかなか良かった。
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